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組織内不正コピー発覚で多額の賠償金も、ACCSがソフト管理の必要性アピール


 一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)は、企業・団体におけるソフトウェア管理の普及・啓発を進めるための「組織内不正コピー防止キャンペーン」を7月1日から2013年3月31日まで実施する。ソフトウェア管理者の養成講座を大阪・東京で開催するほか、ソフトウェア管理のチェックシートなども含む管理マニュアルも配布する。

 管理者養成講座は、主に中小規模の組織向けに実施するもので、ソフトウェア管理に必要な法律と実務が学べるという。大阪で7月末、東京で10月末に開催する。大阪についてはすでに満席となっているが、東京については8〜9月に開催概要を告知する予定。このほか、ソフトウェア管理のセミナーを開催する企業・団体を対象に、ACCSから講師を派遣する活動も行う。

 マニュアルは「すぐに始めるソフトウェア管理」という冊子としてとりまとめ、以前より配布しているもの。最新版はACCSのウェブサイトからPDFでダウンロードすることも可能だ。同マニュアルでは、ソフトウェア管理の目的のほか、具体的に管理すべき項目やライセンスに関する基礎知識、さらにはソフトウェア管理規定や管理台帳の書式例も盛り込んでいる。

 ACCSが1997年に組織内のソフトウェア管理をサポートする事業を開始した当初は、なぜソフトウェア管理を企業が行う必要があるのかを理解してもらうことから始める段階だったという。現在では、必要性は認識されるようになったものの、具体的な方法がわからないとの問い合わせが多いことから、キャンペーンというかたちで普及・啓発をさらに進めていくことにした。

 最近では大企業においてソフトウェア管理がなされるようになった一方で、中小企業では追い付いていないのが実情だという。特に、急成長して従業員が急増しているベンチャー企業や、海外支社などでの管理が見落とされやすいとして注意を呼び掛けている。

 組織内違法コピーは著作権法違反となり、法人に対しては3億円以下の罰金、代表者や従業員に対しては10年以下の懲役または1000万円以下の罰金(またはこれらの併科)の刑事罰が科せられるほか、民事でも損害賠償請求の対象になる。不正コピーが発覚すれば、ソフトウェアを正規購入した場合よりも多大なコストがかかることや、社会的信用を失うなどの影響があると、ACCSでは説明している。2011年度にACCSの不正コピー情報窓口に寄せられた情報で発覚し、不正コピーを行っていた組織とACCS会員のソフトウェア企業との間で和解が成立した案件は51件で、和解金は合計3億6400万円に上ったという。


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(永沢 茂)

2012/7/2 11:00