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人名漢字など「文字情報基盤」約6万字の暫定私用コードと対応フォント公開

 「文字情報基盤」の導入ガイドおよびテクニカルスタディに則った暫定私用コードと対応フォントを、文字情報技術促進協議会が公開した。協議会の事務局を務める日本マイクロソフト株式会社が17日、明らかにした。文字情報基盤とは、行政で用いられる人名漢字など約6万種の漢字を整備し、電子行政で扱えるようにするために独立行政法人情報処理推進機構(IPA)などが推進している事業。

文字情報技術促進協議会のウェブサイト

 文字コードでは区別されない漢字の異体字など、細かな字形の違いを使い分けるための仕組みとしては、UnicodeのIVS(Ideographic Variation Sequence)およびIVD(Ideographic Variation Database)という仕組みがあるが、IPAでは、これに対応する製品が十分に普及するまでの過渡期を考慮し、未対応の機器・環境でも文字情報基盤の約6万字すべてを扱うことができるよう「文字情報基盤暫定私用コード」という考え方を提示している。

 文字情報技術促進協議会では今回、このうちの「文字情報基盤暫定私用コード1」にのっとり、文字情報基盤のMJ文字図形名とUCSに規定された私用面(PUP)第16面の符号位置との対応関係を一意に定めたマッピングテーブルと、それに対応したフォント「IPAmjPUP」を公開した。同マッピングテーブルで示された符号位置を、「IPAmj明朝フォント」に追加実装したものだという。

 IPAmjPUPを活用することで、旧来の外字を使用したシステムから文字情報基盤を活用したシステムへ移行していく過程において、IVS/IVDに未対応のシステムにおいても文字情報基盤の約6万字すべてを暫定的に扱うことが可能になるほか、マッピングテーブルを共有することで異なるシステム/ベンダー間の相互運用を担保できるとしている。

(永沢 茂)