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NTT Comら、アジアを結ぶ光海底ケーブル「ASE」の香港ルート運用開始

~当初予定のASE全ルート開通

 NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com) は、マレーシアTelekom Malaysia、フィリピンPLDT、シンガポールStarHubの4社と共同で建設を進めてきた、アジア主要都市を結ぶ大容量光海底ケーブル「Asia Submarine-cable Express」(略称:ASE)について、香港向けのルートが完成、2月8日より運用開始したと発表した。

 今回の香港向けルート開通で、ASEは、2012年8月20日に運用開始した日本・マレーシア・フィリピン・シンガポールを結ぶルートを含め、当初予定していた全てのルートが開通したことになる。NTT Comは、ASEの高信頼性や低遅延性を活かし、企業向けのArcstarグローバル専用サービス、Arcstar Universal One、グローバルIPネットワークサービスなどを拡充していく方針だ。

 またNTT Comでは今後、主に東南アジア(特にメコンエリア)に、ASEの陸揚げ国の拡大を予定。合わせてグローバルデータセンターも拡充し、高品質なネットワークサービスとデータセンター、クラウドサービスをエンドtoエンド&ワンストップで提供していくという。

 ASEは、地震や台風といった自然災害の多発地域である台湾南沖バシー海峡付近を回避するとともに、日本から香港、シンガポールまでのケーブル敷設距離を最短ルートで設計することで、高信頼性と低遅延を実現した。

【ASEのおもな仕様】
・総延長:約7800km
・設計容量:15 Tbps以上
・陸揚げ地:日本、フィリピン、シンガポール、マレーシア、香港
・参加通信事業者: NTT Com、Telekom Malaysia、PLDT、StarHub

 今回開通した香港ルートは、NTT Comが香港 将軍澳(チュンクワンオウ)に建設した「香港TKOデータセンター」(2013年春に提供開始予定)に直接陸揚げされており、そのままデータセンターのサーバールームと直結。これにより、アジア主要都市と香港TKOデータセンターを結ぶネットワークサービスを、従来よりも低遅延かつ低コストで提供できるようになるという。

 香港はシンガポールと並んでアジアの主要国際金融都市であることから、金融商品の高頻度取引などマイクロ秒を争う金融機関の顧客に最適な環境が提供できるとしている。

Asia Submarine-cable Express(ASE)のケーブルルート図。このエリアは、国際海底ケーブルの密集地域だが、地震や台風など自然災害の影響も受けやすく、ここ 数年、ケーブル故障が多く起こっている。ASEはこの故障頻発エリアを回避するようなルート設計になっている。丸付き数字は過去の故障事例の起こった場所で、(1)2006年12月:地震による故障、(2)2009年8月:台風による故障、(3)32010年3月:地震による故障

(工藤 ひろえ)