Windows RTのIEは「特権的地位」、米Mozillaが抗議


 米Microsoftが発表予定のARMプロセッサー用Windows「Windows RT」上では、Internet Explorerが特権的な地位を得て、他のブラウザーは同様の機能を利用できなくなるとして、米Mozillaが公式ブログで抗議の意思を表明した。

 これは、MozillaゼネラルカウンセルのHarvey Anderson氏が、Mozilla公式ブログで述べたものだ。MozillaスポークスパーソンのAsa Dotzler氏も、同様の懸念を表明している。

 Windows RTは、タブレット端末で使用される予定のWindows。現状では市場に出回っていない。しかし将来的にARMプロセッサー採用タブレットで多数のWindows RTが動作するようになった場合、この問題は大きくなる可能性がある。

 Windows RTのアプリケーションには2種類ある。Windowsクラシックアプリケーションと、メトロアプリケーションだ。Windowsクラシックアプリケーションはwin32APIを使用できる。しかしメトロアプリケーションはサンドボックス内で動作し、クラシック版ほど強力な様々な機能は利用できない。

 問題となっているのは、IEはWindowsクラシック環境で動作するものの、Mozilla Firefox、Google Chrome、Operaなど他のブラウザーは、機能が制限されるメトロアプリケーションとしての動作しか許可されていないことにある。

 Anderson氏は、「我々はMicrosoftに対し、ユーザーが選択できるようにするための原則に堅く従い続け、閉じた道を進みたくなる衝動に抗うようお勧めしたい」とコメントしている。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2012/5/11 11:51