NICT、日本標準時のNTPサーバーをJPIXに設置


 情報通信研究機構(NICT)は18日、日本インターネットエクスチェンジ(JPIX)内に設置した時刻サーバー(NTPサーバー)から、日本標準時の配信を開始した。

 NICTでは、独自に開発した専用ハードウェアのサーバーを用いて、2006年6月から日本標準時を配信するNTPサーバー(ntp.nict.jp)を公開している。現在、1日あたりの利用数は1億回を超えているという。

 NICTでは、インターネットは多数のISPが相互に接続しているため、NICTと利用者のネットワーク的な距離が長くなり、伝送遅延の変動により接続しにくくなったり、精度が低下する場合があること説明。時刻配信の精度と信頼性をさらに向上させるため、IXから日本標準時を配信するサービスを開始する。

 NICT(東京都小金井市)とJPIX(東京都千代田区大手町)の間の通信に研究開発テストベッドネットワーク「JGN2plus」を利用し、距離による遅延を改善する伝搬遅延時間推定方式を導入。1本の光ファイバー中の同じ波長の光に時刻データを乗せ、双方向通信により伝播遅延時間を推定し、日本標準時とJPIX内のNTPサーバーを1ナノ秒の精度で合わせることができるという。

 NTPサーバー名は従来と同じ「ntp.nict.jp」。JPIXには多くのISPが接続していることから、多数のユーザーにとってネットワーク的に近い距離にNTPサーバーが位置することになり、安定したNTPサービスが可能になるとしている。


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(三柳 英樹)

2010/2/18 19:25