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MTI、非可聴音を使ったスマホ向け屋内測位システム

「屋内測位システム」の利用イメージ

 株式会社エムティーアイ(MTI)は14日、非可聴音(人間の耳では聞き取れない音)をスマートフォン内蔵マイクで受信することにより、誤差30cmの精度で現在位置を特定できる「屋内測位システム」を開発したと発表した。2013年冬までのサービス商用化を目指す。

 スマートフォンで現在地の測位を行う場合、一般的にはGPSや無線LANの電波を利用する。しかし、GPSが届かない地下では、無線LANだけを利用することになり、吹き抜けのあるビルで階数を混同したり、小さなスペースに複数のブースが林立するイベント会場などでの正確な測位には課題があった。

 MTIが今回開発したシステムでは、非可聴域の音波を活用する。一般ユーザーは特別なハードウェアを用意する必要がなく、対応するアプリの導入だけで正確な位置情報を取得可能。また、システム提供側のランニングコストも無線LAN測位に比べて低価格という。

 MTIでは、同じく新開発したマップマッチング技術、産業技術総合研究所のサービス工学研究センターおよび行動ラボ株式会社の「歩行者自律航法技術」を組み合わせ、1つのソリューションとして屋内測位システムを販売していく。具体的には、ショッピングモールやイベント会場など、いわゆるO2O分野での導入を見込んでいるという。

 サービス対応端末は現在Androidのみだが、2013年度中にはiOSもサポートする予定。なお、特許出願も行う。

(森田 秀一)