ニュース

日本郵政がIBM、Appleとタッグ、iPadを使った高齢者向け生活支援サービスの実証実験

 日本郵政グループ(日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社かんぽ生命保険)は4月30日、米IBM、米Appleと共同で、高齢者向け生活サポートサービス実施に向けた業務提携を締結したと発表した。

 全国2万4000の郵便局ネットワークを活用し、65歳以上の高齢者層(2014年9月現在で3300万人)に対して、IBMが開発する高齢者専用のアプリとアナリティクス技術をインストールしたiPadを提供する。2015年度下期より実証実験を開始し、2016年度からの本格展開を目指す。2020年までに400~500万人のユーザーに提供する予定としており、高齢者と各種サービス・医療・家族とのつながりを実現するとしている。

 IBMが開発した専用アプリは、薬を飲む時間や運動、ダイエットの通知や、コミュニティ活動、食料雑貨の買い物支援、就業支援などの各種サービスに直接アクセスできる。また、IBMの「MobileFirst for iOSプラットフォーム」によるデータ統合、セキュリティ、アナリティクス、数百万台の機器管理を提供するほか、システム構築や日本郵政グループ社員向けの研修を実施するという。アプリは、IBM東京基礎研究所が中心になって開発したアクセシビリティ技術や、自然言語解析技術を応用している。

 実証実験は、日本郵便の「みまもりサービス」を展開している地域の高齢者を対象に、iPadを配布し各種ネットサービスの提供や、郵便局社員などによる生活サポートサービスの支援を行う。また地域特性に応じて、みまもりサービスのほか、親世代・子供世代向けの「コミュニケーションサービス」、自宅から申し込みできる「買い物支援サービス」、自治体と連携した「地域情報サービス」、各種相談サービスを提供する予定。

(山川 晶之)