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米Box、ワークフロー作成ツール「Box Workflow」を発表、Office 365との連携も

 オンラインストレージの米Boxは3日、米国サンフランシスコで開催中の「BoxWorks 2014」会議において、新サービスとなる「Box Workflow」などを発表した。BoxのストレージとMicrosoft Officeを連動するツールのベータ版や、テキスト編集機能「Box Notes」の新機能などが併せて発表された。

 Boxは企業向けオンラインストレージに力を入れている。新発表された「Box Workflow」は、従業員がクラウドに保存したファイルを、企業ごとのワークフロー、ビジネスプロセスに基づいて自動処理するための一連のツールだ。

 企業は自動処理の仕方として、Box内でファイルに関連して発生するイベントやアクションに応じてルールを設定できる。さらに、一般的なファイル名やフォルダ名による処理だけでなく、機械学習技術を利用した文書コンテンツに応じた分類やレコメンドを、人手を介さずに実行できるようになる。

 この機械学習技術の利用例としては、例えば法律や健康産業などでは機密コンテンツを自動的に特定し、それに応じて適切なアクションを実行できる。またメディアや小売業では、適切な人に適切なコンテンツを販売するために、消費者が最も興味を持ちそうなコンテンツをレコメンドすることが可能となる。このように人間と機械学習を組み合わせることで、新たな利用例が考えられそうだ。

 また、「Box V2 API」を使用してコンテンツ、コラボレーション、メタデータ関連イベントに直接アクセスできるようになり、Boxプラットフォーム上にサードパーティー企業を絡めたカスタムプロセスが構築可能となる。

 この自由度によって、Box Workflowは、営業、財務、マーケティングなど、企業内のあらゆる部門で活用できるとしている。Box Workflowは来年にかけて公開される予定だ。

 また、3日からは「Box for Office 365」ベータ版が公開された。Boxアカウントから直接Officeファイルを開き、保存できるほか、Boxに保存されているファイルへの暗号化リンク作成、ダウンロード期限の設定も可能になった。

 公開は今年7月時点で予告されていた。Word、Excel、PowerPointとBoxストレージの連動が強化されている。このベータ版はWindows 7以上のOffice 2010以上に対応している。なお、Outlookやその他のOffice製品への統合は準備中で、今後数カ月間での発表を予定している。

 さらに、Boxでテキスト文書を編集できる「Box Notes」の機能改善も約束された。3日からBox Notesのウェブアプリケーション版で、アノテーションが利用可能となる。これはBox Notesで閲覧可能な100種類を超えるファイル種に対応。テキストを選択、アノテーションを付け、共著者との編集が可能となる。この機能は来年さらに新しい発表が行われるとしている。

 またBox Notesの新機能として今後、表作成機能やバージョン履歴機能も提供される予定だとしている。

(青木 大我 taiga@scientist.com)