テレワークグッズ・ミニレビュー
第83回
10年以上使ったエネループがまだ使える!? 新型エネループや多機能な充電器を試してみた
2023年9月8日 12:12
出社の機会も増えたとはいえ、筆者の場合は今も概ねテレワークだ。で、家で仕事をしているといろいろと消耗品も出てくる。その1つが電池だ。
ここ最近立て続けに身の回りのもので電池切れが続いて気になり始めた。撮影で使うのストロボの電池も減るのが早くなってきた気がする。もっぱらストロボは単3形の充電池だが、考えてみれば最初に買ったのはかなり昔。充電すれば使えるのでなんとなく捨てられずにいたが、そろそろ限界かもしれない。
新しくなって容量アップしたエネループ
ということで、充電池回りを見直すことにした。筆者が主に使っているのは、今はパナソニックになったエネループだ。
エネループはいま大きく3種類がラインアップする。
1つめが白いスタンダードモデルの「エネループ」。実は今年の4月にモデルチェンジしていて、くり返し回数(現行JIS規格で約600回)はそのままに電池容量をアップ。単3形の場合で、従来の1900mAhから2000mAhに拡大している。
実はパナソニックからは、エネループよりちょっと容量の大きい(1950mAh)「充電式エボルタ」が併売されてきたのだが、今回のエネループの容量アップによって充電式エボルタの優位性はなくなり、販売も終了している。
2つめが黒いハイエンドモデルの「エネループ プロ」。単3形で電池容量は2500mAhと大容量。その分、くり返し回数は減って現行JIS規格で約150回となっている。カメラのストロボなど消費電力が大きい機器にオススメのモデルだ。
最後は水色でお手軽モデルの「エネループ ライト」。容量は単3形の場合で1050mAh。実はこちらも今年の4月のモデルチェンジで容量がアップ(従来は1000mAh)している。くり返し回数は現行JIS規格で約1500回とシリーズ中でもっとも多い。オススメ用途はリモコンなどだ。
容量の少ないエネループ ライトの必要性をあまり感じないという人もいると思うが、実はエネループのような充電池では、電気を完全に使い切った過放電の状態になるとダメージを受けてしまう。そのため、エネループやエネループ プロをリモコンのようなわずかな電気で動く製品に使っていると、この過放電状態になって性能が悪化する可能性があるのだ。エネループ ライトは、そうした用途のための製品と言える。
ちなみに話がそれるが、くり返しで使える回数が以前より減った? と思った人もいるだろう。確かに以前はスタンダードタイプでくり返し回数2100回などと謳っていた。
では性能が落ちたのかというとそうではなく、評価の方法が変わったのだ。以前(旧JIS規格)は「小さい電流を使い、60%まで減ったら充電」という条件だったのに対し現行JIS規格では「大きい電流を使い、全部使い切ったら充電」という条件に変更になっている。そのため数字上は減っているものの、性能が落ちたわけではない。
充電器も進化! 多機能すぎてかゆいところに手が届く
エネループと言えば、充電器も壊れることがないのでずっつ使い続けている人もいるだろう。しかし充電器も進化している。
機種にもよるが、最新のモデルだと「買い換え目安診断機能」などが付いている。冒頭でも書いたとおり、エネループは充電すると何度でも使えてしまうので、つい使い続けてしまうが、でもやっぱり当初より持ちが悪くなっているような気もして、買い換えの判断がなかなか付けられない。
そうした場合にこの「買い換え目安診断機能」によって、古いエネループを仕分けることができるわけだ。まさに筆者が欲しかった機能と言える。
加えて「予備充電機能」というものもある。これも先に説明した過放電によってダメージを受けた電池に対して、微弱電流で予備充電をすることで電池の状態を改善するという機能。
しかもこうした診断は1本ごとに行なわれ(クイック自動診断)、減り具合が違う電池を一度に充電しても、それぞれに満充電状態を管理(スマートチャージ機能)。また、継ぎ足し充電の場合にも過充電を防いでくれる(つぎ足し充電機能)といった機能も持つ。
新型エネループを購入、旧型とどこが違う?
ということで今回は用途に合わせて電池と充電器を新調してみた。
電池はストロボ用として大容量の「エネループ プロ」、同じくカメラ回りで、ストロボ制御のリモコン用に「エネループ」、そして仕事部屋のエアコンなどのリモコン用に「エネループ ライト」、このエネループ ライトだけは単4を選んでいる。
まずエネループだが、この春のモデルチェンジでパッケージは紙主体のエシカルパッケージになった(今回買ったのはAmazon限定販売モデルなのでパッケージデザインが異なる)。ただし、以前だとプラスチックのケースが付いていたので、それがなくなったのは残念だ。
見た目についてはほぼ従来のままで、見分けるのはとても困難だ。変わったのは型番と容量の表記、あとは注意書きの文字送りが少し変わっているぐらいなので、従来のものと混ぜてしまうと見分けるのが大変だ。容量がアップしたのなら混在させないためにもデザインを変えてくれればよかったのに、と思ってしまう。
エネループ プロについてはすでに1セット持っていて、自宅に組んだ撮影用スペースでクリップオンストロボに使っている。新しいせいもあるだろうが、ストロボのチャージは速く、買って良かったと思っていた。ただ、2灯ストロボで片方がエネループ プロ、片方が古いエネループだと、結局遅い方を待たないと行けないので、いずれもう1セット買おうと思っていたところだった。
なお、エネループ プロも春にモデルチェンジしているが、パッケージが変わってケースの付属がなくなったものの、容量など電池の性能には変更はない。
エネループ ライトはリモコンで使うので単4を買った。実はエネループ ライトを買うのは今回が初めて。いままでは過放電の心配もあって乾電池を使っていたのだが、エアコンのリモコンなどは液晶が大きいせいもあって電池交換の頻度が高く、単四電池のストックの減りが早かったので、節約になることを期待したい。
ダメになったエネループを仕分け、多機能すぎる充電器
最後に充電器。選んだのは8本充電できるパナソニックの「USB出力付8本急速充電器 BQ-CCA3」。2022年の4月に発売された最新モデルだ。
充電器の特徴は、やはり8本同時に充電できること。テレワークになって自宅での撮影が増えたので、ストロボ2灯の撮影スペースを用意したのだが、そうすると4本ずつの充電だと効率が悪く、8本同時で充電できるものが欲しかった。
4本タイプのようなコンセント直挿しではなく据え置き型なのもよい。ストロボで使うと充電頻度も高くなるので、充電器はほぼ出しっぱなしなのだが、抜き差しの度にかがむ必要もないし、机の上に置きっぱなしでも、カバーのおかげで、電池を入れるくぼみにほこりがたまることも防いでくれる。
加えて、先に紹介した買い換え目安診断といった機能は全部入りだ。筆者のように10年ぐらい前からエネループを使い続けていて、買い換え時がよく分からなくなっている人にとっては、資産管理としても役に立つと思う。
また、変わった機能として、USB Type-Aの出力ポートを1つ持っていて、電池を入れることでモバイルバッテリーとしても利用できる。
しかもこれがかなり凝った仕様なのだ。
通常、新品と使いかけ、あるいはアルカリとマンガンのように、残量の異なる電池を一緒に使うと、残量が少なかった方が先に空になり、ほかの電池の容量があっても電圧不足で機器が動かなくなってしまったり、あるいは、そのまま使い続ければ、容量の少ない電池が過放電になって液漏れしたりしてしまう。
ところがこの充電器は1本1本の電池の状態をセンシングできるので、容量がバラバラの電池を一緒に使っても、良い感じに調整して使い切ってくれる。単3型が4本~8本必要だが、5本や7本といった半端な本数でも大丈夫。しかも、電圧が異なる乾電池と充電池が一緒になっていても問題なしという、なんとも優れものなのだ。
たとえば急な停電、そのときスマホの充電が満タンとは限らないし、電池のストックが4本あるとも限らない。そんな状況でも、時計やリモコンなどから使いかけの単3電池をかき集めればスマホが充電できてしまうのだ。そんな状況にはなりたくないが、いざというときにはかなり役立つハズだ。
古いエネループをチェックしてみた
ということで家にある古いエネループなどを集めてチェックしてみた。あらためて手持ちのエネループを見ると、三洋電機時代のエネループがたくさんある。2013年までサンヨーブランドだったので、少なく見積もっても10年以上使っている計算だ。
テストのため新旧エネループに充電式エボルタ、単4のエネループ、さらにわざと乾電池も入れて充電してみると、しばらくセンシングの後、それぞれの電池ごとで色が点灯する。ただし3本が赤の点滅に。これはなにかしら問題があって使えないという意味だ。
ダメだったのは白いエネループ2本と乾電池。まぁ乾電池がエラーになるのは当然として、白いエネループは、おそらくかつて一番最初に買ったエネループだ(いつ買ったかのかは思い出せないが)。弱ってるよなーと思いつつ、充電すれば使えはしたので捨てるに捨てられなかったのだが、こうして診断で出ると素直にあきらめられる。一方で同じサンヨー時代のエネループながら、もうすこし後に買ったカラーモデルのエネループは赤点滅にはならず、まだ充電ができた。
LED表示は残量によって赤→黄色→緑と点灯の色が変わり、充電完了すると消灯する仕組み。ただしそろそろ買い換えたほうがいい状態だと、消灯ではなく黄色の点滅に変わる。カラーモデルのエネループも10年以上使い込んでいるので、買い換え時と言われるかなと思ったのだが、黄色点滅にはならなかった。いやはやスゴい寿命だ。
モバイルバッテリー機能も試してみた。捨てるつもりでまとめてあった乾電池を集めれば、残ったわずかな電力で動くかも……、とやってみたがダメだった。そこで、充電池やリモコンから外した使いかけのマンガン電池などを組み合わせてみると充電ができた。8本のうち、左側4本は少なからず残量のある電池が必要で、右側4本は、使い切った電池を入れるとそこは消灯したままとなる。1本1本センシングして、残量のないものからは電気を取らないようにしているのだろう。だから過放電で液漏れする様なこともないわけだ。
ちなみに充電ができなくなっていた最古参エネループからも給電できていた。まだ中に電気は残っていたのだろう。なんともけなげだが、せっかくなので最後にモバイルバッテリーとして電気を使い切ってから捨てようと思う。
まぁこの機能を使う機会はそうそうなさそうではあるが、とはいえ据え置き型で8本同時に充電できるというのは、筆者の様に撮影でストロボを使う人間にとっては結構便利だ。今までだと取材の前日には、日中に4本充電し、寝る前にもう4本充電しておいたら、うっかり朝には置き忘れて出かけたこともあったので、もっと早く買えばよかったと思っている。
古いエネループの捨て時が分かるのもよかった。実はダメになっているエネループがもっと多いと予想していたので、エネループのライフの長さには良い意味で裏切られた形だが、古いエネループは捨てるものもったいないけど使うのもためらわれる、みたいなところがあったので、逆に古くてもまだ使えるというのが分かったのもよかった。
筆者のように、古くてあまり使わないけど捨てられもしないエネループがたまってきている人は、充電器から見直してみるのは結構オススメだと思う。
それと最後におまけだが、今回のモデルチェンジでエネループのケースが付かなくなってしまった。そこでオススメなのがサンワサプライの電池ケースだ。単3形と単4形、それぞれ4本入るタイプと、単3、単4を混在して入れられるタイプがある。価格も手ごろなので、エネループのケースがなくなって困ったという人にはオススメだ。
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