テレワークグッズ・ミニレビュー
第86回
仕事中に音楽、楽しんでる? 部屋に合わせて自動でチューニングするSonosなら、小さくても音がいい!!
2023年10月27日 12:12
みなさんは、テレワーク中などに音楽をどのようにして聞かれるだろうか? スマホからイヤフォン経由で? スマホやPCのスピーカーから直接? それとも立派なオーディオをお持ちだったりするのだろうか? 筆者は自宅では「Sonos(ソノス)」という一種のスマートスピーカーを利用しているのだが、仕事のデスクの上に置くのにもちょうどいいサイズで、今回はそのSonosのスピーカーの話をしたい。
スマホ時代のベストスピーカー
昔、筆者が子供の頃は、多くの家庭に「ステレオ」と呼ばれるオーディオ設備があった。
アンプ、イコライザー、ラジオチューナー、レコードプレーヤー、カセットデッキなどが重ねられていて、左右のスピーカーと繋がってる。スピーカーは、良い音を出すためということで、コンクリートブロックの上に乗せられていたりした。それで音楽を聞くのが趣味だという人も多かった。就職して東京に出て来た頃には、「ミニコンポ」という「ステレオ」をコンパクトにしたようなものが一般的になった。地方の一戸建てと違って、東京のアパートでは大きな音で音楽を流すことはできなかったから、それで十分だった。
時は移り、ウォークマンや、iPodを経由して、現在はスマホやPCから、ストリーミングで音楽を聞くという人が多くなったように思う。データとして流通する音楽は、圧縮音源が多くなったからか、昔ほどスピーカーの音質にこだわる人は少なくなったようだ。筆者の子供たちは、iPhoneのスピーカーから音楽を流していたりして「そんなシャリシャリした音でいいの?」と不思議に思うのだが、若い世代にはそういう人も多いと思う。
そんな、スマホやPCの、ワイヤレス外部スピーカーとしてオススメなのが、Sonosのスピーカーというわけだ。「AV Watch」の読者も多いであろう本誌で音質を語る愚は犯したくないが、少なくともスマホやPCに内蔵されている小さなスピーカーよりははるかに音がいい。また一時期、「スマートスピーカー」として、「Google Nest」や「Amazon Echo」が人気を博したが、AIアシスタントの受け答えを主眼においたそれらと違って、Sonosは明確に「オーディオ」として作り込まれている。また、アップルのHomePodは重低音が重視されていて、アメリカの庭に向かって開けたオープンリビングがあるような家で楽しむのなら良いだろうけど、日本のマンションの一室で聞くのには向いていない感じ。対してSonosは、小さな音量で聞いても良好な音質で、高音から中音までバランスよく聞くことができるようになっている。
家のWi-Fiに接続したら、家中どこからでもワイヤレスで使える
何年か前の話になるが、筆者が最初にSonosを使い始めたのは、Oneだった。現在の価格を公式サイトで調べると3万1800円となっていたが、当時は2万円半ばだったように思う。
Sonosのスピーカーを使うには、まず、スマホのアプリと連携させて、自宅のWi-Fiに接続する。これで、自宅のWi-Fiにぶら下がってるさまざまなPCやスマホからSonosのスピーカーを選択できるようになる。
また、最初に使う時に、「Sonos Trueplay」という「儀式」を行うと、Sonosが部屋の形状や素材を認識して、その部屋に最適な音を出してくれるようになる。スマホで、「Sonos Trueplay」を始めると、「ビヨン、ビヨン」という奇妙な音が鳴り始める。そこで、スマホを持って、アプリに終了を指示されるまでの数分間、ゆっくりと動かしながら部屋の隅々まで歩き回る。スマホは、マイクとモーションセンサーを使って、部屋の音の広がり方、反射の仕方を認識するのだ。そして、以降、その部屋で聞くのに最適な音を発するようチューニングできるのだ。
これらの作業が終わると、スマホやPCからの音楽はすべてSonos Oneで楽しめるようになる。また、Apple Music、Spotify、Amazon Musicでも音楽を楽しめるようになる。さらに、OneはAlexaも利用できるから、ちょっとした調べものをしたり、One自体を音声操作で扱うことができる。
家でも、音楽を聞くのにイヤフォンを使っているという人もいるようだが、Oneが1つあるだけで、スマホやPCの音をすべて高音質で楽しめるようになるから、非常にQOLが向上する。一人暮らしの部屋や、書斎、小さめのリビング、寝室などに、とても向いている。
2台でステレオペア、さらにウーファーやサラウンドにもシステムアップ可能
Oneはモノラルだ。しかし、Oneが2つあれば、スマホアプリからステレオペアとして設定することができる。
一度設定すると、どのデバイスからもひとつの「ペア」スピーカーとして認識される。当然のことながら、ステレオになると俄然表現力が向上する。さらに、2台のスピーカーを部屋のどこに置いても「Sonos Trueplay」を使えば最適な出力をしてくれるというのもうれしいポイント。筆者のようにオーディオに詳しくなくてもSonos自体が自動的に最適な音を出してくれるというわけだ。
OneからAlexaの機能だけを取り除いて少し安くした、ステレオペア用のOne SLというモデルもあって、筆者はこのOneとOne SLをステレオペアにして、書斎で仕事中にBGMを流したり、YouTube動画を見たりする時のスピーカーとして使っている。
さらに、Subというサブウーファーを組み合わせたり、Beamというテレビ用のサウンドバーを組み合わせたりもできる。また、たとえば、リビングのテレビにBeamをつけて、Subが重低音を担当、ソファーの背後にOneとOne SLを置いてサラウンドスピーカーとして使うこともできる。それぞれを電源に繋いで初期設定がされていれば、あとはアプリからネットワークに加えていくだけで、システムを拡張することができるというのがSonosの最大の魅力であり、「沼」な部分だ。
サウンドバーにはより小さなRayや、大きくて高性能なArcも用意されている。ウーファーはSubより小型で購入しやすい価格のSub Miniもある。
さらに大出力のスピーカーや、旧来のステレオシステムと接続するためのスマートアンプなども用意されている。またモバイルスピーカーもあるので、屋外でもSonosのサウンドを楽しむことができる。1つ買うと、どんどん増やしていきたくなるのが、Sonosの危険なポイントだ。
アメリカではスマホ時代のホームオーディオの地位を確立
筆者が自宅書斎で使っているのはOneとOne SLのペアだが、今年の春に発売されたEra 100は、単体でステレオサウンドを楽しむことができる。本体はOneと変わらないぐらいコンパクトだが、「Sonos Tureplay」を使って室内の音の反射を計測し、壁などの反射を使ってサイズを超えたステレオ感を実現している。
もし、一人暮らしの部屋などで現在ベストなオーディオとしてのスマートスピーカーは何? と言われたら、筆者はSonos Era 100と答えるだろう。もちろん、ライフステージが進んで広い部屋に引っ越せば、2つ並べてステレオペアを設定し、よりステレオ感を高めることもできる。部屋が広くてより良い音を望むなら、Era 300という上位モデルもある。
アメリカでは、Sonosはスマホ時代のホームオーディオとしての地位を確立しているらしい。部屋が狭く、個別にイヤフォンで音を聴くことが一般化してしまっている日本では、その席は空位かもしれないが、もし、テレワーク中のデスクでも良い音で音楽を流したい、良いBGMでプライベート空間を満たしたい……と思っているのなら、まずはSonos Era 100をオススメしたい。きっと、すぐに追加するSonosを買いたくなるはずだ。
INTERNET Watch編集部員やライター陣が、実際に使ってオススメできると思ったテレワークグッズをリレー形式で紹介していく「テレワークグッズ・ミニレビュー」。もし今テレワークに困りごとを抱えているなら、解決するグッズが見つかるかも!? バックナンバーもぜひお楽しみください。