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凶悪化する偽セキュリティソフト、「新種」感染でPC初期化も

 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は22日、2012年年間のコンピューターウイルスや不正アクセスの届出状況をとりまとめた。

 それによれば、不正アクセス届出状況は前年比17%増の121件。うち、被害があった件数は前年比40%増の105件だった。被害原因の内訳はID・パスワード管理不備が17%、古いバージョン使用・パッチ未導入が14%など。また、原因が不明なケースが53%と、前年同様に全体の半数近くを占め、不正アクセスの原因究明が困難な事例が多かった。

 ウイルス・不正アクセス関連の相談総件数は1万1950件。相談件数の内訳としては、ワンクリック請求関連が2755件で最も多く、以下は偽セキュリティソフト関連が354件、Winny関連が125件、情報詐取を目的として特定の組織に送られる不審なメール関連が40件と続いた。

 偽セキュリティソフト関連の相談については、2011年後半から2012年にかけて増加傾向を示した。IPAはその理由について、新種が出回ったためと指摘。特に2012年は「凶悪化」しており、2012年末に現れた偽セキュリティソフトは、インターネットへのアクセスを完全に遮断したり、システムの復元を妨害するなど、一度感染するとPCを初期化せざるを得ない状況もあったという。

 このほか、ウイルスの届出件数は1万351件と、2011年の1万2036件から14%減少した。ウイルス別届出件数では、マクロウイルスの一種である「XM/Mailcab」が4月から増加傾向にあったという。ウイルス別検出数では、「W32/Mydoom」や「W32/Netsky」が多く検出された。

 IPAのウイルスの定義に当てはまらない「不正プログラム」上位10種類の合計検出数は23万450個と、前年の32万4056個から29%減少。主に正規ソフトを装い感染を試みる「Trojan/Horse」、オンラインバンキングのID/パスワードを窃取する「Bancos」、偽セキュリティソフトの検知名「Fakeav」が多く検出された。

(増田 覚)