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「comico」の大人版が登場、男性・アダルト層も楽しめる縦スクロールマンガを配信

 NHN comico株式会社は17日、大人向けのマンガアプリ「comico PLUS」をリリースした。iOS/Androidに対応しており無料でダウンロードできるが、利用はiOS版が17歳以上推奨、Android版が18歳以上推奨となっている。

comico PLUS (C)NHN comico Corp.

 同社が従来より提供している無料コミック・小説アプリ「comico」の姉妹アプリとして投入するもの。スマートフォンの画面で読むことを前提とした“comicoスタイル”と呼ばれる縦スクロール/フルカラー形式はそのままに、comicoよりも高い年齢層の読者をターゲットにサービスを展開する。「ドラマ・ストーリー」「ギャグ」「コメディ」「BL」「恋愛」「ファンタジー」「日常」「バイオレンス・アクション」「ギャンブル」「エッセイ」「雑学」「お色気」「ホラー」「ミステリー」「歴史・時代劇」の15ジャンルで、まずは44のオリジナル作品を公式連載として配信する。

 なお、comico PLUSでは、無料で“読み放題”だったcomicoとは閲覧システムが変わっている。連載作品ごとに最初の1〜2話は常時無料で閲覧可能。2〜3話目以降は、1週間に1話のペースであれば無料で読み進められるが、それ以上のペースでまとめ読みしたい場合は有料。また、その時点での最新の数話についても有料となる。基本的に1話3コインとなっており、コインはアプリ内で35コイン480円から販売する。

NHN comico株式会社comico事業部「comico PLUS」マネージャーの春木博史氏

 従来のcomicoアプリは、2013年10月のサービス開始以来、ダウンロード数が1100万件を突破。「ReLIFE」などのヒット作品も送り出しており、特に10〜20代の女性から支持が大きいという。

 しかし、12歳以上推奨のアプリとして提供しているため、ガイドラインで規制せざるを得なかった表現も多かった。例えば、ホラー作品では血が飛び散る部分にはモザイクをかけたり、当初の表現を作者に変更してもらった事例もあったという。また、ギャンブルやお酒をテーマにした作品を扱えなかったり、バイオレンス表現や性表現やなど、通常の大人向け作品ではストーリー上必然性のある表現を追求できない面もあったとしている。

 comico PLUSでは対象年齢を引き上げることで、こうした部分についてのガイドラインを緩和。より表現の幅を広げた作品を提供していく。実はcomico PLUSの公式連載44作品のうち9作品は、これまでcomicoで連載してきた作品。掲載先をcomico PLUSに移行し、これまで作家が“我慢”していたような表現も取り入れた上で、大人向け作品として連載を継続していくかたちだ。

 comico PLUS編集部の春木博史氏によると、縦スクロールマンガでは、時間経過の表現や場面転換、間や画面構成のリズムなどで独特の表現手法が生まれたほか、紙の見開きページのように一気に見せるのではなく、スクロールすることで先が見えてくるという特徴を生かし、ホラー作品で怖さを演出するなど、効果的な表現が出て来ているという。

 その一方で、女性の若年層の読者が多い従来のcomicoではどうしても、気軽に読み進められる軽いストーリーの作品に人気が偏ってしまい、そうした読者層にあまりウケないジャンルの作品が埋もれてしまうという課題があったそうだ。今回、comico PLUSを別アプリとしてリリースしたのは、従来のcomicoではアプローチできなかったアダルト層の、特に男性読者に作品を届けていくのが狙い。「お色気」「BL」などもあるものの、大人向けといってもいわゆるアダルト作品専門ということではなく、多岐に渡るジャンルを取り扱っていく。大人だからこそ分かるシュールなギャグやハードボイルド、“深い”ストーリーの作品を配信していきたい考えだ。

 春木氏は、“どっしりとしたストーリー”を読みたい大人にぜひcomico PLUSを見て欲しいと語る。今後、縦スクロールマンガでありながらディテールに凝った作品、伏線が張り巡らされていて読み込みが必要な作品、さらにスポーツや歴史ジャンルについても開拓していきたいという。comico PLUSでも作品投稿機能を用意しているため、従来のcomicoではガイドラインに抵触してしまったような作品も含め、従来のcomicoのイメージにはとらわれない幅広いジャンルの作家からの投稿を呼び掛けている。

(永沢 茂)