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KDDIウェブコミュニケーションズ、コラボツール「corabbit」正式サービス開始

~ファイル履歴管理や画像へのコメントなど、Web制作者向けの機能に特化

 株式会社KDDIウェブコミュニケーションズは10月9日、コラボレーションツール「corabbit(コラビット)」のベータ版サービスを終了し、正式版の提供を開始すると発表した。

 KDDIウェブコミュニケーションズはユーザーを招いた「WEB CREATORS SUMMIT 2013」を開催し、「corabbit」正式サービス開始と、新規事業となるECサービス参入を発表した。ここでは「corabbit」正式サービスについてお伝えする。

山田社長「3年以内にWebサービスの売上構成比を30%に」

株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ 代表取締役社長 山田浩喜 氏

 株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ 代表取締役社長 山田浩喜氏は、「創業以来中小の企業向けにホスティング事業を展開してきた。事業の売上構成で一番大きいのはCPIのサービスブランドで提供するホスティング事業で、加えてKDDIの受託事業、JimdoとTwillioのWebサービス事業が3本の柱になる。顧客はウェブ制作会社やクリエイター、デザイナーなどウェブ制作に関わる方が非常に多いが、こうした顧客を『超ラク』をコンセプトに支援していきたいと考えている」と挨拶。

 Jimdoは2011年にGoogleと提携して開始した「みんなのビジネスオンライン」も好調で、売上構成比でWebサービスは現在15%を占め、成長率は200%と伸びているという。従来からのJimdo、Twillio事業に加えクラウド型コラボツールcorabbitの提供やECサービス参入で、Webサービスの売上構成比を「3年以内に30%まで伸ばしたい」と目標を語った。

 また山田社長は、KDDIグループの企業でもあり、今後グループとの連携も積極的に行っていく考えを示した。KDDIコミュニケーションズは創業者の山瀬明宏元社長が勇退し、副社長だったKDDI出身の山田浩喜氏が社長に就任した。KDDI傘下企業ながら、これまで比較的独立ベンチャー的経営色が強かったKDDIウェブコミュニケーションズだが、今後はKDDIグループとして親会社のKDDIとも事業面でより積極的に連携を行っていく考えと見られる。

KDDIウェブコミュニケーションズの事業3本柱
3年以内にWebサービスの売上構成比30%を目指す

Web製作者向けにファイル履歴機能などを備えた「corabbit」~無料プランも

 「corabbit」はクラウド型コミュニケーションツールで、会社やグループ、プロジェクトなどでファイル共有、コメントを使ってのコミュニケーション、ファイル履歴の自動保存などの機能が利用できる。

 正式版として提供開始するcorabbitは、少人数での利用やフリーランスに適した「Pro」と、企業内利用など大人数利用向けにメンバーのアクセス権限の管理なども行える「Team」の2つを用意。「Pro」「Team」それぞれに無償のFreeプランを含む4つのプランを設け、計8プランを提供する。

「corabbit」トップページ

 機能面では、デザイナーやクリエイターなど画像やファイルの管理が多く発生する職種向けの機能を充実させたのが特徴となる。

 従来デザイナーがデザインの確認を行う際には、デザインした画像やレイアウトを一般的なファイル形式へ書き出し、メールなどで送信する必要があったが、corabbitのプレビュー機能を使うことで、ファイルをアップロードするだけでプロジェクトメンバーが確認でき、それに対してコメントを付けることができる。

 アップロード・共有可能な画像の形式は、一般的なJPG、GIF、PNGに加えて、有償版ではAdobe Photoshop形式(.psd)やAdobe Illustrator形式(.ai)にも対応する。

 ウェブブラウザー版のほか、Windows用、Mac用の専用アプリケーションもベータ版として提供。専用アプリケーションではプロジェクトごとにデスクトップ上の指定したファイルやフォルダーと同期をとることができ、サービスのログイン手続き不要でcorabbitの機能が利用できる。

コメント機能では、画像のエリアなどを指定してコメントをつけることができる
クラウドにアップロードしたファイルのプレビュー機能により、有償版ではIllustratorやPhotoshop形式のファイルもプレビューできるため、クライアントに見せるためのファイル変換作業が不要になる

 Pro版、Team版とも無料の「Free」プランが用意され、プレビュー画像のファイル形式はJPG、GIF、PNGのみのサポートとなる。無料版では、Team版は3人までと利用できる人数が1人多いため、Team版を使った方がお得だろう。

 有償版では、Pro版、Team版ともプレビュー画像のファイル形式でIllustrator形式、Photoshop形式がサポートされる。価格はPro版が月額990円~4990円で利用は最大30人まで、Team版は月1990円~4990円で最大50人までとなる。Pro版とTeam版は同じプラン名でもディスク容量と利用可能ユーザー数が異なるため、人数やディスク容量に注意してプラン選択すると良さそうだ。

Pro版4プランの料金と機能
Team版4プランの料金と機能

 今後の機能追加としては、モバイル・アプリ、ファイルプレビュー機能でのPDF/RAW/TIFF対応、承認機能、セキュアファイル送信などに対応を予定する。プレビュー機能では、画像ファイルだけでなく音楽ファイルへの対応も考えているという。

 また、正式サービス開始にあたり、近い顧客層を持つなど「corbbit」と親和性が高いサービスを提供するCrowdWorks、ChatWork、Lancersの3社との業務提携を発表。将来的には、ChatWorkとのシームレスな使い勝手のサービス提供など、併用することでより利便性が上がるようなサービスを考えていきたいとしている。

近い顧客層を持つCrowdWorks、CharWork、Lancersと業務提携。併用することでより利便性が上がるようなサービスを考えていくという
今後追加予定の機能

(工藤 ひろえ)