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品川女子学院に浸透する「Evernote Business」、先生・生徒ともに活用中

 品川女子学院が、教育機関として最大規模となる約200名の生徒を対象に「Evernote Business」を導入した。生徒および教員間の情報共有やデジタルシラバスによる自習環境を実現する。Evernote Corporationが26日、発表した。

 文科省に「スーパーグローバルハイスクール」に指定され、IT教育にも力を入れる品川女子学院では、中学1年時と高校1年時に「情報」の授業があるほか、企業とのコラボレーション総合学習において社会人へのプレゼンを行ったり、CM制作を通じてPCを利用した動画編集を体験したり、ユニークなカリキュラムを展開している。

 同校がEvernoteを採用したのは2013年10月。今後の「タブレット1人1台時代」に備え、クラウドプラットフォームを検討し、Evernoteの白紙の状態から自分たちでの工夫で思い通りの使い方ができる点を評価した。

 導入後、先生・生徒間では生徒のへの連絡事項に使う共有ノートブックを作成し、生徒同士ではクラス共有ノートブックや生徒会役員のノートブックを作成した。生徒同士のクラス共有ノートブックは、毎年1月に開催される合唱祭の練習などに実際に利用されたという。

 2013年12月にはEvernote Businessの採用を決め、管理職やITスキルの高い先生10名で利用を開始。その対象を広げるため、2014年5月に高校2年生全員を対象としてEvernote Businessのアカウントを発行。併せてiPad miniを貸与し、さまざまな活用が試みられている。

 情報共有の使い方以外では、年間の学習計画を「デジタルシラバス」としてまとめ、Evernote上に保存することで、指導・学習環境にも大きな変化をもたらしたという。このデジタルシラバスには、先生が各自で制作しYouTubeにアップロードした教科の解説動画もリンクされており、生徒の予習・復習に役立っている。先生も生徒のコンテンツへの反応が見えるため、さらにわかりやすくして学習意欲を促すための工夫を凝らすなど、モチベーションの好循環が確立されつつあるという。

 今後は教員間において、ベテラン教員の指導ノウハウやアドバイスなどを共有し、若手教員のスキルアップに活用するなど、先生の知識やスキルの集約を加速させたい考えだ。

(川島 弘之)