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新しい米Yahoo!Mail発表~新CEOのモバイル戦略の試金石に

 米Yahoo!は11日、新Yahoo!Mailを発表した。ウェブ版は改良され、新iOSアプリ、Androidアプリもアップデート。新たにWindows 8アプリも公開された。

 「高速」「簡単」「どこでも利用可能」をモットーにしており、ウェブ版のユーザーインターフェイスは高速化された上にメニューなどが見直され、モバイルアプリも高速化、使いやすさが主な改良点となっている。今後さらに改良されていくことも明らかになった。

 米Yahoo!Mailを日本から利用するにはいくつかの注意点もあるが、利用者も少なくない。メニューは日本語化されていないが、日本語メールは普通に利用できる。なお、利用するには米Yahoo!アカウントが必要だ。またiOSアプリは日本のApp Storeでは公開されていない。

 この新Yahoo!Mailのウェブ版は「数日中に」全米Yahoo!Mailユーザーが利用できようになるとしている。また、iOS版(iPhone/iPod touch版)、Android版、Windows8アプリはすでに公開された。なおiPad版は提供されていない。

 新ユーザーインターフェイスは、GoogleのGmailや、MicrosoftのOutlook.comを見なれてるユーザーからすれば、目新しさはないように思えるが、米Yahoo!は高速に簡単にどこでも利用できるメールサービスを目指し、大きく改良したと主張している。

 たとえばウェブ版では、メッセージ送信後すぐに受信箱を表示するようにしたため、ユーザーの無駄な時間を毎日「3600万分」削減できるとしている。モバイルアプリでも、添付された写真がメッセージ上部にすぐに表示されたり、撮影した写真をすぐに送信できたりするなど、高速化、使いやすさに注意が払われている。

 Yahoo!Mailは米Yahoo!の中でも最重要サービスの1つだ。そして、CEOのMarissa Mayer氏が9月に就任して以来、初のメジャー製品のアップデートとなる。MayerCEOは11月に米Yahoo!の戦略を策定し、モバイルに力を入れることを明らかにしていた。今回の発表でも、ウェブ版だけでなく、新しいiOSアプリ、アップデートされたAndroidアプリを同時に公開したことにその方針が現れている。

 モダンなウェブメールという観点から言えば、Yahoo!MailはGmailやOutlook.comに大きく後れを取ってきた。それでもYahoo!Mailユーザーが数多く存在することに変わりはない。その意味で、今回の新Yahoo!MailはMayerCEOの最初の試金石となりそうだ。

 Mayer CEOは発表文の中で「私たちはYahoo!Mailを皆様が望む以上のものに作り上げていくとお約束したいと思っています。これはまだほんの始まりにすぎません」と投稿を結び、Yahoo!Mailが今後さらに改良されていくことを示唆した。

(青木 大我 taiga@scientist.com)