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イオンとソフトバンクグループ、店舗集客や公衆無線LANなどで協業

 イオン株式会社、ソフトバンクテレコム株式会社、ヤフー株式会社の3社は7日、インターネットを活用した店舗集客や公衆無線LANの整備、スマートフォンアプリの開発などの取り組みを、イオンとソフトバンクグループの協業で進めていくと発表した。

イオンリテールの梅本和典社長(左)とソフトバンクテレコムの宮内謙副社長(右)

 3月15日からは、ヤフーとソフトバンクテレコムが進めているO2O(Online to Offline)事業の「ウルトラ集客」をイオンが導入。Yahoo! JAPANのトップページに掲載するバナー広告を入り口として顧客に各種キャンペーンへの参加を促す。ユーザーは、キャンペーンサイトから特典のバーコード情報を受け取り、イオンの店舗に設置されている装置「HappyGATE」にバーコードをかざすことで、クーポン券が受け取れる。

 サービスは、すでに「HappyGATE」を導入している全国のイオンなど約460店舗で開始。今後、全国の食品スーパー「マックスバリュ」など約1000店舗でも順次サービスを開始する予定。

店舗に設置される「HappyGATE」
バーコードをかざすとクーポン券が受け取れる

 さらに今後の取り組みとしては、イオンモールなどイオンのショッピングセンターにWi-Fiスポットを6月から順次設置し、「AEON Wi-Fi(仮称)」のサービスを開始することも発表。店舗に来店した顧客のスマートフォンへの電子広告や電子クーポンのプッシュ配信や、特売情報の発信などのサービスにも取り組む。公衆無線LANの整備はイオンとソフトバンクテレコムが共同で行うが、公衆無線LANサービスについては各通信キャリアが提供するサービスを利用できる形で進めていくという。

 また、イオンとソフトバンクテレコムでは、マルチキャリア対応スマートフォン用の「イオンサービスアプリ(仮称)」も共同で開発。来店時のポイント付与やイベントへの誘導など、イオンのショッピングセンター内で使えるアプリケーションで、提供するサービスのイメージとしては、食品のタグにかざすとレシピを表示したり、駐車場で自身が駐車した場所を案内するといった機能を紹介。「来店WAONポイント」など、WAONとの連携サービスも予定する。アプリは、2013年度上期中に首都圏店舗での実験を予定している。

 イオンリテール株式会社代表取締役社長の梅本和典氏は、「インターネットの普及に加えて、スマートフォンやタブレットが普及し、小売業である我々にとっても、顧客の買物行動がマルチデバイスを活用するように変化してきている」と、今回の取り組みを進める理由を語った。

 Yahoo! JAPANからの集客についてはすでにトライアルを実施しており、ペットフードのサンプルプレゼントでは6000人、スポーツメーカーのグッズプレゼントでは4万5000人の応募があるなど、「たいへん有効な手段であることが確認できた」と説明。さらに、公衆無線LAN環境の整備やスマートフォン向けアプリを提供することで、ショッピングセンター来店者の利便性を向上するとともに、イオンの経営資源とソフトバンクグループの情報通信技術を有機的に結合することで、新しいサービスを提供していくとした。

 ソフトバンクテレコム代表取締役副社長兼COOの宮内謙氏は、これまでソフトバンクグループではイオンに対して通信環境やネットワーク、クラウドの導入などのインフラを提供してきており、さらにこれを進める形で今回の協業に至ったと説明。ソフトバンクテレコムでは、インフラ提供により効率化やコスト削減といったメリットを企業に提供してきたが、今後はさらに「ウルトラ集客」など、ビジネスそのものの拡大を企業に提供していくと語った。

提供するサービスのイメージ
先行実施のトライアルにも多数の応募
開発するアプリのイメージ。商品にかざすとレシピを表示
開発するアプリのイメージ。ユーザーの駐車場所を表示
公衆無線LANサービスは6月から順次設置
ソフトバンクテレコムとヤフーの「ウルトラ集客」は事例がさらに増えているという

(三柳 英樹)