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トレンドマイクロ、クラウド連携の写真管理ガジェット「JewelryBox」

 トレンドマイクロ株式会社は、デジカメやスマートフォン、タブレット端末で撮影した写真や動画を取り込み、さまざまなデバイスで閲覧できるようにする製品「JewelryBox(ジュエリーボックス)」を7月19日に発売する。同社のオンラインショップで3日より予約販売を開始した。価格は1万6800円。本体カラーは黒と白。

デジカメは挿すだけ、スマホで撮るだけで写真を本体とクラウドに保存

 デジカメやSDカードをJewelryBox本体に接続するか、スマホやタブレット端末のアプリからネットワークに接続することで自動的に写真や動画を取り込める。取り込んだ写真や動画はSDカードから自動的に削除することも可能。写真や動画は、JewelryBox本体とクラウドに二重で保存される。本体とクラウドの保存容量はそれぞれ16GB。

 取り込んだ写真は、付属のHDMIケーブルでテレビにJewelryBoxを接続するか、PCやスマホ、タブレット端末はアプリを起動することで自宅や外出先から閲覧できる。軽快に画像を閲覧するために、データ容量が大きい写真は自動的にリサイズする。リサイズ後の写真の解像度は縦横比が16:9の場合は1920×1080、4:3の場合は1440×1080。リサイズ語の動画の解像度は1280×720。

テレビでJewelryBoxに取り込んだ写真を一覧表示したところ
テレビでJewelryBoxに取り込んだ写真をスライドショー表示したところ

 写真をFacebook、Twitter、mixi、メールで共有できる。相手がJewelryBoxを保有している場合は、自分のJewelryBoxに保存された写真や動画をまるごと共有することが可能。クラウド上の写真や動画を閲覧する際のURLを発行してメールで送付すれば、受信者は写真や動画をダウンロードできる。

スマートフォンでJewelryBoxに取り込んだ写真を一覧表示したところ

 JewelryBox本体およびクラウドの保存容量はそれぞれ16GB。利用開始から2年目以降でクラウドストレージを利用するには、月額480円の「おもいでバックアップサービス」に加入する必要がある。なお、リサイズ前の写真は本体およびクラウドに保存されないため、オリジナルの画像を残したい場合は別途保存する必要がある。

 JewelryBoxの本体サイズは154×154×55mm(幅×奥行き×高さ)、重さは約320g。対象ファイルはJPEG/PNG/QuickTime/QuickTime Motion JPEG/Motion JPEG/MPEG/AVCHD/MP4。本体にはLANケーブルやHDMIケーブル1本、写真閲覧時に使うリモコンなどが同梱する。PCはWindows 8/7/Vista/XP、スマホはiOS 5.x以降およびAndroid 2.2以降、タブレットはiOS 5.x以降に対応する。AndroidタブレットおよびMac OSは今後サポートする予定。

なぜトレンドマイクロが家庭向けハードウェアを手がけるのか

吉田健史氏

 トレンドマイクロが一般家庭向けのハードウェアを手がけるのは、2002年3月に発売したセキュリティ機能搭載ブロードバンドルーター「GateLock X200」以来、11年以上ぶり。この点について同社執行役員の吉田健史氏は「我々の強みはあくまでソフトウェアだが、写真を簡単に安心に楽しむためにはハードウェアが必要だった」と説明する。

 写真のバックアップでは外付けHDD、やDVD、クラウドを活用する方法などがあるが、吉田氏は「使われていない」と言い、その理由としては「面倒くさいし、難しいから」と指摘する。さらに、保存場所がわからなくなり、写真が再び閲覧されずに「眠ったまま」になっていると問題点を語る。

 こうした課題について吉田氏は「ソフトだけでは解決できない」と判断したため、ハードウェアとソフトウェアを融合する製品を手がけることになったと説明。JewelryBoxは「ITの知識がなくてもデジカメを『挿すだけ』、スマホで『撮るだけ』で簡単にバックアップできる」と述べ、今後1年間で1万8000台の販売を目指すという。

(増田 覚)