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第18回AMDアワード、大賞は細田守監督の「おおかみこどもの雨と雪」

 社団法人デジタルメディア協会(AMD)は19日、優秀なデジタルコンテンツなどの制作者を表彰する「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'12/第18回AMDアワード」の授賞式を東京・元赤坂の明治記念館で開催した。大賞/総務大臣賞には「おおかみこどもの雨と雪」(「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会/スタジオ地図)、AMD理事長賞には「EPUB 3」(IDPF:国際電子出版フォーラム)が選ばれた。

第18回AMDアワード授賞式

 AMDアワードは、2012年1月1日から12月31日の間に日本国内において発売・発表されたデジタルメディアで表現されるコンテンツおよび、最新のデジタル技術を駆使して制作された国内(海外展開含む)の作品を対象に、年間コンテンツ賞を選出。大賞とAMD理事長賞のほか、優秀賞に「EOS C300」「宇宙兄弟プロジェクト」「ゴールデンボンバー」「しゃべってコンシェル・しゃべってキャラ」「とびだせ どうぶつの森」「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」「メルセデス・ベンツ『NEXT A-CLASS』キャンペーン」「パズル&ドラゴンズ」が選ばれた。

 大賞の「おおかみこどもの雨と雪」は、細田守監督によるオリジナルアニメーション映画。授賞式では柴山昌彦総務副大臣が「素晴らしい描写力と、シナリオの力を実感させていただいた。日本のアニメーション技術、そして構成の質の高さを示していただいたのではないかと思う」と授賞理由を説明した。

 細田守監督は、「この映画は子供を育てる親の話で、映画を作るときにもアナログというか、手描きの風合いを大切にしました。そのために何が必要だったかというと、今まで以上に高いデジタル表現の最高の力を使って、たとえば風にそよぐ花びらであるとか、そういうものを描きました。この映画で頑張ってくれたスタッフのみんなと一緒に喜びたいと思います」とコメント。「この作品を通して、アニメーションの可能性というものをさらに考えました。アニメーションの未来がこれからどういうふうに向かっていくのか、日本のみならず、世界の人の心に届くような作品を作るにはどうすればいいか、これからも考えていきたいと思います」と語った。

大賞を受賞した「おおかみこどもの雨と雪」の細田守監督
細田監督と柴山総務副大臣

 「EPUB 3」は、米国の電子書籍標準化団体IDPFが普及促進している電子書籍用ファイルフォーマット。英語圏ではEPUBは既に標準規格となっており、EPUB 3では各国の担当者により各国語対応サブセットの開発が進められている。日本においても、縦書きやルビなど、日本書籍の組版で必要となる基本的な機能がサポートされたことで、電子出版市場を世界標準のプラットフォームに乗せた功績が授賞理由となった。

 江波直美賞(新人賞)には真鍋大度氏(株式会社ライゾマティクス)、リージョナル賞には熊本県合志市の情報発信活動「合志あぐっと!ねっと」(「合志あぐっと!村」運営協議会)、功労賞には国立国会図書館がそれぞれ選ばれた。

AMD理事長賞の「EPUB 3」は、IDPF理事で株式会社ボイジャーの萩野正昭氏が代表して受賞した
優秀賞を受賞したゴールデンボンバーのメンバー

(三柳 英樹)