ニュース

“Microsoft変革の象徴”となる「Surface 3」、6月19日に国内発売、個人向けは4G LTEモデルのみ

Y!mobileから販売、SIMロックフリーで回線契約なしでの購入も可能

 日本マイクロソフト株式会社は、Windows 8.1を搭載した2-in-1タブレット「Surface 3」を6月19日に国内発売すると発表した。予約開始は5月20日午前0時から。個人向けモデルと法人向けモデルをラインナップするが、個人向けはY!mobileから販売する4G LTEモデルのみとなる。

(左から)米Microosoftのブライアン・ホール氏、日本マイクロソフト株式会社代表取締役社長の樋口泰行氏、ソフトバンクモバイル株式会社取締役専務執行役員のエリック・ガン氏

4G LTEモデルは8万1800円から、日本で先行投入

 日本マイクロソフトは、Surface 3の4G LTEモデルの国内販売においてソフトバンクモバイル株式会社と戦略的パートナーシップを締結。個人向け4G LTEモデルをY!mobileから販売する。Surface 3の4G LTEモデルは、世界に先行するかたちで日本市場に投入される。OSはWindows 8.1 Updateを搭載し、「Office Home & Business PremiumプラスOffice365サービス」を提供する。

 価格(以下、すべて税別)は、ストレージ64GB・メモリ2GBモデルが8万1800円、ストレージ128GB・メモリ4GBモデルが9万1800円。一括購入であれば、回線契約なしでの購入も可能。なお、個人向けのWi-Fiモデルの投入は未定としている。

 Y!mobileでは、月間7GBまで利用できる専用のデータ通信プランを用意。料金(以下、すべて税別)は3年目まで月額3696円、4年目以降は月額4196円。Y!mobieのスマートフォンと月間容量のシェアも可能で、「スマホプランL」(月額5980円)を利用しているユーザーであれば、Surface 3を回線契約なしで購入すればY!mobileのネットワークを利用できる。3日間1GBの制限は設けない。また、予約特典としてSurfaceペンをプレゼントするほか、購入特典として7月31日までに購入したユーザーを対象に月額基本料金を最大3カ月無料にする。

 Windows 8.1 Pro Updateを搭載した法人向けモデルは、4G LTEモデルとWi-Fiモデルを用意。4G LTEモデルのストレージ64GBモデルが7万8800円、128GBモデルが8万8800円。Wi-Fiモデルのストレージ64GBモデルが6万8800円、128GBモデルが7万8800円。法人向けモデルでは、個人向けモデルと異なり、ストレージ64GBモデル・128GBモデルともにメモリは4GBを搭載する。法人向けモデルはソフトバンクが販売チャネルとなり、Office 365とソフトバンクのLTEネットワーク、サポート、保守、レンタルを提供する。

 なお、Surface 3のハードウェアは国ごとに異なる。4G LTEモデルはSIMロックフリー仕様となっているが、対応バンドがLTEネットワークではBand 1/3/8、3GネットワークではBand 1/8となっており、それ以外では利用できないとしている。事実上、ソフトバンクモバイルのネットワークに最適化されているかたちだ。なお、海外では、米国でLTEネットワークを利用できるほか、法人向けモデルでは欧州の一部でも利用できるという。

法人向けモデルはソフトバンクの取り扱いとなるが、Wi-Fiモデルはパートナーからも販売
Surface 3向けに提供されるデータ通信プランには、3日間1GB制限を課さない
個人向けモデルの販売チャネルは、全国の家電量販店やY!mobileショップ
法人向けの採用事例として、三井住友銀行がSurface 3を1000台(4G LTEモデル600台、Wi-Fiモデル400台)を導入予定

マグネシウム製ボディは厚さ8.7mm、Wi-FiモデルはSurface最軽量の622g

 Surface 3は、プロセッサがATOM x7(クアッドコア、最大2.4GHz)、液晶ディスプレイが10.8インチ(1920×1280ピクセル)。マグネシウム採用の本体の厚さは8.7mmで、重さはSurface最軽量の622g(4G LTEモデルは641g)。800万画素のリアカメラ、350万画素のフロントカメラを搭載する。バッテリー駆動時間は動画再生で約10時間。

 厚さ0.4mmのマグネシウム製キックスタンドは、3段階の角度に調節できる。また、「Surface Pro 3」同様、スタイラスペンの「Surfaceペン」に対応。ペンの頭にクリックボタンが搭載されており、一度クリックするとSurface 3がメモモードに移行。そのままSurfaceペンで直接書き込むことができる。Surfaceおなじみのカバー型キーボード「タイプカバー」は5色ラインナップする。

 外部端子はUSB 3.0ポート×1、Mini Display Port×1、microSDカードスロット、ヘッドセットジャック、タイプカバー端子、Micro USB充電端子(USB 2.0データ通信対応)を装える。ワイヤレス機能は、IEEE 802.11 ac/a/b/g/n対応の無線LANに加え、Bluetooth 4.0に対応。また、4G LTEモデルには、nano-SIMカードスロットと、GPS/Assisted GPS/GLONASSなどに対応した位置情報センサーを搭載する。

「Surface 3」正面
「Surface 3」裏面
「Surface 3」左手側面
「Surface 3」右手側面
ドッキングステーション
スタイラスペン。ノック部分のボタンを押すと「Surface 3」がメモモードに移行する

4G LTEモデルのみの投入は「よりよくデバイスを使って欲しい」という思いから

 都内で開催した記者発表会で日本マイクロソフト代表取締役社長の樋口泰行氏は、「マイクロソフトは大変な勢いで変革している。この1年でマイクロソフト変わったね、マイクロソフトの反撃が始まったのかと言われることが多くなった」と、これまでの概況を述べた上で、「マイクロソフト変革の象徴がSurface 3」と説明した。また、「PCとしても使えるタブレットが真のタブレット。その他のタブレットはタブレット未満」だとして、PCとして利用できる点をアピールした。

 さらに米Microsoft CEOのサティア・ナデラ氏のスローガンを引用。「どのコンポーネントを選ぶかではなく、どのエコシステムを選ぶかへとユーザーが変わってきた。これまでマイクロソフトは、サービスもバラバラでソフトウェアに特化してきたが、エコシステムをきっちり構築し、iOSやAndroidに対応するなど他社のエコシステムもテコにしながら、ユーザーの利便性を第一に考えるようになった」と、サティア氏がCEOに就任してからの変化について述べた。

 米Microsoftのブライアン・ホール氏は、「Surface Pro 3で培った最高のものを、モバイル向けに進化させた。より手ごろな価格で、より多くの方に使っていただきたい」とコメント。また、Surfaceのこれからについて、Windows RTとARMコアは今後採用しないと説明。新型ATOMプロセッサによりモビリティを上げつつ、性能が向上したことが大きく影響しているという。

 質疑応答では、個人向けで4G LTEモデルのみの投入となった背景についての質問があり、日本マイクロソフトの三野達也氏が回答した。三野氏は「世界の中でも日本はLTEネットワークのカバレッジが非常に広い国。モビリティの高いSurface 3と、LTEのモバイルブロードバンド環境の組み合わせにより、デバイスをよりよく使ってほしいという思いがある」と述べた。

米MicrosoftCEOのサティア・ナデラ氏のスローガンを引用し、この1年でのMicrosoftの変化を説明
「Surface 3」には700以上のパーツがすき間なく組み合わさっているという

(山川 晶之)