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JR東日本、Suicaデータの社外提供について詳細を説明、希望者のデータは除外

 東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)は25日、ICカード乗車券「Suica」に関するデータを株式会社日立製作所に提供することについて、事前の説明が不足していたことから利用者から批判を受けたとして、提供する情報の詳細を公開するとともに、希望者に対しては提供データから除外する措置を実施すると発表した。

 日立製作所では6月27日、JR東日本が提供するSuicaに関するデータに基づいて、駅のマーケティング資料を作成・販売することを発表。これに対して、事前に利用者への十分な通知がなかったことから、問い合わせや意見、特に説明が不十分だったという批判を受けたとして、JR東日本では「お客さまには大変なご心配をおかけいたしました」として、今回の事態を重く受け止めており、今後は十分に配慮して対応していくとしている。

日立製作所へのデータの流れ(JR東日本の発表資料より)

 JR東日本によると、今回、日立製作所に提供しているのは、Suicaでの乗降駅、利用日時、鉄道利用額、生年月、性別と、SuicaID番号(Suica裏面のJEから始まる固有番号)を他の形式に変換した識別番号からなるSuica利用データ。

 SuicaID番号は、元のSuicaID番号には復元できないよう変換しており、氏名や連絡先と紐づけることはできず、特定のSuicaのデータを長期にわたって追跡できないようにしている。さらに、他のデータと紐づけたり、提供データから個人を特定する行為は契約で厳格に禁止しているという。

 日立製作所が作成するマーケティング資料は、データを統計的に処理した結果をまとめたもので、設定した基準以下の集計結果については数値表示やグラフ化を行わないなど、個人の行動を特定できないよう、プライバシーに配慮していると説明。JR東日本でも、Suicaに関する情報を社外提供向けに加工する部門(情報ビジネスセンター)は、氏名や連絡先等の個人情報を保有しておらず、個人情報を保有している部門とは組織、作業環境、スタッフ、システムを厳格に分離しており、自ら管理する情報以外の情報と照合することができないとしている。

 JR東日本では、今回の件についての問い合わせに対する回答や案内をサイトに掲載するとともに、希望する利用者については社外への提供データから除外できるようにする措置を7月26日から実施すると説明。9月25日までに要望があった場合には、すでに提供された過去のデータについても、除外したものに差し替えるという。

(三柳 英樹)