テレワークグッズ・ミニレビュー

第95回

こんなのが欲しかった!? Amazonで見つけた個性派USBケーブル&Lightningケーブルをまとめてレビュー!

何コレ? 思わず二度見必至な個性派USBケーブル&Lightningケーブルを試してみた

 以前USB PDでPCの充電もできるカーチャージャーをテストしたのだが、その際にいくつか気になるUSBケーブルやLightningケーブルを試してみた。実際のところ、必要性に駆られてというよりは、なにこれ、気になる! 的なクセが強めのUSBケーブルなのだが、今回はAmazonで見つけた個性的なUSBケーブルをまとめて紹介していきたい。

消費電力が見えるだけじゃない!!「CIO 液晶ディスプレイ付きシリコンケーブル」

 まず最初に紹介したいのは、以前のカーチャージャーレビューでも出てきた、使用中の電力を表示できるUSBケーブルだ。

 1年前にはあまり見ることのなかったカテゴリーの気がするが、ここ最近いくつかのブランドで登場している。そんな中から国内企業であるCIOの「液晶ディスプレイ付きシリコンケーブル」を買ってみた。

「CIO 液晶ディスプレイ付きシリコンケーブル」、写真は1mのブラック。しなやかに曲がって扱いやすい

 タイプとしては、最大100Wの給電と、480Mbpsのデータ通信に対応したUSB Type-C to Type-Cのケーブルになるが、コネクター部分に液晶ディスプレイがついていて、PD充電できているか否かと、充電中の電力量(ワット)を表示できる。

 いわゆるUSBチェッカーとは違って電圧や電流は見えないので、今何ボルトで接続できているといった細かい情報は分からないが、使ってみるとこれが意外とおもしろい。

使用中の電力量をリアルタイムに表示できる

 例えばノートPCにつなげば、今PCがどれくらいの電気を消費しているのかが見える化できる。筆者のつかっているThinkPadだと、何Wの規格でPD接続しているのかはPCの画面で調べることができるが、実際にどれくらい電力を消費しているのかは分からない。

 それがこのケーブルを使うと、やっぱり起動時には結構使うな、とか、この作業すると電気使うな、逆に普段はこの程度か、みたいなことが分かってくる。もちろん使っているPCにもよるが、筆者の環境だと65Wを要求されるようなことはほとんどなく、PD充電器は45Wでも十分だったかも、という気になってきた。

 また、身の回りでUSB Type-Cで充電できる機器が増えているが、USB Type-CだからといってPD対応とは限らない。「あれ? これってPD充電できるんだっけ?」なんていうものもあったのだが、これのおかげで確認できた。

 しかも通常のケーブルと比べても、コネクター部分の大きさはほとんど変わらないので、検証の時だけではなく、普段使いとして使えるのも魅力だ(ただしAlternate Mode非対応なのでディスプレイはつなげない)。

ノートPCの使用電力を見ていると、起動時こそたくさん使うが、普段はそれほど消費していないことが分かる
こちらはPD充電に対応したモバイルバッテリー。22WでPD充電されているのが分かる
これはLEDライト。PDの文字が消えているのでPD充電には対応していないようだ
コネクター部は表示があってもほとんど大きさは変わらず、普段使いでも勝手がいい

 製品名のとおり、ケーブルの被膜部分はシリコン製だ。

 筆者がそれほど新しめのケーブルを持っていないのもあるが、手持ちのUSBケーブルの中では段違いで柔らかい。柔らかいからしなやかに曲がって、折りぐせもつかず、絡まりにくい。製品におまけで付いてくるようなケーブルだと、クセが強くて余った長さを持て余すが、これにはそれがない。

 クルクルと巻けばコンパクトになるし、結束バンドも付属しているので、持ち運び用としても勝手がいい。一度この柔らかさを知ったらナイロン編みコードなんか使えなくなるだろう。正直感動するレベルだ。今回のテスト用にと買ったが、かなり使い勝手がよく、普段使いとしても強くオススメできる一品だ。

おまけで付いてくるようなUSBケーブル(写真右)とは違ってとてもしなやかなシリコンケーブル(写真左)
結束バンドも標準で付属。これも使い勝手がいい

磁力のパワーで結束バンドいらず「Magtame iphone 充電ケーブル タイプc」

 続いて紹介するのが、「Magtame iphone 充電ケーブル タイプc」だ。その特徴は、ケーブルがうっすらと磁気を帯びているところで、結束バンドなどを使わなくてもクルクルと巻いた状態で固定することができる。

「Magtame iphone 充電ケーブル タイプc」、写真は1mのシルバー。結束バンドがなくても磁力でケーブル同士がくっつく

 購入したのは、LightningとUSB Type-Cを持つケーブルで、MFi認証済み、3.0Aの急速充電と480Mbpsの通信に対応する。ほかにもサイズや種類のラインアップは豊富で、USB Type-AとLightningや、USB Type-C同士、USB 4.0対応のモデルなどもラインアップする。

 カーチャージャーと組み合わせて車内で使うことを想定して選んだもの。例えば後席でも使うことを考えるとある程度の長さが必要なものの、長いと長いで収納に困るし、垂れ下がったケーブルをシートレールに挟んで断線、なんてこともある。

 車内用では、巻き取り式のものを買ったこともあったが、伸ばしたときにリール部分がジャマだし、耐久性も低くてリピートする気にはなれなかった。

 その点、この製品なら伸ばせばただのケーブルだし、センターコンソールなどに入れておいても、絡まる心配もなさそうだ。

 ということで買ってみたのだが、製品紹介の動画だと、ケーブルを近づければ勝手にクルクルと巻かれていくような映像があったのだが、実際にはそこまで磁力は強くなく、まとまりはするけどきれいに巻くためには手で整える必要があった。

 また、きれいに巻いた状態から伸ばすと、よじれが発生するので、まっすぐ伸ばすためにはそのよじれを取る必要がある。そんな感じでまぁイメージしたほど使い勝手はよくなかった。

磁力は弱く、“くっつけないとくっつかない”ぐらい。製品紹介動画のように自然と巻き付くような感じではない
部分的にとぐろにして使えるので、ケーブルが長すぎて困ることはなさそう

 ただ、磁力が弱いので、ほかの金属に貼り付いて困るようなことはない。たとえばホチキスの針とか、小さいネジなどは近づければくっつくが、車内だと金属むき出しの部分はあまりないので、ほぼ気にならない。

 これまで車内のUSBケーブルといえば、センターコンソールにゴチャっと押し込んでおくか、シートの上に転がしておくか、という使い勝手だったことを考えると、使い勝手はかなりよくなる気はする。小さめに巻けばドリンクホルダーにも収まるし、クルマに買い物袋をかけるためのフックなどがあれば、先端だけ丸めてかけておくようなこともできそうだ。必要な分だけ伸ばして、残りは巻いておくような使い方もできる。

 筆者は飽きやすい性格なので、そのうちきれいに巻くのがめんどくさくなりそうだが、きれいに巻かなくてもまとまりはするので、散らかりにくくなる気はしている。とかく車内だと、気がついたらセンターコンソールのフタに挟まっていたりと、使いたいときに断線していることもある。その点まとめておけるこのケーブルなら、コンソールに丸めて入れておくのにも便利だと思う。

小さめに巻けばドリンクホルダーにも入る
こんな感じで使わないときは巻いておくのがよさそう

USBケーブル界の十徳ナイフ「ローリングスクエア inCharge XL 6in1」

 出先で充電しようと思ったら、USBケーブルを忘れていた、なんて経験をした人も少なくないだろう。筆者も例外ではなく、そのため、短めのUSBケーブルをカバンに入れっぱなしにしている。

 筆者の場合は、iPhone用のLightningケーブルと、最近すっかり使わなくなったがMicro USBのケーブル、代わりに頻度が増えたUSB Type-Cは、Micro USBからType-Cへ変換するアダプターで対応している。ただ、カバンのインナーポケットなどに入れておくと、ほかのものと絡まったり、いざ使いたいときに変換アダプターが見つからなかったりと、まぁあまり満足いく環境にはなっていない。

 そんな中で見つけたのが「ローリングスクエア inCharge XL 6in1」というケーブルだ。最大100Wの給電と480Mbpsの通信に対応。フラットケーブルで短めのタイプなのだが、両側のコネクター部にマグネットが入っていて、2つ折りにして固定できる。しかもその状態で端子の部分にカバーもつけられるし、ケーブル自体もアラミドファイバーの芯線にナイロンの被膜とかなり頑丈に作られているので、バッグの中でほかの荷物に絡まって断線する可能性も低そうだ。

コンパクトなのに多機能な「ローリングスクエア inCharge XL 6in1」
両端のコネクター同士がマグネットでがっちりくっつく
銀色の四角い部分がマグネット
さらにコネクター先端を保護するキャップも付く
キャップはケーブルにつながっているのでなくさない。そしてケーブルも頑丈

 そしてなにより特徴的なのが、コネクターの部分が変換アダプター一体式になっている点。片方のUSB Type-Aコネクターを引っ張ると、中からUSB Type-Cのコネクターが出てくるし、もう片方のLightningコネクターを引っ張ると、こちらもUSB Type-Cのコネクターが現われる。

一見ただのUSB Type-Aコネクターだが……
コネクターを引っ張ると中からUSB Type-Cコネクターが現われる
反対側のLightningコネクターを引っ張ると、こちらもUSB Type-Cが出てくる
先端部分は取り外すことも可能だ

 しかもさらにすごいのが、前述したLightningコネクターが、実はMicro USBコネクターも兼用しているのだ。コネクターをよく見ると、外側がLightningコネクターなのだが、真ん中に穴が空いていて、Micro USBとして使う端子が見える。すごいなコレ!!

なんとLightningコネクターがMicro USB端子にもなっている!!
差し込む向きが分かりにくいがこの向きが正解
これでロジクールのMX ERGOも充電できる

 つまりこれ1本で、以下の6通りの使い方ができるということ。

  • USB Type-A⇔Lightning
  • USB Type-A⇔Micro USB
  • USB Type-A⇔USB Type-C
  • USB Type-C⇔Lightning
  • USB Type-C⇔Micro USB
  • USB Type-C⇔USB Type-C

 サイズラインアップとしては15cm、30cm、2m、3mのモデルがある。15cmのモデルだと畳めばその半分のサイズ、キーホルダー並みのサイズ感になって持ち運びにはとても便利そう。ただ、15cmといっても変換アダプター部分も含んでの長さなので、USB Type-C⇔USB Type-Cで使う時にはさらに短くなる。そうするとちょっと短すぎる気がしたので30cmタイプを選んでみた。

 そしてこれがちょうどよかった。折りたたむと長さ的にも太さ的にもちょうどペンぐらいのサイズになるのだ。ビジネスバッグのインポケットにありがちなペン入れ用のスペースにもちょうどぴったり収まるし、もちろんペンケースにいれておくのでもいいだろう。ケーブル部分は少しごつくてしなやかさは少ないが、その分絡みにくいし耐久性という部分でも頼もしい。

折りたたむとちょうど15cm。ちょうどペンサイズなので筆箱などにも入れられる
カバンのインポケットにありがちなペン入れスペースにちょうど収まる
広げるとコネクターの先端から先端まででちょうど30cm
ただしUSB Type-C同士だと26.5cm程度。15cmモデルだと11.5cm程度になる計算だ

 なによりこれ1本でほとんどのシチュエーションに対応できる安心感と、今までのようにカバンの中でケーブルがごちゃごちゃしなくなるという部分でもとてもいい。

 使い勝手はというと、LightningやUSB Type-Aはとくに問題ない。USB Type-Cを使う時は、外した変換アダプター部分が邪魔になることもあるが、取り外そうと思えば外せるので、それほど問題にはならないだろう。

 ちょっと問題だったのがMicro USBだ。相手側にもよるのだろうが、差し込むのがかなり固い。そもそもどっちが上なのか、コネクターの向きが分かりにくい上に、挿そうとしてもなかなか入らないので、力づくでやってこわしちゃうんじゃないかという不安がつきまとう。まぁ筆者のまわりでもMicro USBの機器はだいぶ減ってきている(Logicoolのトラックボールぐらいか)ので、そうそう使う必要もないだろう。

 また、公式な情報は見つけられなかったが、筆者の環境では、ディスプレイをつないでみたものの表示できなかったので、Alternate Modeは非対応と思われる。

 価格はちょっとお高めだが、その分作りはしっかりしているし、そうそう壊れることもなさそうだ。買って早々にカバンの中に定位置ができたし、出社するときも安心感が違う。これまたかなりオススメできるUSBケーブルだ。

いろいろ組み合わせて使える異端児ケーブル「AOHI 240W PD3.1 USB C ケーブル」

 最後はかなり異端児というべきUSBケーブルだ。正直なところ、別に必要性はなかったのだが、今回の個性派USBケーブル特集にはぜひ加えたいと思って買ってしまった。

 それが、合体できるUSBケーブル「AOHI 240W PD3.1 USB C ケーブル」だ。

ねじ込み式でがっちり延長できる「AOHI 240W PD3.1 USB C ケーブル」

 AOHIとは中国のメーカーで、読み方はたぶん「アオハイ」。PD充電器やモバイルバッテリーというと、OEMなのか類似品なのかといったよく似た製品が多いが、そんな中にあって、AOHIは個性的な製品が多く、ちょっと気になる存在だった。

 そしてこの製品が独創的なのは、合体して使えるというところ。USB延長ケーブル自体は珍しくもないが、この製品の場合コネクターが独自で、まるで業務用機材のように、ねじ込み式で締め込むことができるようになっているのだ。

ただの延長ケーブルではなく、ネジで締め込むことができる。プロユースの機材みたいでなんかよさげ!

 セットの内容だが、基本となるのが、USB Type-C to USB Type-Cケーブルと、USB Type-C to Lightningケーブルの2種類。どちらも10cmで単独で利用することができる。そしてこの2本と合体できるUSB Type-Cの延長ケーブルが2種類、1本がストレートの80cmタイプ、もう1本が伸縮可能なカールタイプで170cm。あとはそれらをまとめて入れられる収納ケースだ。

長さ10cmのUSB Type-CケーブルとLightningケーブルはそれぞれ単独で使用できる
延長ケーブルは2種類、カールしている伸縮ケーブル(170cm)とストレートの延長ケーブル(80cm)
ケースはたぶんシリコン製。一式まるごと収まるサイズ
ロックリングの予備も1つ付属。逆ネジなので、うっかりとれてしまうことがある

 名前のとおり、USB PD3.1対応で最大240Wの給電が可能。また、LightningケーブルはMFi認証に対応し、最大27Wの給電ができる。そして製品説明によれば、延長ケーブル2つを組み合わせれば、最長260cmのケーブルとして使うことができるということになっている(あくまで製品説明による)。

 これをソファ横のコンセントにつなげれば、1日中ソファでゴロゴロしながらiPhoneでマンガを読み続けることもできそうだ。なかなか人間をダメにしそうなアイテムではないか。

 ということで届いた製品だが、なにしろパッケージがすごい。最近はAnkerをはじめ、中国メーカーでもパッケージからしてクオリティの高いメーカーがしばしばあるが、AOHIもそれに通じるところがある。まぁ個人的には2度と箱にしまうこともないだろうし、ゴミがふえるからいらないんだけど。

外箱が無駄にスゴい
開けてもスゴい

 そして製品自体のクオリティも高そうだ。コネクターの部分もよくできていて、バリがあったり、指先がひっかかるような部分もない。表面の処理もキレイで、“中国製の安物”といった言葉はまったく当てはまらない。正直USBケーブルにはそこまで必要ないだろうと思うほどにクオリティが高い。

 実際に使ってみても、ねじ込みコネクターの部分もよくできていてしっかりと固定される。そして、ケーブルにLEDライト含まれていて、3色の変化で充電状態(急速/普通/マイクロ)を確認でき、これまた便利。

コネクターなど金属部分の精度と仕上がりがスゴい。コストが見合うのか心配になるほどだ
通電すると、オレンジ、グリーン、ブルーの3色で光って充電状態を教えてくれる

 ほかに240W対応のケーブルを持っていないので比較はできないが、ケーブル自体は太い。ただ、シリコンの被膜なので、とてもしなやかに曲がるし折りぐせもつかないから、使い勝手として不便を感じることはなさそうだ。

 ただし、カールしている伸縮ケーブルだけは別だ。これだけはシリコンではなく、高反発のPU素材で伸ばしても元に戻ろうとする。

ケーブルはシリコンでしなやかに曲がる。ただし伸縮ケーブルは高反発のPU素材で元に戻ろうとする力が強い

 そしてあくまで筆者の使い方においてはだが、この伸縮ケーブルがとても残念だった。いやコンセプトはよく分かるし、期待もしていたのだが、「最長260cmはスゴい!」と思って使ってみると、延長したいのにカール部分に引き戻されるので、とっても不便なのだ。

 具体的に言うと、壁のコンセントにUSB充電器を挿して、そこからiPhoneにつないで引っ張ると、少しは伸びるのだが、このカール部分のおかげで結構引き戻される。それでもねじ込みコネクターのおかげで延長ケーブルが抜けることはないが、さらにぐいっとケーブルを引っ張ると壁コンセントから充電器が抜けてしまった。もちろん充電器や壁コンセントにもよるだろうし、たとえば回転してロックするようなタイプであれば充電器は抜けなくなるが、おそらく今度は充電器側かiPhone側のコネクターから抜けると思う。

 最長260cmとあるが、実際には頑張って170cm、でもそこまで伸ばすといつ抜けるか?という感じなので、現実的には150cm程度。そのぐらいなら最初から150cmのケーブルを買った方がいいだろう、という気持ちになる。

延長ケーブル2本を組み合わせた状態。170cmまではギリ行けた
180cmまで伸ばそうとした途中でUSB充電器が壁コンセントから抜けた

 たとえば充電器寄りのケーブルをどこかに固定しておく。さらにデスクの上からぶら下げておいて、必要なときだけ引っ張り出して使うとか、使い方によってはとても便利と感じる人もいるとは思う。が、かなり限定的な状況だろう。製品のクオリティ自体は高いので非常に残念ではあるが、まぁ筆者としては記事のネタになったのでよしとしたい。

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