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ソーシャルゲーム国内市場規模は2013年度に4256億円へ、YRI調査

 株式会社矢野経済研究所(YRI)は10日、「ソーシャルゲーム市場に関する調査結果 2012」の要約版を公表した。同調査では、2013年度のソーシャルゲーム国内市場規模を前年度比110%の4256億円と予測。成長率自体は鈍化するも、安定した市場拡大が見込めると分析している。

ソーシャルゲーム市場の規模推移(発表資料より転載)

 調査は2012年11月~12月、国内SNS事業者、ソーシャルアプリプロバイダー、ゲームパブリッシャー/ディベロッパー、オンラインゲーム事業者などを対象に、直接面談、電話やメールによるヒアリングなどの形式で行った。

 調査によると、国内の一般ユーザーがソーシャルゲームの利用対価として払う金額(広告収入を除く)の2013年度予測値は4256億円で、対前年度比110%。2011年度調査では対前年比204.6%の2824億円、2012年度は同137%の3870億円に比べ、成長率自体は劣っているものの、拡大基調を予測している。

 近年のソーシャルゲームは、有料の電子くじである「ガチャ」を導入するタイトルが急増。結果としてギャンブル性が高まり、ゲーム内のランキングを競うヘビーユーザーユーザー層からの課金収入が増加した。

 ガチャの一形態である「コンプリートガチャ(コンプガチャ)」は、ガチャの売上を2~3割伸ばす効果があったとされるが、景品表示法に抵触する可能性が消費者庁より指摘され、2012年5月以降、ゲーム提供者側が順次廃止。実際の業績にも影響が出たという。

 2012年11月には、業界団体である「一般社団法人ソーシャルゲーム協会(JASGA)」が発足。市場の急成長に対応するかたちで、健全性の確保に向けた自主的取り組みが欠かせないとしている。

 今後は、国内ソーシャルゲーム事業者による海外展開、スマートフォン向けゲームタイトルのマネタイズ成否が市場拡大の焦点になると展望している。

(森田 秀一)