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米Microsoft、新「Kinect for Windows」を来年提供へ

~新設計による用途拡大に期待

 米Microsoftは23日、新設計の「Kinect for Windows」を来年提供する予定であることを発表した。新世代Kinectは、21日にMicrosoftの次期ゲームコンソール「Xbox One」の一部として既に発表されているが、このKinect技術を早くもWindowsで使用できることになる。

 新Kinect for Windowsは、モーションセンサー、広視野角、スケルトン追跡、赤外線センサーが向上しており、新しいアプリケーションや新用途開拓に期待がかかる。

 Microsoftは新しい用途としてたとえば、ビジネス分野におけるリモコンのないプレゼンテーションや、よりダイナミックなシミュレーションとトレーニングのソリューション、近接距離でも可能なインタラクティブ操作、外出先でのなめらかなジェスチャー認識、などを挙げている。

 リテール分野では、公共の場で複数のユーザーが同時に参加できる新しいユーザー体験を創造できる可能性を挙げる。また、現在のKinectでも応用されているリハビリテーションやフィジカルフィットネスソリューションをさらに改善できるとしている。

 新Kinect for Windowsには、より忠実性の高い数々のセンサーが搭載され、これには高解像度HD画質カラーカメラ、マルチマイクロフォンアレイ、Microsoft独自の「Time-of-Flight」テクノロジーなどが含まれる。これらのセンサーにより、人の形をこれまで以上に正確にとらえ、物体と環境を追跡し、雑音が多い環境でも音声コマンドを認識できるようになる。

 全く新しい赤外線センサー「アクティブIR」によって、ほぼすべての照明環境の元でも、顔の特徴、手の位置、その他の複雑な状況認識が可能になったとしている。また、視野角が広くなったことで、さまざまな広さの部屋に自然に対応可能となった。これにより、Kinectを利用するために、これまでのように部屋の環境や設定を変更する必要が減少するという。

 スケルトン追跡機能も改良された。これまでよりも多数の人体のポイントを追跡でき、6つのスケルトンの同時追跡が可能になった。

 新しいKinect for WindowsとSDKに関する詳細な情報は、6月開催予定の「BUILD 2013」会議で開発者向けに公開される予定だ。

(青木 大我 taiga@scientist.com)