テレワークグッズ・ミニレビュー

第87回

4口+USB電源タップをアレクサでスマートにコントロール! さらに6万ボルトの雷サージで落雷対策もバッチリ!!

スマホでもアレクサでもコントロールできるスマート電源タップ

 すっかり間が空いてしまったが、以前お伝えした電源タップリフレッシュ計画の続きをお伝えしたい。テレワークでは欠かせない電源タップだが、実はその寿命は3~5年とのことで、いつ買ったのか記憶がないけど5年以上は経過しているであろう電源タップを買い換えることにした話の続きだ。

 筆者のデスクまわりでは、主に2つの電源タップを使い分けている。1つは、基本的には電源をオフにすることはない機器をつないでいるタップで、PCやAmazon Echo Show、外付けドライブ、冷蔵庫、テレビ、USB充電器などをつないでいる。たくさんの電源コードで見た目は悪く、抜き差しする機会も少ないので、机の下の奥の方に配置している。

 こちらについては個別のスイッチはいらないので、10個口でコンパクトなもの、かつ雷サージがついているものを選んでいて、そちらは以前の記事で紹介した。

以前の記事で紹介した、10個口でありながらコンパクトで、かつ雷サージもついたエレコム ECT-1510WH

 今回紹介するのはもう1つの電源タップで、仕事用の2台のディスプレイをつないでいるもの。こちらは個別にスイッチがついているタイプになっていて、休憩や仕事終わりの時に電源を切ることで節電していた。現在はAmazon Alexaを導入していて、根元にスマートプラグを挟むことで、「アレクサ、仕事終了」などと言えば自動でディスプレイの電源が切れるようになっている。

 こちらの電源タップは、もともとスイッチ操作がしやすいよう、手が届きやすい位置に設置してあった。スマートプラグで制御するようになったあとも、電源タップのスイッチの明かりでちゃんと電源が消えていることが確認できるので、やはり手近な位置に置いてあるのが都合がよい。

2台のディスプレイをつないだ電源タップはスイッチを操作するために手が届きやすい位置に設置していた。消し忘れがひと目で分かるのもポイント
その根元にスマートプラグを挟むことでアレクサで操作可能にしていた

 ただし、1つだけ問題もあった。というのも手が届きやすい位置のコンセントなので、ちょっと電源を使いたいような時に利用することがよくあったのだが、これが「アレクサ、仕事終了」で根元から電源が切れてしまうわけだ。うっかり充電器をつないだのを忘れていて、途中で充電が止まっていた、なんていうミスをしたことが、恥ずかしながら何度かあった。

 そんな電源タップの入れ替えにいいものはないかと探してみつけたのが、TOP-FLEXのスマートタップ(4口+USB)だ。名前から想像できるとおり、電源タップとスマートプラグが合体したものだが、4つのコンセントをそれぞれ独立して電源操作することができる。加えて2つのUSBの電源も(こちらは2つまとめてだが)操作できる。つまり、「アレクサ、仕事終了」でディスプレイの電源は切るが、充電はしたまま、ということができるわけだ。

 また、筆者が使っているデスクライトがUSB電源なので、その電源も独立して操作できるというのは結構便利だ。これまでデスクライトの電源は、ディスプレイのUSBポートにつなぐことで、仕事終わりには自動で電源が切れるようにしていたのだが、たまに、PCは使わないけどデスクで作業するような状況で、いちいちディスプレイの電源を入れる必要があったので、不便だったのだ。

選んだのはTOP-FLEXのスマートタップ(4口+USB)

 ほかにも似たような製品はいくつかあって、例えばMerossといったIoT機器で名の通ったブランドの製品もあったのだが、あえてこの製品を選んだ理由は、コンセントごとにインジケーターランプがついていたこと。本当は個別にスイッチがついているものが欲しかったのだが、筆者が探した時点では、そういったものは見つからなかった。

 それともう1つ、「Smart Life」アプリが使えたこともポイントだ。

 大手のIoT機器メーカーだと、自社オリジナルのアプリを使っていることが多いが、そのメーカーだけで全てのタイプのIoT機器をカバーできるかというと、そうでもない。かといってIoT機器を買い足すごとに違うアプリを入れるというのも、管理がややこしい。

 その点、Smart Lifeアプリは汎用性の高いアプリで、自社アプリを持っていない多くのメーカーで採用されている。筆者がすでに使っているGosundのスマートプラグでもSmart Lifeアプリを使っていて、すでにインストールも登録も済んでいたので、その分導入のハードルは低いわけだ。

TOP-FLEXって初めて聞くメーカーだったけど意外としっかり

 ということで到着したものを見てみよう。

 まぁ電源タップなので目新しい部分はないが、見た目は至ってシンプル。4つのACと2つのUSBポートがある。コンセント差し込み口のピッチは狭いところで中心間が約35mm、1口だけ広くなっていて約45mmとなっている。コンセントの口にはほこり防止シャッターもある。

 プラグはスイングプラグ式でトラッキング防止タイプ。スマートプラグだと、プラグの刃の片方が幅広になったN極プラグが採用されることも多いが、この電源タップは通常のプラグなので、延長コードを使ったり、後述する雷サージタップを使うような場合も安心だ。

 注意点としてはACの定格容量は1400Wまでということ。USB出力やスマートタップ自体の電気も必要なので、これは仕方がないだろう。また、残念ながら背面にマグネットやネジで引っかけられるような溝もない。それと雷サージは内蔵していない。

コンセントの差し込み口のピッチは、中心間で約35mm、1箇所だけ広くて約45mm
コンセントの口にはほこり防止シャッターがつく
USB Type-Aポートが2つ。単ポートで2.4A、2ポートで合計3.1Aの出力が可能
スイングプラグはトラッキング防止タイプでN極が幅広になったタイプではない
本体背面。マグネットやフックできる穴などはない

 驚いたのはちゃんとした日本語の説明書がついていたこと。正直あまり聞いたことのないブランドだったので、多少不安もあったのだが、日本語表記も漢字もしっかりとしているし、画像もふんだんに使ったとても丁寧な説明書だ。説明書と本体背面には、PSEマークや技適も記されていて、6カ月の製品保証がつく。販売元は日本の会社で、IoT機器に限らず電源タップが得意な会社らしい。製品や説明書を見る限り、ちゃんとしている印象だ。

付属のマニュアルは日本語。変な日本語表記もなく、写真も多くて分かりやすい
本体背面の説明書きも日本語。PSEマーク、技適マークもあり安心して使えそうだ

 スマートタップとして使うには、まずSmart Lifeアプリをインストールしアカウント登録する必要がある。が、筆者はすでにSmart Lifeアプリを使っているのでそれは不要だ。もろもろ含めて説明書で画像付きで丁寧に説明されているので、初めて使う人でも心配はないと思うが、気をつける点としては、スマホを2.4GHz帯のWi-Fiに接続しておくこと。この電源タップ自体が2.4GHz帯でしか接続できないので、スマホを5GHz帯につないでいると、機器が見つからないということになってしまう。

筆者の場合すでにインストール済みのSmart Lifeアプリ。右上の「+」から「デバイスを追加」を選ぶ
この電源タップの場合は「電源タップ(Wi-Fi)」を選択
後はアプリの指示に従って操作すればいい
ただし、スマホを2.4GHz帯につないでおくことを忘れずに
Smart Lifeはアレクサとも連携済みなので、同時にアレクサにもデバイスが追加される
デバイスが追加された
Smart Lifeアプリ上では3つのデバイスが登録された形だ
スマートタップを選ぶとリモートネットワーク操作同意書に同意が求められる。電気ストープなどつないではいけないといった重要事項が書いてあるので必ず一読したい
メインスイッチ、USB、コンセント4つで計6つのスイッチがコントロールできる
スイッチの名前はそれぞれ変更可能。アレクサにも反映される

 機器登録ができれば、なんとも分かりやすく電源タップの絵が出てきて、それぞれスイッチ1~5が割り当てられる。それぞれスイッチの名前を変更できるので、「4Kディスプレイ」など、覚えやすい名前に変更する。

 このSmart Lifeアプリ上から各スイッチを操作することもできるし、タイマー設定やカウントダウン設定なども可能(筆者はアレクサアプリで管理しているので使わないが)。

 アレクサアプリとSmart Lifeアプリはすでに連携しているので、この時点で「アレクサ、4Kディスプレイをつけて」と言えば操作できる。

 あとは、アレクサアプリの定型アクションから「仕事終了」や「仕事休憩」に対して、4Kディスプレイ、2Kディスプレイ、デスクライト(USB)をオフにする操作をそれぞれ追加。逆に「おはよう」や「仕事再開」に対してはスイッチオンにする操作を追加すれば、アレクサに一言声を掛けるだけで一括操作が可能になる。

「アレクサ、仕事終了」と言った時のアクション。ディスプレイ、デスクライト、エアコン、部屋の電気などが一言で消せる
こちらは「アレクサ、おはよう」のアクション。PCの電源オンなどに加え、ニュースや天気予報も読ませるようにしてある

 余っているコンセントの1つには、以前紹介したエネループの充電器をつないだ。まとめて8本充電できるタイプで、据え置きで使うのにはちょうどいいのだが、使用時以外は電源を抜いておくようにと説明書にはある。とはいえせっかくの据え置きタイプなのにいちいちコンセントを抜くのも面倒で、これもスマートタップで管理しようと言うわけだ。

 ただ、エネループ充電器用のコンセントの名前を「エネループ」としたところ、「アレクサ、エネループ入れて」と言ったところ、エネループをAmazonの買い物リストに入れられてしまった。名前の付け方は重要だ。

エネループを8本まとめて充電できる充電器。ふた付きで据え置きに使うのにちょうどいいのだ

 また、個別のインジケーターランプがあるのもいい。USBだけは確認できないが、ディスプレイの電源は切れていて、エネループは通電しているなど、一目で分かるのは節電の面でも便利だ。

個別のインジケーターランプで、どの口が通電中かひと目で分かる。ただしUSBポートにランプはない

 ちなみに、こうしたIoT機器は時々つながらなくなることがある。そうした場合、本体の電源ボタンで操作するのだが、コンセントごとのスイッチはないので、一括でオン/オフすることになる。たとえばどれか1口だけ使っている状況だと、スイッチ1回ですべてがオンになり、もう1回押すと全てがオフになるという形だ。

 ということで筆者のデスク環境においては、結構いい具合に活用ができている。アレクサの音声だけで操作可能というのは、使い慣れると手放せなくなる。ただ、なぜか動かないときもあるので、インジケーターランプで状態が確認できるというのは、結構重要だ。前回の電源タップと合わせて、なかなか良い環境が整ったと思う。

今回はスクエアな筐体なので通称「魔法のテープ」と呼ばれる両面テープでデスクの天板裏に貼り付けてみた。デスクライトのUSB電源が届かなかったので、L字コネクターの延長ケーブルを使っている

超強力な雷サージ機能を後付けする!!

 さて、普段の使い勝手としてはまったく申し分のないスマート電源タップだが、惜しむらくは雷サージがない点だ。古いフルHDディスプレイは雷で壊れてもまだあきらめがつくが、4Kディスプレイは買い換えるにも結構お高い。そこで雷サージ付きの電源タップを間に挟んでみることにした。

 雷サージ付きのタップはいろいろあるが、実は一言で雷サージと言っても最大サージ電圧というのが結構違う。以前紹介した電源タップは最大サージ電圧が1万2500Vだったが、一般的には3000V程度のものが多いようだ。

 そんな中で探し出したのが、オーム(OHM)の「強力雷ガードタップ 1個口」で、最大サージ電圧はなんと6万V!! それでいて価格も特別高いことはなく、700円程度で入手できた。

 1口しかなく、スイッチもないくせにずんぐりむっくりとした本体サイズだが、サージ容量の小さいものを買っていざというときに後悔することを思えば気にならない。雷は1億Vとも言われるので、近くに落ちればこれでも防ぎきれないのかもしれないが、これより容量の大きいものは見つけられなかったので、そのときはあきらめもつくだろう。

 なお、プラグはトラッキング防止プラグになっていて、差し込み口はN極の幅広プラグには対応しないので注意。

 実際に使ってみたが、製品写真どおりにコンセントに挿すと、重心がプラグより上にくるので、ちょっと抜けそうな感がある。パイロットランプは見えにくくなるが、上下を逆さまにして使った方がよさそうだ。それと、やっぱりこの大きさがあるなら2口ぐらいつけてくれてもよかったのに……、とは思ってしまう。6万Vという頼もしい製品なだけに、この辺りが改善されれば、もっとオススメできるのに……、というのが率直な感想だ。

オーム(OHM)の強力雷ガードタップ 1個口
プラグはトラッキング防止タイプ
装着状態。頭でっかちな形状なので、自重でプラグが抜けそうな感はある。上下逆につけた方が安定しそうだ

INTERNET Watch編集部員やライター陣が、実際に使ってオススメできると思ったテレワークグッズをリレー形式で紹介していく「テレワークグッズ・ミニレビュー」。もし今テレワークに困りごとを抱えているなら、解決するグッズが見つかるかも!? バックナンバーもぜひお楽しみください。