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容量無制限の新WiMAX 2+プラン発表、CA対応端末や世界初の商用4×4 MIMO端末で220Mbpsへ
(2015/1/15 19:41)
UQコミュニケーションズ株式会社は、WiMAX 2+の新料金プラン「UQ Flatツープラス ギガ放題」を、2月20日より提供する。また、2月12日よりWiMAX 2+の対応周波数帯の拡張を開始し、栃木県真岡市を皮切りに順次、下り最大220Mbps対応エリアを拡大する。
月額4380円で容量無制限の「UQ Flatツープラス ギガ放題」
UQ Flatツープラス ギガ放題は、WiMAX 2+を容量無制限で利用できるプラン。
基本使用料(以下、すべて税別)は月額4880円だが、最大25カ月間、月額500円割引になる「UQ Flatツープラスおトク割」を適用することで、2年契約時で月額4380円で利用できる。なお、すでにWiMAX 2+を利用しているユーザーには適用されず、WiMAXからの乗り換えを含むWiMAX 2+新規契約のみ適用される。
現在提供されているプラン「UQ Flatツープラス」は、新プランがスタートする2月20日より、7GBのデータ容量を利用できるプランに変更となる。2つのプランは月単位で変更可能で、UQコミュニケーションズとの直接契約の場合は、会員サポートページ「MyUQ」から切り替えできる。
UQ Flatツープラス ギガ放題加入から3カ月は、UQ Flatツープラスと同じ月額3696円で利用できる体感期間を設けており、ユーザー自身で使用するデータ量を見極めてから、2つのプランから適したプランを選択できる。ただし、UQ Flatツープラスで契約した後で、UQ Flatツープラス ギガ放題にプラン変更した場合は適用されない。
なお、WiMAX 2+では、4月より3日間で3GBの通信制限を設ける予定。以前の発表では3日間で1GB規制を敷く可能性を示唆していたが、制限容量を引き上げた形になる。制限時は、700kbps程度の通信であれば楽に通り、YouTubeの通常画質であれば問題なく見られる程度に制限を抑えるという。なお、既存のWiMAXについては、3日間3GB制限は適用されない。
新端末は2モデル、オールマイティな「W01」と都会派「WX01」
UQコミュニケーションズでは、220Mbpsに対応したモバイルWi-Fiルーターとして、「Speed Wi-Fi NEXT W01」(ファーウェイ・ジャパン)と、「Speed Wi-Fi NEXT WX01」(NECプラットフォームズ)の2モデルを展開する。
W01は、CAに対応したモデルで、2.4インチのタッチ対応カラーディスプレイを搭載。5秒で起動できるクイック起動機能を備える。WiMAX 2+が利用できる「ハイスピードモード」のほか、au 4G LTEが利用できる「ハイスピードプラスエリアモード」に対応する。なお、CAを利用するには、3月末提供予定のファームウェアアップデートを適用する必要がある。
WX01は、4×4 MIMO対応で220Mbpsを実現したモデルで、CA技術は採用していない。Bluetoothテザリングに対応しており、Bluetooth 2.1以上でネットワーク接続可能なプロファイル(PANU)に対応している端末であれば接続可能。
LTEに対応しているW01を全国どこでも使えるオールマイティなモデルとして、WX01を高速通信を重視するユーザー向けとして位置付けている。
なお、現行のUQ Flatツープラスは2年間限定で容量制限を設けておらず、W01を現行プランで利用できる先行予約キャンペーンを展開。WiMAXからWiMAX 2+への移行を促す「史上最大のタダ替え大作戦」には、220Mbps対応モデルも追加されるため、W01予約開始の1月16日から現行プランを申し込みできる最終日の2月19日までを“最大のチャンス”としている。
製品名 | Speed Wi-Fi NEXT W01 | Speed Wi-Fi NEXT WX01 |
メーカー | ファーウェイ・ジャパン | NECプラットフォームズ |
対応通信規格 | WiMAX 2+/4G LTE | WiMAX 2+/WiMAX |
高速化技術 | キャリアアグリゲーション | 4×4 MIMO |
最大通信速度 | WiMAX 2+:受信最大220Mbps/送信最大10Mbps au 4G LTE:受信最大75Mbps/送信最大25Mbps | WiMAX 2+:受信最大220Mbps/送信最大10Mbps WiMAX:受信最大40Mbps/送信最大15.4Mbps ※2015年2月12日以降、エリアによっては受信最大13.3Mbpsに変更予定 |
Wi-Fi規格 | IEEE 802.11a/b/g/n/ac 5GHz帯は屋外でも利用可能 | IEEE 802.11a/b/g/n/ac 5GHz帯は屋外でも利用可能 |
最大同時接続台数 | 10台 | 10台 |
充電時間 | 約2時間半 | 約3時間 |
連続通信時間 | 約8時間(WiMAX 2+) 約7時間20分(au 4G LTE) | 約6.5時間(Wi-Fi時 WiMAX 2+ 4×4 MIMO) 約8.5時間(Wi-Fi時 WiMAX 2+ 2×2MIMO) 約11時間(Wi-Fi時 WiMAX) 約8時間(Bluetooth時 WiMAX 2+ 4×4 MIMO) 約10.2時間(Bluetooth時 WiMAX 2+ 2×2MIMO) 約13時間(Bluetooth時 WiMAX) |
連続待受時間 | 約730時間 | 約400/600時間(リモート有/無) |
サイズ/重さ | 約59×120×10mm(縦×横×厚さ) 113g | 約66×109×9mm(縦×横×厚さ) 97g |
バッテリー容量 | 2300mAh | 2500mAh(取り外し可能) |
クレードルオプション | あり 有線LANポート×1 (1000BASE-T/100BASE-TX対応) | あり 有線LANポート×1 (1000BASE-T/100BASE-TX対応) |
220Mbpsを実現する2つの技術、東京五輪までには1Gbpsへ
WiMAX 2+で既存の2倍となる下り最大220Mbpsを実現するため、2つの技術を用いている。現在、UQコミュニケーションズに割り当てられている周波数帯域は連続した50MHzで、そのうち30MHzをWiMAXが使用し、20MHzをWiMAX 2+が使用している。2月20日に開始するWiMAX 2+の帯域拡大に合わせて、WiMAXの帯域を10MHzに削減、余った20MHzをWiMAX 2+に使用し、CA技術を用いることで220Mbpsを実現している。
最初の220Mbps対応エリアが栃木県真岡市となったのは、WiMAX 2+への帯域移行には、WiMAXユーザーが少なく、WiMAX 2+とWiMAXの電波を切り分けられることが条件だったためと説明している。そのため、“東名阪エリアは苦労する”というが、乗り換え施策などを通じてWiMAXユーザーの移行を促しつつ、極力早く切り替えを行う予定だ。なお、帯域が削減されるWiMAXだが、WiMAX 2+に極力移行を促しつつも、サービス停止時期は決めておらず、当面サービス提供していく予定だという。
もう1つ、商用としては世界初となる4×4 MIMOを導入し、CA技術を用いなくても220Mbpsを実現した。WiMAX 2+が利用できる基地局はすでに4×4 MIMOに対応しており、すでに電波を発している状態だという。そのため、WX01の発売と同時に全国で220Mbpsが利用できる状態だという。また、CAも4×4 MIMOも実行速度はほぼ同じ数値を出しているが、建物が多い都会エリアではマルチパスが利用できるため、CAよりも通信速度で有利とのこと。
WiMAX 2+対応PCについては、PCベンダーと協議中とのことで、少なくとも1社からは提供できそうだとのこと。また、WiMAX 2+の機器追加オプションについては、重要なテーマとしており、モバイルWi-Fiルーター単品で提供したのち、提供可能かどうか慎重に検討したいとした。
今後は、CAと4×4 MIMOを組み合わせることで440Mbps化を見据えているほか、東京オリンピックが開催される2020年までには、1Gbpsの大台に到達する予定だ。