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DeNAが教育市場に参入、小学1年生の学習をスマホで習慣化する「アプリゼミ」

iPhoneと同時に生まれた“スマホネイティブ”向け

 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)は16日、児童向け教育サービスへの参入を発表した。“スマホネイティブ”世代である2014年4月入学の新小学1年生を対象に、スマートフォン/タブレット向け教育アプリ「アプリゼミ」を提供する。まずは16日より、無料の「小学校入学準備号」のiOS版アプリを公開。近日中にAndroid版も追加する。本サービスとなる「小学1年生講座」の提供は、2014年4月1日からの予定。

 DeNAが持つモバイルインターネットのノウハウを活用。「教育(エデュケーション)とエンターテインメントを融合した“エデュテインメント”という思想を教育アプリとして具現化した」という。

 小学校入学準備号は、2014年3月末まで無料提供。4月から本格提供する小学1年生講座は、6月末までは無料で、7月以降は有料となる。料金は、アプリゼミのウェブサイトからの購入は月額980円、App StoreおよびGoogle Playでの購入は月額1000円。iOS 6.0以上とAndroid 4.0.3以上に対応する。

 小学校入学準備号の内容は、ひらがな/かずの2科目。小学1年生講座では、算数/国語/英語の3科目の教材を毎月配信する。1日10分を目安に、1カ月あたり20日分のボリュームとなっており、練習問題を繰り返す“ドリル”とは一線を画し、本質的な理解を狙う内容だとしている。

「小学校入学準備号」の構成

 教材は、株式会社NHKエデュケーショナルから提供を受ける。算数/国語は学習指導要領に基づく内容だが、学習指導要領のない英語についてはオリジナル。日本語が一切出てこない構成で、イラストや音声により英語に慣れ親しむことを目的に独自開発した。

 DeNAが教育サービスを提供するにあたっては、同社がソーシャルゲーム分野で培ったノウハウを活用。ゲームと同様に、ビッグデータの蓄積・分析により“難易度バランス調整”を行うことで、多くの子供がつまづくポイントを見つけ、効果的な学習ができるよう教材を改善するという。これにより、「楽しみながら取り組むことができ、できる喜びを感じられるため、学習を習慣化することができる」としている。

新1年生は、iPhone発売と同時に生まれた“スマホネイティブ”

 アプリゼミの狙いについてDeNAでは、モバイルインターネットとの融合で教育に革新をもらたすこと、より多くの子供に楽しんで学べる効果的な学習機会を提供すること――の2つがあると説明する。

株式会社ディー・エヌ・エー代表取締役社長兼CEOの守安功氏

 既存の通信教育では、紙がかさばることや郵送の手間がかかること、問題に繰り返し取り組むことができないなどのネックがあった。また、最近ではタブレットなどを活用したサービスも登場しているが、専用端末を使ったサービスで初期費用が高いことや持ち運びが不便なこと、解約コストが高いといった面があるという。

 これに対してDeNAのアプリゼミは、普段から持ち歩いているスマートフォン/タブレットを活用して、初期費用や解約費用なしで使えるのが特徴という。もちろん、繰り返し学習が可能で、郵送の手間や荷物が増えないこともあり、ユーザーのメリットが大きいとアピールする。また、月額費用は、紙や専用端末を使う大手通信教育の半額以下だとしている。

 DeNAによると、2014年4月入学の新小学1年生が生まれたのは2007年。iPhoneが発売された年であり、スマートフォンと同時に生まれた“スマホネイティブ”の新1年生へ向けてDeNAが提供開始するのが、アプリゼミだとした。

 2015年春には「小学2年生講座」「小学3年生講座」もスタート。以降、4・5・6年生講座も順次立ち上げ、将来的には中学・高校向けの展開も見据えている。

16日に都内で行われた記者発表会には、子役の小林星蘭さん(左)と、7月に第一子を出産したばかりだというタレントの福田萌さん(右)が登場
ステージ上の巨大スマホで、小学3年生だという小林星蘭さんが実際に「小学1年生講座」を体験した

(永沢 茂)