テレワークグッズ・ミニレビュー

第144回

プライム感謝祭でiPhone用のモバイルバッテリーが欲しい! 薄くて持ちやすい上に古いバッテリーの回収もしてくれる国内メーカーで選んでみた

iPhoneのバッテリー問題を解決する方法を考える

 最近一番の困りごとがiPhoneのバッテリーが足りなくなる問題だ。自転車にクルマに工具にとなにかと多趣味な筆者だが、スマホにはそれほどこだわりがなく、今使っているものはiPhone 12。必要にして十分で、スペック的には不満を感じていない。

 ただし、問題なのがバッテリーの減りだ。特に出社したときなどは、日中に充電しておかないと、帰りの電車ではバッテリー切れになることも多い。PCも充電できるモバイルバッテリーがあるので、これまではそれで賄ってきたが、その頻度が増えると、PC用モバイルバッテリーだと大きいし重いしでわずらわしい。

PCも充電できるモバイルバッテリーでiPhoneを充電。ときどきならいいけど頻繁に使うのには不便

 そこでAmazon プライム感謝祭(本日10月10日まで)のタイミングで、iPhone用に小さいモバイルバッテリーを購入することにした。iPhone 12はMagSafeに対応しているので、MagSafe対応の薄型モバイルバッテリーを用意すれば、背面にペタッと貼り付けておくだけである程度バッテリー問題は解消できるはずだ。

モバイルバッテリーは捨てるときのことまで考えて選びたい

 ということで探してみた。今回はできるだけ手軽に、夕方以降の数時間を賄えればよいので、小容量の5000mAhのモデルから選ぶことにした。

 探すとかなり薄型のものがあって、筆者の調べた限り、もっとも薄いモノでは6.9mmという製品を発見した。ただ、昨今モバイルバッテリーの発火事故のニュースを見ると、薄さ軽さだけでなく、安心感という部分も考慮して製品を選びたい。

 現状を見れば、有名ブランドでも製品をリコール(回収)している例はいくつもあるし、発火事故になってしまった例もある。なのでこのブランドなら絶対安全と言えるものではないだろう。そこで、「売りっぱなし」でなく、販売したあとのフォローについても注力しているメーカーであることに注目にした。

 で、筆者が選んだのがCIOの製品だ。CIOは大阪に本社を構える国内企業。もともとは卸売事業をやっていたが、現在は自社で製品の企画や設計を行っていて、ありそうで無かった個性的な製品を多くリリースしている。

 実のところCIOの製品でもリコールは出ている。同社は製品登録で保証期間を延ばすといった取り組みで、製品のユーザー登録に注力していて、そうした場合にフォローする体制を整えている。さらに、モバイルバッテリーの回収サービスも行っている。しかも回収に出すと、最大15%オフのクーポンを発行したり、CIO製品に限らず、他社のモバイルバッテリーでも回収したりと、販売後のサポートにちゃんとコストを掛けている姿勢が見受けられる。

CIOではモバイルバッテリーの回収サービスを行っている

「SMARTCOBY Ex01 SLIM Qi2 & Cable」に関するお詫びと一部製造ロットにおける製品の自主回収実施について(CIO)

新たなユーザーサポートとして、全CIO製品における製品延長保証サービスを開始(CIO)

 古くなったモバイルバッテリーの処分は面倒だ。可燃ゴミはもちろん不燃ゴミとして出すのもNGで、その処分方法は自治体によって異なる。

 モバイルバッテリーの発火事故が増えたことで、最近では自治体の対応も変わってきている。筆者の住む自治体では、メーカーを問わず、乾電池などと一緒に回収してくれるようになったが、自治体によってはいまだに「JBRC(小型充電式電池のリサイクルを推進する一般社団法人)のリサイクルボックスに入れろ」としか書かれていないところもある。そのJBRCによれば、回収するのはJBRC会員になっている企業の製品に限るとあって、Amazonなどで売られている多くのモバイルバッテリーは、JBRCの会員になっていない企業による製品なので、つまりは買っても処分する方法がないことになる。

 ちなみにバッテリー回収を行ってくれるCIOだが、すでにJBRCの会員になっているので、近くのJBRCリサイクルボックスに入れることも可能だ。

 Amazonなどだと、初期不良があっても新しい製品を送りつけて終わり、というスタイルが一般化しているなかで、ちゃんと回収の手順まで用意している企業というのは、信頼できそうだと判断した。

充電中も熱くなりすぎないモバイルバッテリー

 前置きが長くなったが、選んだのは「SMARTCOBY SLIM 5K」という製品。Amazon プライム感謝祭では、セール価格4730円から、さらにクーポンで5%オフとなって4493円で購入可能。もちろん先の回収サービスのクーポンを使えばもっと安く買うこともできる(詳細は後述)。

SMARTCOBY SLIM 5K セーフティモデル(シルバー)
残量は4つのLEDで表示。写真では点灯していない一番左のLEDはワイヤレス充電時に紫色に光る
USB Type-Cポートもあって、MagSafe製品以外も最大20Wで充電できる
サイドにはボタンがあり、本体を起動させたりバッテリー残量を確認したりできる
付属品。USB Type-Cケーブルや延長保証のお知らせ、マニュアルもちゃんとした日本語で書かれている

 容量は5000mAh。MagSafeで充電した場合、iPhone 16を約0.8回分、USB Type-Cで繋いだ場合、約0.9回分の容量になるとのこと。

 サイズは高さ102mm、幅70mmで厚さは8.7mm。カバーをつけた筆者のiPhoneが11mmほどだったので、それよりは薄い。重さは117gで、これまで使っていたPCも充電できるモバイルバッテリーが300g以上あったので、だいぶ軽量化できる。

 そしてこの製品の面白いのが、同じ形状で「ハイパフォーマンスモデル」と「セーフティモデル」があるということ。

 ハイパフォーマンスモデルは、MagSafeの最大出力15Wでの充電を積極的に使うことで、高速にiPhone本体を充電できることを謳ったモデル。ただし、ワイヤレス充電の場合、本体が結構熱くなることもあって、ユーザーから「発熱をできるだけ抑えて使いたい」という声を受けて登場したのが、セーフティモデルとなる。セーフティモデルでもMagSafe最大15Wでの充電というスペックは同じだが、出力と発熱を制御するプログラムを変更し、充電速度よりも発熱抑制を優先しているという。

 筆者は短時間で充電したい、というより、バッテリーをつけたままiPhoneを使うケースが多いと思うので、セーフティモデルのほうが使い方にマッチしそう、ということでセーフティモデルを選んだ。ちなみに有線のUSB Type-Cポートも1つあって、最大20Wでの出力が可能なので、どうしても急ぎで充電したい場合は、有線接続することで、最大20Wの充電が可能となる。

サンドブラスト仕上げが手になじんで持ちやすい!!

 実際に取り付けてみると、サイズ感としては、6.1インチのiPhone 12だと、本体の幅が71.5mmとほぼそろうので、手に持ったときにちょうど横幅が同じ程度になって持ちやすい。ただし、これが5.4インチのiPhone 12 miniだと、幅が64.2mmとなるので、モバイルバッテリーのほうが幅が広くなってしまう。また、Appleデバイス用アクセサリーのデザインガイドラインに準拠していて、カメラ部分には干渉しないサイズになっている。

iPhone 12につけた状態
幅がほぼ同じなのでこの状態でも持ちやすい
MagSafe対応のカバーであれば、カバーの上からつけて充電もできる
指がひっかかるので持ちやすい

 モバイルバッテリーのアウターシェルは表側がアルミ合金製で、iPhoneに接触する側は樹脂素材となっている。表側のアルミ材はバスタブ状になっていて側面まで一体成型されているので、角につなぎ目がなく高級感がある。

 表面はサンドブラスト仕上げで非常に小さな凹凸のある梨地、CIOのロゴの部分だけが平滑な鏡面仕上げになっていて、シンプルだが意匠性の高さを感じる。ブラックとシルバーの2色がラインアップされるが、アルミの地色を生かしたシルバーは、金属の塊感があって、工具好きの筆者にとっては結構所有欲が満たされる。おそらく使っているうちに梨地が削れたり、傷がついたりするだろうが、塗装はげとは違ってそれも味として楽しめそうだ。

表面はサンドブラストによるきめ細かい梨地
裏側は樹脂

 このサンドブラスト仕上げは、手に持ったときにもとても良い感じだ。梨地が粗すぎると、接触面積が減ってむしろ滑りやすくなったり、逆に引っかかりが強すぎるのも、それはそれで使いづらかったりする。この梨肌はかなり細かいものなので、さらっとした感じだが、つかもうと力を入れれば指先に引っかかってくれる。ツルツルで持ちにくいとイヤだなと思っていたが、これはかなり良い! とてもよくできている。

 実際にiPhone 12につけてみたが、厚みは増すものの、このバッテリー部分に指が引っかかるので、持ちにくさは感じない。試しにカバーを外した状態でもつけてみたが、カバーをしていないiPhoneはかなり滑りやすいので、むしろ持ちやすくなる印象。手の小さい妻にも持ってもらったが、持ちにくさは感じないとのことだった。

 買うときはもっと薄い製品にしようか悩んだが、結果的にはこの厚さで不満は感じないし、十分だった。むしろ幅がiPhone 12とほぼ同じ(ちょっとだけ狭い)というのが、持ちやすさに大きく貢献している印象だ。

 ただし、持ちやすいとはいっても、重さはiPhone 12の本体162gに対して合わせて279gと1.7倍以上、ズシリと感じる。なのでいつもつけっぱなしというよりは、バッテリーがなくなってきたら装着する、という使い方がよさそうだ。

 そして充電中は、それなりには温かくなる。温度の上がりにくいセーフティモデルではあるが、まったく温度が上がらないということはなく、発熱はするが、その上限が抑えられているような形だ。充電しながらゲームをやって、温度があがったところで測定してみたが、バッテリーの表面温度は35℃に届かない程度。どちらかというとiPhone本体側のほうが熱くなって、39℃程度。そこでゲームを止めると、バッテリーもiPhoneも3℃ぐらい温度が下がった。

10分ほど充電したときのモバイルバッテリーの表面温度

 MagSafeで充電しつつゲームやYouTubeを見てみたが、使いながらの充電でもiPhoneのバッテリー残量は増えていったので、セーフティモデルであっても、充電が追い付かないようなことはなさそうだ。

 というわけで筆者の使い方、帰りの数時間だけバッテリーを延命したいような使い方には、サイズ感、容量ともにちょうどよい感じだ。もっと容量が欲しい人にはこの上位モデルとして8000mAhのモデルもある。10000mAhまでいらないけど5000mAhでは心許ないという人は、8000mAhモデルがオススメだ。

 それと小容量だとまめな充電が必要になるが、このモバイルバッテリーはパススルー充電に対応している。そのため、iPhoneにモバイルバッテリーを貼り付けたまま、モバイルバッテリー側のUSB Type-CにPD充電器を接続すれば、iPhone本体とモバイルバッテリーの両方を充電できる。わざわざ別々にケーブルを繋ぐ必要もないし、LightningケーブルがなくてもiPhone 12が充電できるというのもメリットだろう。筆者宅のLightningケーブルも古くなったせいか接触不良で充電できていないことがあるので、地味だが結構気に入っているポイントだ。

 しかもモバイルバッテリー側が満充電になって以降は、iPhoneを直接充電する回路に切り替わる(完全パススルー充電)ので、バッテリーセルを痛めずにiPhoneの充電を続けることができるようになっている。

パススルー充電に対応しているので、iPhoneに装着したまま充電すれば、iPhoneもいっしょに充電できる
もちろん有線でiPhoneを充電することもできる。その方が発熱も抑えられ、より多く充電できる

 MagSafe接続のモバイルバッテリーとして、なにか飛び抜けた機能があるわけではないが、全体的にバランスよくまとまっている印象だ。iPhoneのバッテリーが20%を切ったところで装着すれば、ほぼ満タンになるまで充電できる容量があるし、装着したままでも持ちやすい。そしてなにより、継ぎ目のないアルミ合金のボディは、昔のiPodのような金属の塊感があって、所有欲が満たされる。これは結構オススメしたくなる製品だ。

割引クーポンがすぐにもらえる! CIOのモバイルバッテリー回収サービスとは?

 というわけで、最後にCIOのモバイルバッテリー回収サービスについて紹介したい。

 なんとバッテリーを回収したタイミングではなく、申し込みをした時点で割引クーポンが発行されるので、本日までのAmazon プライム感謝祭でも急げば利用することが可能だ。ただし注意点もいくつかあるので解説しよう。

 前述した、モバイルバッテリー回収時にもらえるクーポンだが、Amazon.co.jpまたはMakuakeで利用でき、しかも申し込んだ時点ですぐに割引クーポンが発行される。古いバッテリーの回収は製品購入後で大丈夫なので、急げば本日最終日となるAmazonプライム感謝祭でもクーポンを利用可能だ。ただし注意点もいくつかあるので、仕組みを解説しよう。

 まず製品回収だが、CIOの製品だけでなく、他社製品も可能だ。故障しているものでも問題無いが、膨張してしまっているものは対象外。また一度に回収できるモバイルバッテリーは5個までとなる。

▼CIO製品を回収対象とする場合の窓口はコチラ

▼他社製品を回収対象とする場合の窓口はコチラ

 クーポンはAmazon.co.jpで利用できるものと、Makuakeで使えるクーポンがある。それほどやることは変わらないがここではAmazonでの場合で解説したい。

 実際の回収の手順としては、
・CIO ウェブサイトで申し込み(要会員登録)
・メールでクーポンが届く
・クーポンを使ってCIO(もしくはCIO Mate)製のモバイルバッテリーを購入
・製品購入後に返送用封筒が届くので、それに回収製品を入れて返送(送料無料)

 ただしCIO製品と他社製品では少し対応が異なる。まずAmazonのクーポンの割引率が異なり、他社製品の場合何個バッテリーを回収しても一律で5%オフクーポンなのに対し、CIO製品の場合は、1個で10%オフ、2個で13%オフ、3個以上で15%オフクーポンが用意される。

CIO製モバイルバッテリーの場合回収の数が1個で10%、2個で13%、3個以上で15%オフのクーポンがもらえる
他社製モバイルバッテリーを回収する場合、一律で5%オフのクーポンがもらえる

 また、他社製品を回収したい場合は、最初の仮申請をした時点でクーポンコードが届き、製品購入後にその注文番号を書いて本申請を行うことで、回収用の封筒が送られてくる。つまり、CIO製品を買わないと回収してもらえないというわけ。まぁそれはそうだろう。

 一方CIO製品の場合は、仮申請に続けて本申請をしたところでクーポンコードが発行され、同時に回収用封筒も発送されるので、購入後に注文番号などを送る必要はない。つまり必ずしも新しい製品を買わなくても回収してもらえるということだが、これは自社製品は責任を持って回収するというスタンスの現われだ。

 それと、もうひとつ注意が必要なのが、今回紹介しているSMARTCOBY SLIM 5Kの場合、ちょうど今5%オフのクーポンが配布されている。クーポンは併用できないので、他社製品回収でもらえる5%オフクーポンについては、今回に関してはメリットがない。といっても処分に困るモバイルバッテリーを回収してもらえるのだから回収サービス自体の利用価値は大いにあるだろう。

 モバイルバッテリーは買って終わりという製品でもない。そして回収については自治体によって異なるので、自分の住んでいる自治体の状況を調べて、処分するときに後悔しない製品選びをしていただければ幸いだ。

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