気分とジャンルで選んだ音楽が聴き放題、iPhoneアプリ「monstar.ch」


 株式会社モンスター・ラボは13日、気分やジャンルに合わせた音楽をストリーミング再生できるiPhoneアプリ「monstar.ch(モンスターチャンネル)」を公開した。無料会員は月に10時間までの聴取が可能。月額350円の有料会員は時間制限なしで、気に入った楽曲のプレイリストを作成できるなどの特典がある。

 権利許諾を受けている約300万曲の中から、同社専属のDJがセレクトした楽曲をストリーミングで聴けるアプリ。「テンションをあげたい」「まったりしたい」「癒されたい」などの“気分”と、邦楽や洋楽、JAZZなどの“ジャンル”を選ぶと、それに応じた楽曲が再生される。気に入った曲はiTunes Storeでダウンロード購入が可能だ。楽曲ビットレートは64kbps。

 気分とジャンルの組み合わせは57通り(チャンネル)。特定の楽曲を指定して聴くことはできないが、「気分に合った音楽に気軽に出会えるのが特徴」と、モンスター・ラボのいな川宏樹社長は話す。楽曲はジャンルごとに「数万曲」を用意。邦楽は権利許諾が受けにくいメジャー楽曲は少なく、J-POPカバー曲などのインディーズが中心だ。

 また、「ビートルズトリビュート」や「アニメジャズカバー」など、専属DJがオススメする特集チャンネルを用意し、毎週1チャンネルずつ増やしていく。アプリ上でフォローしているユーザーが「いいね!」した楽曲を聴いたり、自分が「いいね!」した楽曲の情報をTwitterやFacebookに投稿し、自分の友達がその楽曲を聴ける機能も備える。

 無料会員は月間10時間まで聴取が可能だが、画面上にバナー広告が表示されたり、特集チャンネルを10曲までしか聴けない制限がある。将来的には、数曲ごとに音声広告を挿入することも検討中だ。一方、月額350円の有料会員は時間制限なしで聴き放題で、広告は非表示。気に入った曲をプレイリストに登録し、後から再生する機能も使える。

こだわりはないけど心地よい音楽を聴きたい人が楽しめるサービス

モンスター・ラボのいな川宏樹社長

 音楽ストリーミングサービスをめぐっては、海外では米国の「Pandora」が1億5000万以上のユーザーを獲得しているほか、スウェーデン発の「Spotify」などが利用者を増やしている。国内では、すでに欧米などで開始していたソニーの定額制サービス「Music Unlimited」が日本でも7月に上陸した。

 こうした市場の動きについて、いな川社長は「フィーチャーフォンからスマートフォンへの急速な移行に伴い、着うたなどのダウンロード型音楽サービスに代わる、スマートフォンに向けた新たな音楽サービスが求められている。すでに海外の音楽配信はストリーミングが主流になりつつある」と指摘する。

 「好きなアーティストやジャンルがある人は、YouTubeを見たり、曲を指定してダウンロードしたりCDを購入している。一方、我々が目指しているのは、ヘビーユーザーだけでなく、『こだわりはないけれども、心地よい音楽を聴きたい』という人でも楽しめる本格的な音楽サービス。今の気分で曲が探せる強みで競合サービスとの差別化を図りたい。」

 11月にはAndroid向けアプリを公開する予定。年内に50万ユーザーの獲得を目指し、将来的にはアジア進出も視野に入れている。

 モンスター・ラボは2006年2月に設立。インディーズ音楽配信サービス「monstar.fm(モンスター・エフエム)」や、飲食店向けにBGMをネット配信するサービスなどを手がけており、300万曲以上の権利許諾を受けている。monstar.chではこれらの楽曲を配信している。


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(増田 覚)

2012/9/19 10:00