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一般層の取り込みが進み「オタク」市場が拡大、YRI調べ


 株式会社矢野経済研究所(YRI)15日、2011年度における国内「オタク」市場に関する調査結果を公表した。それによれば、前年度に引き続き、「非オタク」である一般層の取り込みにより市場は堅調に推移。その一方、市場はしだいに成熟するとみており、今後は成長を維持するためには海外市場への進出が不可欠だとしている。

 2011年度における分野別の市場規模を見ると、モバイル端末向けゲーム配信によって一般女性ユーザーが増加した「恋愛シミュレーションゲーム」が前年比30.4%増の146億円、SNSを通じて提供されるソーシャルゲームが好調な「オンラインゲーム」が29.2%増の3868億円と大幅に拡大した。

 また、二次創作やキャラクター関連商品で市場が活性化している「ボーカロイド」は14.5%増の63億円、AKB48やその派生グループが人気の「アイドル」は13.1%増の630億円、一般層を対象にした飲食店が好調の「メイド・コスプレ関連」は10.8%増の103億円と、前年度比で1割以上拡大した。

SNSで事業者とユーザーの距離が縮まる

 YRIは2011年度調査の特筆すべき点として、SNSや動画共有サイトなどにより、商品・サービス・コンテンツを提供する事業者側とユーザーとの距離が近くなってきていることを挙げる。特にボーカロイドについては、ユーザーが作成した楽曲がネット上で共有され、二次創作が多数生まれることによって市場が創出されていると指摘する。

 オタク市場全体については、コアユーザーである「オタク」層と、分野により一般層を取り込み、今後も堅調に推移すると予測するものの、しだいに成熟していくと見ている。「国内市場は人口減少などにより、経済成長の鈍化が見込まれ、事業者各社ともに成長を維持するためには海外市場への進出が不可欠」(矢野経済研究所)。

 オタク市場とは、一定数のコアユーザーを有するとみられ、「オタクの聖地」である秋葉原などで扱われることが比較的多いコンテンツや物販、サービスなどを指す。調査は7月から9月にかけて、同社研究員による直接面談および電話、FAXによるヒアリングによって集計したもの。


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(増田 覚)

2012/10/15 14:03