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楽天、最短20分で届く「楽びん!」開始、食品・日用雑貨など450点を24時間いつでも配達
まずは都内4区の一部で提供
(2015/8/20 13:45)
楽天株式会社は20日、即時配送サービス「楽びん!」の提供を開始した。注文した商品を24時間いつでも受け取ることができ、最短20分で配達される。まずは東京都渋谷区・目黒区・世田谷区・港区の一部でスタートし、今後、対象エリアを拡大する予定。
取り扱い商品は18ジャンル約450点。ソフトドリンク、お酒、おつまみ、インスタント食品などのコンビニ商品、調味料、洗剤、トイレットペーパー、おむつといったドラッグストアで購入できるような日用雑貨、米やルームウェアなど「楽天市場」のランキング上位商品、「楽天カフェ」で提供しているスイーツやコーヒーなどが含まれる。牛乳なども扱っており、一部のソフトドリンクは冷やした状態で配達する。
そのほか、「あってよかった」というジャンルを追加。「20分で届くならどのような商品が欲しいか」という質問で得られた声をもとに、電球、サランラップ、ワインオープナー、接着剤、ポリデントなども取り扱う。商品は随時追加していくとしており、価格もコンビニやドラッグストアの値付けを「よく勉強した」としている。
配達先は、楽天会員IDに登録している住所のほか、iOS/Android対応の専用のスマートフォンアプリから受け取り場所を地図上でワンタップで指定することも可能。サービス対象エリアであれば、自宅やオフィス以外にも、店や公園など、購入者が直接商品を受け取れる場所であれば対応する。配送車での受け取りも可能だ。
通常のeコマースでは、先に商品を選択してから配達先を選択するが、楽びん!では、初めに配達先を決定し、商品の選択画面に移る。注文完了後、例えば「11時半から45分の間にお届けします」というように、配達予定時刻を15分単位で確認できるほか、配達スタッフの現在位置もアプリ上から追跡できる。スタッフの顔や名前も表示する。スタッフの到着が近くなるとプッシュ通知にて知らせる。
配送料は、スタッフが自宅の玄関先など購入者の手元まで届ける場合で770円(税込)、受け取り指定場所に到着した配送車まで購入者が取りに行く場合で390円(税込)。注文金額が税込2500円以上の場合は、390円の配送料に限り無料となる。
ユーザー、スタッフ、店舗の3者をスマートフォンを通して連携。注文後、システム側でどのスタッフが最速で商品を届けられるかを判断し、スタッフに指示を出す。単純に近くのスタッフに指示が届くのではなく、積み荷に該当商品があるのかどうかや、該当商品を積んでいなくともデリバリー拠点に立ち寄って商品を確保すれば早い――といったことも考慮し、さまざまなケースから最短の配達時間を予測・指示を出しているという。
配達予定時間には天候や交通状況なども考慮。サービステスト時では配達遅延は1回のみ(ユーザーの登録住所ミスが原因)だったとしており、正確な配達予定時間を提示できるとしている。
配達エリアは、東京都渋谷区・目黒区・世田谷区・港区の一部に限定されている。東は環状7号線沿い、南は目黒通り沿いのほか、桜田通り、甲州街道の初台手前までがエリアとなる。エリア内には、六本木ヒルズやミッドタウン、表参道も含まれるが、代々木公園はエリアに入らない。楽びん!のサイトでは対象エリアを郵便番号とあわせて紹介している。
楽天株式会社の中西勝也氏(社長室新サービス開発室プリンシパル)は、サービス対象エリアについて「スマートフォン向けのサービスであり、スマートフォンを使用しているユーザーが一番多いのがこのエリア」と述べている。当面は該当エリアでサービスを提供し、ユーザーの声を聞きながらサービスの改善を図るという。今後の展開は、地域軸、商品軸、サービス軸などさまざまな手段を検討しているが、まだブレインストーミングしている段階であり、決まった日時や点数、エリアなどは現時点では出せないとしている。
ターゲットとするユーザー層は特に決めてないとしているが、1分でも大事にしたいタイムセンシティブなユーザーが中心だという。テスト時は、港区や渋谷のオフィスで残業しているIT企業の従業員や、「仕事が終わって6人で飲んでいる、ウコンの力を持ってきて欲しい」といったケースで使われたという。
楽天では、基本的にBtoBtoCモデルとして、事業者を間に挟んでユーザーにサービス提供しているが、楽びん!では楽天が直接商品の調達から配送まで行う。中西氏は「新しいサービスであり、BtoBtoCあるいはBtoCといった形態にこだわらず、ユーザー目線でサービスを提供したい」としており、エリアの拡大や取扱商品の拡充といったタームに合わせて事業モデルも修正するとしている。