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アイ・オー、DTCP+によるリモートアクセスに対応した録画用ネットワークHDD

「RECBOX+REMOTE HVL-A」

 株式会社アイ・オー・データ機器は1月16日、DTCP+規格のリモートアクセスに対応した録画用ネットワークHDD「RECBOX+REMOTE HVL-A」(以下HVL-A)を発表した。アイ・オーによれば、DTCP+対応機器は「HVL-A」が初となる。価格は2.0TBが2万4200円、3.0TBが3万600円、4.0TBが3万9100円で、2月中旬頃の出荷を予定している。

 「HVL-A」はDTCP+のリモートアクセスに対応。DTCP-IP対応のテレビで録画した映像を「HVL-A」に保存し、保存した映像を外出先や遠隔地のWindowsパソコンから視聴することができる。DTCP+は、DTCP-IPの拡張仕様「DTCP-IP 1.4」として策定された、DTLAがライセンスしている著作権保護技術(DRM)により保護されたコンテンツを伝送刷るための技術規格で、通称「DTCP+」と呼ばれる。

 DTCP+では(1)デジタル出力制御(=Digital Only Token、アナログ映像出力禁止)の対応、(2)DRMコンテンツのMPEG-TS以外のコンテナ電装の対応、(3)新しいコピーカウントCMI(Content Management Information=コンテンツ管理情報)、(4)リモート・アクセス機能の4つの機能が追加されている。

 アイ・オーではDigion社と協業し「DTCP+」を先行展開し、接続サービス「DiXiM Remote」を採用。「DiXiM Remote」はルータ越えが可能なNATトラバーサル技術に対応しており、今回発表された「HVL-A」製品ユーザーは、ダウンロードで提供されるソフトウェア「DiXiM Digital TV 2013 for I-O DATA」を用いることで、出張先など出先のWindowsパソコンから録画番組を楽しむことが可能になる。

 リモートアクセスを利用する場合は、DTCP+の制限から、リモートアクセスする前に同一LAN上でレジストレーション(ペアリング)をしておく必要があり、リモートアクセスは同時に1台までとなっている。また、視聴コンテンツはいったん「HVL-A」に保存する必要があり、外部機器からのライブ中継などは行えない仕様となっている。

 なお、DTCP+のリモート接続については、暗号方式はDTCP-IPと同様にAES128bitと規定されているが、接続方式については標準化はこれからで、DTCP-IPにおけるDLNAのような標準仕様がない。このため、DTCP+対応機器同士でも、接続方式が異なると接続できない。アイ・オーではDigiOnと協業し、業界のデファクト化を目指すという。

 また「HVL-A」はソニー・コンピューター・エンターテインメントの「nasne」からのダビングに対応する。nasneについては、製品出荷後のファームウェアアップデートにより、nasneとの自動ダウンロード連携にも対応を予定。nasneで録画完了した番組を自動的に「HVL-A」にダウンロードする機能をファームウェアアップデートにより追加する予定だ。

 東芝のレグザや日立のWooo、シャープのアクオスなどDTCP-IP対応テレビから「HVL-A」にDRM付きコンテンツのムーブやダビングが可能。テレビで録画した映像はそのままでは録画した機器以外では再生できないが、「HVL-A」に保存した映像は、DTCP-IP再生に対応するテレビで再生可能だ。このためアイ・オーでは、テレビを買い換える時に備えて「バックアップ代わりにも利用できる」としている。

 スカパー!録画にも対応しており、「スカパー!プレミアムサービスLink」対応チューナーと「HVL-A」を接続することで、「HVL-A」にスカパー!録画が可能となる。また、東芝レグザ、パナソニックDIGAのブルーレイレコーダー、アイ・オーのRECBOXシリーズ製品にコンテンツをムーブ可能。Windowsパソコンでもアイ・オーの別売ソフトウェア「DiXiM BD Burner 2013」および「DTCP-IP DISC RECORDER(生産終了)」を使ってパソコン用ブルーレイドライブでブルーレイメディアに保存することができる。

 同一LAN内であれば、設定はスマートフォン・タブレットからも可能。富士通ARROWSシリーズのスマートフォンであれば、同一LAN内で再生することもできる。NAT越しの再生については、現在のところ再生ソフトウェア「DiXiM Digital TV 2013 for I-O DATA」(「HVL-A」ユーザーに無償ダウンロード提供)をインストールしたWindows OS搭載パソコンでのみ可能となる。今後、DigiOn社の「DiXiM Remote」に対応するスマートフォンやタブレットなどがリリースされればスマートフォン・タブレットでも再生可能となるが、DigiOn社と協業したアイ・オーの今回の「HVL-A」が対応第一弾製品となるため、そうしたスマートデバイスでの対応はこれからという状況だという。

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背面

(工藤 ひろえ)