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iPhoneやiPadでも「Google Now」が利用可能に、Google検索アプリに統合

 米Googleは29日、「Google Now」サービスがiPhoneとiPadで利用できるようになったと発表した。Android 4.1以上では既に利用可能となっていた。

 Google Nowは、iOS版「Google検索」アプリのアップデートとして提供される。Google検索アプリ(バージョン3.0.0)はiPhone/iPadのiOS 5.0以上に対応。App Storeで無料ダウンロードできる。

iOS版のGoogle検索アプリで「Google Now」が利用可能に

 Google Nowは、ユーザーの生活に合わせて最善のタイミングで必要な情報を「カード」という形式で通知してくれるサービスだ。例えば、起床時間になるとカードが現れて天気予報を教えてくれる。また、Googleカレンダーの予定に合わせて予定を思い起こさせてくれたり、そこに向かうまでの渋滞情報をあらかじめ表示してくれたりもする。サービスには、ユーザーの行動履歴情報を利用している。

 「カード」には様々な種類があり、現在iOS版で利用できるカードの種類は、Android版よりも少ない。また、利用している言語や地域によっても利用可能カードは異なるという。

 Google Nowサービスの性質上、利用開始にはGoogleアカウントへのログインが必要だ。さらに、現在位置情報やロケーション履歴、ウェブ履歴、Googleカレンダーなど各種Googleのサービスの情報などを利用する。プライバシーが気になる場合、設定を変更すると現在地情報、ロケーション履歴をオフにすることもできる。

 Android版のGoogle Nowは、スマートフォンのロックスクリーンに直接カードが表示されるなど、端末の機能をフルに生かすことが可能だが、iOS版は単なるGoogle検索アプリであるため、アプリの中で利用することしかできない。iOSの通知機能が利用できないことも残念だ。

 一方、AndroidユーザーすべてがGoogle Nowを利用できているわけでもない。Google Nowを利用できるのはAndroid 4.1以上のユーザーだけで、Googleの情報によればこれは全Android利用者の25%にすぎない。Androidユーザーでも一部しか利用できないGoogle Nowを、iOSユーザーが先に利用できるようになってしまったという不満も一部では現れている。

 なお、Google Nowがデスクトップブラウザにも組み込まれるのではないかという憶測もある。開発版Chromiumの一部に、Google Nowとみられるソースコードが発見されたと一部開発者が報告しているからだ。

 Google Nowを利用しているAndroidユーザーは、このサービスを高く評価する人が多い。今後Androidの下位バージョンユーザーへの対応、iOS版の機能強化、利用できるカード種類の増加、など今後の改良に速くも注目が集まっている。

(青木 大我 taiga@scientist.com)