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大阪大学など15大学を中核とした新しいIT教育プログラムがスタート
(2013/3/18 13:02)
大阪大学、東京大学、慶應義塾大学など15大学を中核とした新しいIT教育プログラムがスタートする。2013年3月15日に実施された「enPiT第一回シンポジウム」でアナウンスされた。
enPIT(エンピット)は、文部科学省が実施する「情報技術人材育成のための実践教育ネットワーク形成事業」として採択されたもので、最先端の情報技術を実践的に活用することができる人材育成を目指す「分野・地域を越えた実践的情報教育協働ネットワーク」。Education Network for Practical Information Technologiesの頭文字をとって「enPiT(エンピット)」という名称で呼ばれている。
内容的には、クラウド、セキュリティ、組み込みシステム、ビジネスアプリケーションの4分野を核とする教育プログラムとなっており、原則として修士課程1年の学生を対象とする。単なる知識だけでなく、実践的な力と応用力を身につけることを目指しており、具体的には、クラウド分野では実際にクラウド環境を組み立て運用し、その上で応用プログラムを構築するという演習、セキュリティ分野では侵入の検知やマルウェアの解析、インシデントの体験とその対応を実施するといった演習が含まれる。
enPITでは、4分野間の連携とともに、プログラムを実施する15大学以外の大学も参加可能としており、来年度は15大学に加えて延べ47大学が参加する予定である点がこれまでの同様のプログラムではなかった特徴だという。また、多数の企業や研究機関が協力し実践的な課題の設定、演習の支援を行う予定で、平成28年度には各分野100名ずつ計400名の学生がプログラムに参加する計画だ。
IT分野は変化が激しく、教育の現場でも常に教える内容および手法を変えながら実施されているが、社会の要請をいち早く取り入れそれに即した教育を行うことは難しいが、enPITでは大学、企業、研究機関が連携して実施することで、より実践的な能力を有した人材を輩出することを目指す。
enPITの第一回シンポジウムで、enPITの代表を務める大阪大学大学院情報科学研究科長井上克郎教授は、「このプログラムが想定する成果は、単に4分野を対象とした実践的な能力を持つ学生を多数輩出することだけでなく、こうした実践的な教育を実施するための若手教員の育成、そのための教育手法の確立、教材の整備があり、このプログラムの成果に期待して欲しい」とコメントしている。