「Google Book Search」訴訟、和解案の最終審理延期が決定


 「Google Book Search(Googleブック検索)」を巡る訴訟の和解案について、10月7日に米連邦地方裁判所で予定されていた最終審理が延期されることが正式に決定した。

 Googleは米国の「Google Book Search」において、図書館との提携によりスキャンした書籍の全文検索・閲覧サービスを計画している。これに対して、米作家団体(Authors Guild)と米国出版社協会(AAP)がGoogleを提訴していたが、2008年10月に和解することで合意した。

 この和解案について、10月7日にニューヨーク州連邦地裁で最終審理が行われる予定となっていたが、和解案には多数の反対意見が寄せられたほか、米司法省からも和解案を承認すべきでないという助言があり、原告側が和解案の再検討のため最終審理の延期を要請。連邦地裁がこれを承認した。連邦地裁では、10月7日には当事者間で現状について話し合うための会議を行うとしている。

 Google Book Searchの和解案は、米国のGoogle Book Searchにおいて、著作権保護期間内の書籍であっても、絶版または市販されていない書籍については全文の閲覧を可能とするもの。この和解案には「米国著作権を有するすべての人物が含まれる」とされたことから、米国外の著作権者や団体も和解案の影響を受けることとなり、各国で反対の声が挙がった。また、米国でも司書や法学者、出版社、AmazonやMicrosoftなどの企業による和解案に反対する団体「Open Book Alliance」が発足。米著作権局や米司法省も、和解案について再検討を求める意見を表明している。


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(三柳 英樹)

2009/9/25 16:37