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ソフトの組織内違法コピー、「報奨金」効果で過去最多の通報数

 ソフトウェアの著作権保護団体「BSA」は5日、ビジネスソフトの組織内違法コピーの通報が6月だけで145件に達したと発表した。1カ月の通報数では過去最多となる。これまでは2007年7月の76件が最多だった。

 1月から5月までの月間平均通報数は18.2件で、6月は約8倍だった。BSAは6月以降、組織内違法コピーについて有力な情報を提供した人に最大100万円を払う「報奨金プログラム」を実施しており、同プログラムが通報のきっかけとなったとみている。

 業界別では販売/流通19件を筆頭に、製造が18件、ソフトウェア開発が13件、サービスが11件、ITが9件。これら5業界で全体の48%を占めた。都道府県別では東京都の54件が最多で、以下は大阪府が18件、神奈川県が16件。これら3都府県で全体の6割を占めた。

 なお、報奨金プログラムは、6月1日から7月31日までの期間限定で実施しているもの。通報を契機として調査が行われ、違法コピーを行っていた組織から権利者に対して損害賠償金が支払われ、和解につながった場合に報奨金が支払われる。

 具体的な報奨金の金額は損害賠償金の規模によって異なり、損害賠償金2000万円以上の場合で報奨金100万円以下、損害賠償金500万円未満で報奨金25万円未満といったガイドラインが示されている。

(増田 覚)