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NTT、100万ビット規模の量子コンピューター実現に向けた新手法を確立

 日本電信電話株式会社(NTT)は17日、100万ビット規模の大規模量子コンピューターの実現に向けた新手法を確立したと発表した。

 NTT物性科学基礎研究所とNTTセキュアプラットフォーム研究所では、レーザー干渉を利用して作られる光格子に束縛された約100万個の原子に対して、量子コンピューターの計算リソースとして用いることができる、大規模な量子もつれ状態を高精度かつ高速に作る手法を確立。これにより、100万ビット規模の量子計算の実現可能性が大きく広がったとしている。

 今回開発した手法は、レーザー光やマイクロ波などの照射やその強度の調整など、確立されている技術を組み合わせて容易に実装できるシンプルなものだと説明。また、現状のサイズ限界(約100万個)は原子の束縛技術に依存しているため、今後さらに大量の原子が束縛可能になれば、方式が同じように適用できるとしている。

 NTTでは、今回の手法による大規模量子もつれ生成の実証実験を行うべく、具体的な実験装置や実施条件などの検討を進め、5年以内には1万ビット程度の測定型量子コンピューターが実現できるよう研究開発に取り組んでいくとしている。

(三柳 英樹)