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“二重価格表示問題”発覚も、消費増税前で「楽天市場」むしろ好調

 楽天株式会社は8日、2014年第1四半期(1〜3月)の連結決算を発表した。同社では最近、従業員18人が「楽天市場」の出店店舗に対し、元値を釣り上げて安く見せる不当価格表示を提案していたことが明らかになったが、今期はその問題の悪影響はないようだという。楽天市場を含む国内EC事業の流通総額は、前年同期比31.7%増と好調。特に消費増税前の駆け込みにより、3月単月では前年同期比52.5%増を記録した。

楽天株式会社副社長執行役員CFOの山田善久氏

 楽天市場のほか、「楽天トラベル」や電子マネーの「楽天Edy」などを含む、国内の楽天グループの流通総額は1兆5216億円に上り、前年同期比で37.4%の増加。内訳は、楽天市場などのECが5033億円(31.7%増)、楽天トラベルが1376億円(13.5%増)、楽天Edy決済およびクレジットカードのショッピング取扱高が8806億円(45.8%増)。

 また、楽天市場の新規会員のリピート率(当該四半期の新規購買者が翌四半期末までに再購買した比率)も向上してきており、2013年第1四半期は41.8%だったのが、同第4四半期には46.0%になったことを明らかにした。楽天市場は昨年秋、プロ野球「東北楽天ゴールデンイーグルス」の優勝セールによって新規購買者が増えたというが、その“イーグルス効果”が短期的なもので終わっていないことがうかがえるとしている。

 楽天グループの2014年第1四半期連結決算は、売上高が1383億円で前年同期比22.2%の増加、営業利益が226億円で1.5%の減少。ただし、営業利益は「一過性要因控除後」では256億円となり、同11.8%の増加となる。

 一過性要因としては、消費増税に伴うポイント引当金の取り崩し(9億6600万円)、物流事業での貸借契約解約に伴う引当金の取り崩し(11億8100万円)の利益を計上する一方で、損失として中国におけるトラベル事業「快楽e行」ののれんおよび無形固定資産の減損(18億2900万円)、動画配信サービス「Wuaki」の戦略変更に伴う引当金(33億7100万円)を計上している。

 セグメント別では、EC/トラベル事業のほか、金融事業が売上高544億円で前年同期比17.8%の増加、一過性要因控除後の営業利益も112億円で30.5%の増加と好調だった。特に「楽天カード」はショッピング取扱高の伸びにより、売上高224億7400万円で34.6%増、営業利益は39億8000万円で56.9%増を記録した。

 一方、海外事業などが含まれるその他のインターネットサービスは、売上高が378億円で前年同期比23.9%の増加となるも、一過性要因控除後の営業損失が111億円となり、前年同期の営業損失49億円から赤字が拡大した。為替の影響および「Kobo」在庫の評価損12億円を差し引いても、84億円の赤字となっている。ただし、このセグメントについては「だいぶ底打ちをしてきて、今後、改善をしていくと思う」(楽天副社長執行役員CFOの山田善久氏)としている。

(永沢 茂)