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ヤフー、「さわれる検索」の3Dデータとアプリケーションをオープン化

 ヤフー株式会社は、9月から実施してきた「さわれる検索」プロジェクトの活動報告と今後の展開を発表した。作成した3Dデータやアプリケーションはオープン化し、「さわれる検索」マシンは筑波大学に寄贈する。

 「さわれる検索」は、ヤフーが次世代検索のコンセプトモデルとして発表した、音声入力により認識されたキーワードを3Dプリンターにより立体物として出力するサービス。

 ヤフーでは、実際に3Dモデルの出力が可能な試作機を作成し、筑波大学附属視覚特別支援学校(盲学校)の生徒に使ってもらうプロジェクトを実施。9月20日~10月31日の期間中に、視覚障害を持つ生徒たちが92個の「さわれる」を体験した。また、3Dデータの募集も行い、企業や個人などから242個の3Dデータが寄せられた。

 ヤフーでは、「さわれる検索」をより多くの人に届けるため、作成した3Dデータとアプリケーションをオープン化することを決定。3Dデータは、米MakerBotが運営する3Dデータ共有サイト「Thingiverse」にアップロードし、無料でダウンロードできるようにする。「さわれる検索」のアプリケーション(音声入力から3D出力までの自動化)は、ソースコード共有サイト「GitHub」でオープンソース化する。

 「さわれる検索」の試作機は筑波大学に寄贈。年度内には、埼玉県立特別支援学校塙保己一学園と横浜市立盲特別支援学校の2校への貸し出しを予定している。

 また、試作機に使用した3DプリンターのメーカーであるMakerBotは、今回のプロジェクトに賛同し、「さわれる検索」アプリケーションのオープンソース化を記念して、3Dプリンター「Replicator2」を日本の盲学校に寄贈する予定。今後の進捗については、「さわれる検索」のプロジェクトサイトで随時報告するとしている。

(三柳 英樹)