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「一太郎2016」発表、モトヤの書体や「モジグラフィ」機能で文字表現を強化、新聞の体裁を再現するテンプレも

 株式会社ジャストシステムは3日、日本語ワープロソフト「一太郎2016」を発表した。2016年2月5日に発売する。希望小売価格は2万円(税別)。

「一太郎2016」

 Windows 8.1/7/Vistaに加えてWindows 10に対応したほか、高DPI環境をサポート。高精細ディスプレイ使用時でもメニューバーなどを含め、操作性を高めている。また、タブレットPC向けに文章閲覧に特化した「タブレットビューア」機能を搭載。「2 in 1」タイプのタブレット端末では、キーボードの着脱でタブレットビューアモードに切り替わる。

 新聞やスポーツ誌のような会報誌・学校だよりなどが作成できる「らくらく新聞テンプレート」を20点収録。A4/B4/A3サイズをラインナップし、配布用から掲載用まで幅広く使えるという。また、株式会社モトヤの新聞書体を2書体提供。平体率80%に設定することで、新聞紙面の体裁を再現できるという。そのほか、新聞タイトル背景画像を30点、スポーツ新聞の見出しに使われる「POP文字サンプル」を6点追加している。

高DPI環境をサポート
「タブレットビューア」機能
「らくらく新聞テンプレート」使用例

 電子書籍の作成機能を強化。「EPUB編集ツールパレット」を搭載し、「書籍編集パレット」では、「テンプレート」「文書スタイル」「表紙」「ページスタイル」「保存形式」の機能をまとめることで、必要な機能を迷わず利用できるとしている。また、文芸書やビジネス書、広報誌など20点のテンプレートを追加。表紙テンプレートも40点追加している。

 そのほか、文章校正支援ツール「Just Right!5 Pro」の校正エンジンを搭載。誤字・脱字や同音語誤り、助詞の用法誤りなどの指摘精度を向上させている。また、小説の表紙のような文字表現を可能にする「モジグラフィ」機能を搭載。デザインサンプル100種類の中から、文字列の入力、文字色やフォントの設定を行うだけで、1字ずつランダムに傾いたデザインや文字が流れるようなデザインに仕上げることができる。日本語入力ソフトの新バージョン「ATOK 2016」も同梱する。

 一太郎2016を購入したユーザーは、スマートフォン/タブレットで、一太郎のドキュメントを閲覧できるサービス「一太郎モバイルビューイング」が利用可能。専用サーバーに一太郎のドキュメントファイルをアップロードすることで、同名の無料アプリから閲覧できる。

「Just Right!5 Pro」の校正エンジンを搭載
多彩な文字表現が可能な「モジグラフィ」
「書籍編集パレット」
一太郎ドキュメントをモバイルで閲覧できる「一太郎モバイルビューイング」

「花子2016」「Shrinken 2016」などを搭載した上位版もラインナップ

 一太郎2016に加えて、総合グラフィックソフト「花子2016」、メールソフト「Shriken 2016」、音声読み上げソフト「詠太6」、株式会社小学館の「精選版日本国語大辞典」、モトヤフォント8書体を同梱したパッケージ「一太郎2016 プレミアム」もラインナップ。価格は2万5000円(税別)。

 花子2016では新機能として、複数の同じ図形を縦横に並べる「アレイ図」を作成できる機能のほか、図面で確認したい箇所だけをポップアップウィンドウで拡大表示する「拡大鏡」を搭載した。また、エクステリアの設計やガーデニング計画などの図面作成に用いる、外構や造園用の部品、立面図で使用できる横向きの部品など、約500点の部品を追加。IT技術やビジネス、医療、福祉、介護、キャラクターなど、現在のトレンドに沿った部品も含まれている。

 Shriken 2016では、「送信メールチェック」機能を搭載。見出し忘れや敬称の抜け、社内メールの社外送信など、メール送信時にありがちなミスを未然に防ぐ。メールを誤送信した場合でも、あらかじめ設定した時間内であれば、送信処理を取り消すことができる。また、一太郎2016を使用した文面の校正機能を搭載したほか、ドコモメールの受信、Gmailの新認証方式(OAuth2)に対応した。

 モトヤフォントは、フラッグシップフォントの「モトヤアポロ」に加え、Androidスマートフォンの標準フォントとして採用されている「モトヤマルベリ」「モトヤシーダ」のほか、「モトヤ明朝」「モトヤゴシッック」を収録している。モトヤフォントは、他のアプリケーションでも利用可能。

株式会社モトヤのモトヤフォント8書体を収録

 また、一太郎2016プレミアムに加え、「ブリタニカ国際大百科事典」、フォトレタッチソフト「Zoner Photo Studio 17 HOME J」、Microsoft Officeとの互換性を強化した表計算ソフト「JUST Calc 3」、プレゼンテーションソフト「JUST Focus 3」を搭載した「一太郎2016 スーパープレミアム」も3万8000円(税別)で発表。一太郎開発者による、おすすめ機能を紹介したガイドブック「とことん一太郎」を同梱している。

 なお、花子2016は9800円(税別)、Shriken 2016は4800円(税別)で単体販売も行う。

(山川 晶之)