テレワークグッズ・ミニレビュー

第91回

デスクまわりの電源整理に!! PD100WにACコンセントもUSB Type-Aも持つUGREEN DigiNest Pro 100Wがちょうどいい

多くのデバイスに電源を供給できるUGREEN DigiNest Pro 100W GaNIII CD270

 ガジェット好きの悩みのタネは、電源の供給だ。筆者も含めて、デスクまわりは電源ケーブルだらけ…… という人も少なくないだろう。電源を挿しっぱなしでは電気も無駄になるし、ショートや漏電などの危険もある。できるなら整理してシンプルにした方がいい。

気をつけたい電源まわりのトラブル

 仕事柄、さまざまな機材をテストする必要があることもあって、筆者の自宅デスクの前には1500W、6口の電源が4つ並べてある。常時繋がっているのはバックアップ用のハードディスクやスマートスピーカー、Wi-Fiなど。そこに、時には複数台のMac、iPhone、iPadなどのアダプターが挿さることになる。

筆者がデスクの前に用意している電源タップ

 ついつい散らかりがちな電源まわりだが、気をつけないとトラブルの元ではある。

 筆者が以前に雑誌を作っていたラジコン飛行機業界では、初期のリポバッテリー(現在のように安全回路がなく、セル直付けで手動で充電電流/電圧を設定していた)の充電で、過充電を起してバッテリーを炎上させ、クルマや家を燃やした知人もいた。

 一方、こちらも雑誌を作っていた海水の熱帯魚やサンゴを飼育する業界では、ポンプや、照明、ろ過器、リアクターなどの多くの機材に電源タップから電気を供給することが多かった。熱帯魚ショップなどでは、水槽裏側にある電源タップには塩水がかぶり、そこにホコリが積もることでショートが発生し、火災が起こるということもまれにあった。

 IT業界ではそこまでリスキーなことはあまりないが、それでも緩んだアダプターにホコリが積もり、トラッキング現象が起り、火災となる可能性はある。iPhoneの充電ケーブルの被覆が破れているのに使ってる人がいるが、もっての他だと思う。電源まわりは火災などの原因になるから、極力整理整頓を心がけたい。

USB Type-C中心の電源に切り替わっている人にオススメ

 とはいえ、電源まわりの仕様はころころと変わる。昔は、個別のACアダプターを介した充電が多かったが、その後、USB Type-Aが多くなり、最近はUSB Type-Cを使うものが増えている。

 筆者は極力USB Type-Cを使った充電に切り替えようとしているが、それでもACアダプター、USB Type-A、USB Type-Cを介しての充電が混在している。

 そんな状態で使ってみて便利だったのが、UGREEN DigiNest Pro 100W GaNIII CD270という電源タップとPD充電器を兼ねる商品だ。

UGREEN DigiNest Pro 100W GaNIII CD270

 AC電源タップとしてはトータルで1250Wを供給可能。ACコンセント差し込み口が3つ、USB Type-Cポートが3つ、USB Type-Aポートが1つ用意されている。

上面にACコンセント1つ。背面にアース付きのACコンセント2つが用意される

 ACは1250Wまで供給できるから、デスクまわりで使うデバイスであればディスプレイも含めてたいてい大丈夫。USB Type-Cポートは、左の2つなら100Wまで供給できるので、MacBook Proの16インチでも問題なく使える(MacBook Proの16インチは最大で140Wまで入力できる)。3番目のUSB Type-Cポートは22.5Wまで供給できるので、iPhoneやiPadの充電には十二分。USB Type-Aポートも同様に22.5Wまで。

前面にはUSB Type-Cポート3つ、USB Type-Aポート1つが用意される

 デスクの上に設置でき、接続したデバイス全部に十分な電力を供給できるのが本製品の魅力だ。

実測でも、十分な出力

 実際に色々繋いでみた。ACコンセントにiMacとMacBook Pro 14インチ(M3 Max)、カメラのバッテリーの充電器、そしてUSB Type-Cポートに、iPhoneのMagSafe充電器、iPad、そしてUSB Type-AポートにApple Watchの充電器などを接続しても安定して電源を供給できるのが心強い。

 ACコンセントにMacBookなどのアダプターを接続しても十分な電力を供給できるし、デスクライト、ディスプレイ……などの電源に使ってもいいだろう。

 USB Type-Cポートも左の2つであれば、ノートPCに電源を供給するのに十分だ。ちなみにチップにはGaN III(窒化ガリウム)を内蔵しており、これだけ多機能なのに、かなりの軽量・コンパクトを実現している。

計測してみたが、実際に60W以上を供給できていた

 ちなみに、USB Type-Cポートが供給する電力を測ってみた。MacBook Pro 14インチ(M3 Max)を繋いで動画を見て電力負荷を高めると20V×3.62A=72.4Wが供給された。計測時には電池残量が多かったのでそれほどの電力を必要としなかったと思うが、電池残量が少なければ、もっと大電流を流したかもしれない。ともあれ、72.6Wは60Wクラスの充電器では出せない出力なので、本機のUSB Type-Cポートの出力は十分だといえるだろう。おそらく、PCの方が引き出せば公称である100W近くも出るものと思われる。

 ちなみに、テスト時にはUGREENの240W PDにも対応したケーブルを使ったので問題ないが、eMakerチップを内蔵していないケーブルは60W以上を通さないので、大電力を必要とするノートPCを使う人は、ケーブルのチョイスにも気をつけたい。

弟分の65Wもあるが、筆者としては100Wがお勧め

 ちなみに、UGREEN DigiNest Pro 100W GaNIII CD270は通常小売価格1万2980円とちょっとお高い(ちなみにAmazonでは1月21日まで3000円OFFクーポン配布中だ)が、UGREEN DigiNest Cube 65W GaNIII CD268という兄弟機がより低価格でラインアップされている。

UGREEN DigiNest Pro 100W GaNIII CD270(右)と、UGREEN DigiNest Cube 65W GaNIII CD268(左)

 こちらは、ACコンセント差し込み口が3つ、USB Type-Cポートが2つ、USB Type-Aポートが2つ。USB Type-Cポートが1つ減り、USB Type-Aが増えている。また、USB Type-Cポートから供給できる最大電力は65Wとなる。MacBook Pro 16インチだと、ちょっと物足りないスペックだが、MacBook Pro 14インチ以下のモデルだと問題ないだろう。

DigiNest Cube 65W GaNIII CD268は、USB Type-Cポートが1つ減り、USB Type-Aポートが1つ増える。またUSB Type-Cポートの最大出力が100W→65Wになる

 とはいえ、最大値が65Wで、左から2ポートを使った場合、それぞれ45Wと20Wになってしまうので、細いことを考えずに大出力で使いたいならDigiNest Pro 100W GaNIII CD270の方が使い勝手がいい。

 ちなみにDigiNest Pro 100W GaNIII CD270は前側に押しボタン、DigiNest Cube 65W GaNIII CD268は背面にシーソー式のスイッチで、全電源を切ることができる。

DigiNest Pro 100W GaNIII CD270は前面、DigiNest Cube 65W GaNIII CD268は背面に電源スイッチを持つ

 作業終了時などに、全電源供給をカットできて便利な半面、デスクトップPCや、外部HDDを繋いでる時に、不用意に切断してしまうと怖い……という部分もある。気をつけて使いたい。

 ストレージを繋がず、ノートPCを利用しているのであれば便利な装備だといえる。

 主なコネクターをUSB Type-Cに移行しつつあり、MacBook Pro 14インチをなるべく早く充電したい筆者としては、DigiNest Pro 100W GaNIII CD270が便利だ。

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