6月6日の「World IPv6 Launch」、日本からの参加サイト増加、ソニーなども


日本からの「World IPv6 Launch」参加ウェブサイト一覧(5月28日現在)

 IPv6を恒久的に有効化するとの趣旨で6月6日(日本時間午前9時)より実施される「World IPv6 Launch」を前に、日本からの参加表明ウェブサイトが増加している。

 World IPv6 Launchは、Internet Society(ISOC)が提唱して世界規模で実施されるイベント。ウェブ事業者としては、Google、Facebook、Yahoo!などが参加を表明済みだ。参加サイトは、以降、IPv6の実験サイトやミラーサイトではなく、メインサイトにおいてIPv6に恒久的に対応すること(もしくは、すでに対応しており、以降も継続予定であること)が求められる。このため、IPv6インターネット接続環境にあるユーザーからは、参加表明したサイトのサービスにIPv6で接続できることになる。

 一方、日本では、ウェブサイトがIPv6に対応することで、「フレッツ 光」の環境で「IPv6-IPv4フォールバック問題」と呼ばれるアクセス遅延が発生することから、日本の大手サイトでは現状、IPv6対応を見送っている状況のようだ(なお、IPv6-IPv4フォールバック問題については、NTT東西とISPが共同で回避策を導入する見込み。詳細は、本誌2012年4月19日付および2012年5月21日付の関連記事を参照)。

 そんな状況の中で、NTTコミュニケーションズがすでに同社グループ4社のサイト(同社コーポレートサイト、OCN、NTTぷららなど)で参加表明していたが、つい先ごろまでは日本の参加サイトは30サイトほどだった。

 それが5月下旬に入り、参加サイトが増加。World IPv6 Launchのサイトにある参加者検索ページでは28日現在、日本から60サイトがリストアップされる。この中にはソニー(http://www.sony.co.jp/、http://www.sony.net/)も含まれている。

 なお、全世界での参加サイト数は28日現在、1923サイトに上る。国・地域別に見ると、やはりグローバルなサービスを多数抱えているためか、米国が329サイトと飛び抜けて多い。次いでドイツの141サイト、台湾の123サイト、英国の107サイトと続き、このほかはスペイン、スウェーデン、フランス、オーストラリアなどが70サイト前後で比較的多いほうだ。日本の60サイトは、数だけ見れば少ないわけではない。なお、リストにはAlexaのランキングもあわせて表示されるため、そのサイトのおおよその利用規模も把握できる。

 World IPv6 Launchへの参加カテゴリーとしては、ウェブ事業者のほか、家庭向けルーターベンダーと、ネットワーク事業者(ISP)のカテゴリーがある。

 家庭向けルーターベンダーは、自社製品において標準でIPv6対応が求められ、現在のところ、Cisco SystemsやD-Linkなど4社が参加表明している。

 一方、ISPとして参加するにあたっては、すでに1%以上のユーザーにIPv6を展開しており、さらに今後、デフォルトでIPv6を提供することが条件。日本のISPとしては「auひかり」でIPv6の標準提供を開始しているKDDIのみが参加表明するかたちになっていたが、5月16日付で「SuperCSI」も加わっている。SuperCSIは、中国・四国エリアの教育・研究機関を対象に高速・大容量ネットワークを提供するサービスだという。

 ISOCでは5月30日まで、World IPv6 Launchへの参加者を募集している。


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(永沢 茂)

2012/5/28 18:53