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河出書房、「伊能図」をデジタル化して現代の地図とリンク、GISソフトで利用可能に

 株式会社河出書房新社は、「伊能図」をデジタル化した「デジタル伊能図」を11月30日に発売すると発表した。価格(税別)は、プロフェッショナル版が28万円、スタンダート版が12万円。

 伊能図の基本図である「大図」214枚と「江戸府内図」をGISを駆使してデジタル化したとしており、現在の「地理院地図」と正確に重ねて比較可能。町村名、社寺名、山や河川、島の名称など地名約3万5000件もローマ字とともにデータ化している。「海岸線などをはじめとする地形や内陸の街道は、土木技術や自然現象などによりどのように変化したのか、江戸後期の地名がどうなっていたのかなど、全国規模で容易に比較できるデータになっている」という。

 このほか、「測量日記」も書下し文でテキストデータ化。時間軸も加味し、宿泊地のポイントデータとあわせて参照できるようにした。

 プロフェッショナル版では、ベクターデータ/ラスターデータを完備。伊能図のすべての測線(海岸線や街道)をベクターデータ化するとともに、ラスター画像については「元図」および現代の地理院地図に合わせて幾何補正した「補正図」を搭載している。また、基本データはシェープファイルで搭載しており、汎用GISソフトで加工・編集や解析が自在に行える。容量は約5GB。

 スタンダート版は、専用ビューアーから閲覧する方式で、初心者でも簡単に操作・検索可能だという。容量は約4GB。

(永沢 茂)