ニュース

東京メトロ、列車の在線位置など全線オープンデータ化、車両の所属会社も

 東京地下鉄株式会社(東京メトロ)は19日、全線の列車位置などの情報をオープンデータとして公開し、同データを活用したアプリの開発コンテストを実施すると発表した。同社創立10周年記念の一環として行うもので、日本の鉄道事業者として初だという。

 従来より東京メトロのウェブサイトでは列車時刻表や駅別乗降人数、バリアフリー対応などの情報が提供されていたが、今回、列車位置や遅延時間などの情報がオープンデータとして初めて提供される。

 具体的には、列車の方向(どこ方面行きか)、列車番号、普通・特急・急行・快速・臨時といった列車種別(試運転・回送の非営業列車は非公開)、始発駅・行先駅、所属会社(どの鉄道事業者の車両か)、在線位置(ホーム・駅間の2区分)、遅延時間(5分以上の遅れを「遅延」として表示)といったデータが含まれ、1分ごとに配信される。

 従来より公開している情報についても、アプリ開発者が利用しやすいデータ形式に替えて提供するという。これには、列車時刻表や運賃表、駅間所要時間、各駅の乗降人数、女性専用車両といった列車情報と、バリアフリーや駅出入り口、車両ごとの最寄り施設・出入口案内といった施設情報がある。

「東京メトロ10周年スペシャルサイト」内にある「オープンデータ活用コンテスト」のページ

 「オープンデータ活用コンテスト」は、YRPユビキタス・ネットワーク研究所の協力で実施するもの。2020年の東京オリンピック/パラリンピック開催を見据え、通常の東京メトロ利用客だけでなく、訪日旅行者にも利便性の高いアプリの開発を後押しするという。

 募集するのは、ウェブアプリ、Androidアプリ、iOSアプリ、Windowsストアアプリのいずれか(応募時にアプリマーケットで公開し、一般ユーザーにも利用してもらえるようにする)。募集期間は9月12日から11月17日まで。オープンデータの提供も9月12日に開始する。賞金はグランプリ1点に100万円、優秀賞1点に50万円など。募集要項は、東京メトロ10周年スペシャルサイトに掲載している。

(永沢 茂)