テレワークグッズ・ミニレビュー
第57回
AnkerのPD対応電源タップが、実はケーブルが巻き取れて出張にも便利だった!! 65WのPD給電も、90cmのケーブル長もちょうどいい
2023年1月6日 18:00
INTERNET Watchでは、ときどきAmazonのセール情報を掲載している。現在も初売りセールを行っているが、今回はその初売りセールの情報を書いていて、思わず衝動買いしてしまった電源タップについて紹介したい。
テレワークが定着した昨今、INTERNET Watchの編集部員や外部スタッフも、それぞれのテレワーク環境を改善すべく工夫を凝らしている。この連載では、そんなスタッフが実際に使ってオススメできると思ったテレワークグッズのレビューをリレー形式で紹介。今回は、買ったばかりの出張に便利そうな電源タップを紹介する。
この年末年始は行動制限もなかったことで、帰省された方も少なくなかっただろう。仕事でも同様で、行動制限がないことで、出張する機会なども徐々に増えてきた。テレワークが日常になったことで、仕事道具を一式持ち歩くのにも慣れてきたが、それでも出張となるともう1つ2つ欲しいアイテムが出てくる。その1つが電源タップだ。
ビジネスホテルであれば、デスク脇にコンセントが設けられていることは多いが、それでも多くて2口。ホテルによってはベッドサイドに1口だけ、なんていうことも少なくない。しかし今どきPCにスマホ、モバイルバッテリーやカメラのバッテリーなど電源を使いたいものはいくつもある。1口や2口のコンセントでは、とても数が足りないのだ。
そんなわけで、コロナ禍前の、まだまだ出張に普通に出ていたころに、コンパクトになる電源タップを買った。ただ、これが実際に使ってみるとちょっとイケていない部分があった。さらにノートPCがUSB PDに対応したりすると、PD給電できるものが欲しくなる。
なにか良いものがないなかぁと探していたものの、なかなかこれというものが見つけられなかったのだが、Ankerのセール記事を執筆中に、これだ! という製品を見つけてしまったのだ。
それがAnkerの「615 USB Power Strip」だ。ちなみに明日1月7日まで初売りセールで15%OFFの5942円で販売中。
この製品自体は前にも見たことがあったのだが、一見してただの変わった形の電源タップだと思っていた。しかし、製品説明をよく読むと、実はケーブルが収納できるようになっていたのだ。
しかも最大65WのPD給電にも対応していて、PCの充電もできる。コンセントの口が2つというのがちょっと心許なくも感じたが、今までPCの電源に使っていた1口がPDにできると思うと、問題ない気がしてきた。ケーブルの巻き取りがどうなっているのかなど、不明な点も多かったが、人柱になれれば本望と購入してしまった。
便利そうであとちょっとな電源タップ遍歴
ここでちょっと話を戻したい。筆者が今まで使っていた電源タップの話だ。
モデルとしてはEwinの「JX-AC-177」となる。25cmの電源ケーブルはぐるっと本体の外周に巻き付けて収納可能なので、出張のときにはかなり便利だ。その当時は専用のPC電源アダプターを使っていたので、アダプターに加えてメガネケーブルとかUSBケーブルなどがたくさんあって、カバンから出そうとすると絡まって苦労することもあった。そうした中で、このタップはケーブルが本体に完全に収納されているので、ケーブルを停めておくタイラップなども不要で、簡単にしまえるし取り出すことができた。
そしてACコンセントは表に2口、裏に1口の計3口、USB Type-Aポートが4口あり、その内1つは「Quick Charge 3.0」に対応。今のようにUSB PDやUSB Type-Cが主流じゃないころとしては十分過ぎるスペックだった。
ただ、意外な落とし穴だったのが表面にある2口のACコンセントだ。使ってみて気が付いたのだが、この2口がメッチャ近いのである。普通のメガネケーブルなどであれば問題ないが、ACアダプターや充電器などだと、高い確率で隣の口を塞いでしまう。筆者の場合、デジカメのバッテリーやストロボ用の電池の充電器などを使うので、これは致命的。3口あるものの、実質2口と変わらない状態だった。
ちなみにエレコムの「ECT-1802WH」は、Ewinと非常に似ているが、ACコンセントの口がもっと離れているので、おそらく3口ともちゃんと使えそうだ。ただ、USBがType-AとType-C各1口しかないのが心許ない。また、USB PDにも非対応だ。
また、Ewinに似た製品でUSB PDに対応したモデルもあったが、出力は20Wや30Wまでで、PCの充電としては物足りない。ほかはどれもケーブルが収納できなかったり大きなタイプで、これといったものがなかなか見つけられないでいた。そこで見つけたのが、冒頭から紹介しているAnkerの「615 USB Power Strip(GaNPrime 65W)」だったというわけだ。
使い勝手がちょうどいい!! 出張だけじゃなく普段使いにも便利そう
ということで到着した製品を見ていきたい。
第一印象としては、なんか無駄に高級感がある(笑)。アクリルのつやつやな表面にシルバーの縁取りがされていて、一般的に電源タップでイメージする高級感とはちょっと違う。
ただし、Ewinと比べると大きい。Ewinが平たい形状で、厚さが25mmと薄型だったため、バッグのサイドポケットやPCスペースのすき間などに入れることができたのだが、Ankerの615は一番薄いところでも47mmあるので、サイドポケットに入れるというのはなかなか難しそうだ。また、延長ケーブルの部分も完全に収納できるのではなく、コンセントの先が飛び出た形になる。好意的に見れば“持ち手”ができたとも言えるが、「小ささ」という意味ではやや見劣りしてしまう。
ただし、それはあくまでEwinの「JX-AC-177」と比較した話。最大65WのPD充電器と電源タップが1つになったと思うと、かなりコンパクトなサイズと言えるだろう。しかもケーブルの長さが90cmもあるのもポイントが高い。ホテルによってはデスクの足元にしかコンセントがない場合があって、Ewinの25cmのケーブルではデスクの上に届かないのだ。そうするとPCはデスクの上に置けても、スマホや充電器は床の上に転がしておくようなことになってしまう。それが90cmあれば、一般的な高さのデスクなら、デスク上に電源タップを置くことができる。
PDの給電もなかなか秀逸だ。1ポート利用時は65W出力が可能となるが、2ポート利用時でも1つは45W、もう1つが20Wとなる(USB Type-A1ポートとの組み合わせの場合もPD給電は45Wになる)。45WあればほとんどのノートPCが充電できるはずなので、PCを使いながらモバイルルーターやモバイルバッテリーの充電も可能だ。USB Type-Aも含めた3ポート同時となると、PDが30Wと20W、Type-Aが5V 2.4Aの12Wとなる。30WとなるとPCによっては充電できないケースもあるようだが、筆者の使っているThinkpad T480sの場合、3口使った30Wの状態でも充電はできていた。時間がかかりそうだが、寝るときだけ3口使うようにすれば、朝までには充電が終えていそうだ。
実はこの割り振りが秀逸で、PD2台を接続した場合に、どちらのポートが45Wになるのか最初分からなかったのだが、試してみたところ、どちらにPCを繋いだ場合(もう1つはモバイルバッテリー)でも、PC側が45Wの出力になった。モバイルバッテリーも60W充電に対応しているモデルなので、どういうロジックで判断しているのかは不明だが、PCを優先するように調整してくれているらしい。
ACコンセントは天面と底面に各1口の計2口。PCの充電がPDでできるので、残りのカメラとストロボの電池の充電で2口で足りる。3口あればもっと安心ではあるが、そうすると本体が大きくなるはずなので、よい落としどころなのだろう。注意点としては定格電力が1000Wだということ。あまり無いとは思うがドライヤーなどは出力を確認してから使いたい。
まだ買ったばかりで実際の出張などには持ち出してはいないが、触った感じとしては、ケーブルを巻き付けるときに、長い分ちゃんと巻き付ける必要があるものの、巻き付ける部分にも十分余裕があって、「うまくたたまないと入らない……」、みたいなこともなく、使い勝手は良好だ。ただし、長く使っているとシリコンの部分が汚れそうな感じはある。今回はホワイトを買ったが、ブラックのほうが汚れは目立ちにくいかもしれない。
本体がやや大きいとは言ったが、本体が丸みを帯びているので、意外と収納はなんとかなりそうだ。イメージとしては缶コーヒーのショート缶といったところ。だから出張のバッグに荷物を入れた後に、すき間にねじ込むことも十分できると思う。
ホテルはもちろんだが、新幹線のコンセントもけっこうな不便なところにあったりするので、役立ってくれそうだ。90cmというケーブル長も、長すぎず短すぎずデスクまわりで使うにはちょうどいいサイズ。出張のときだけでなく、普段からデスクまわりで使うのにも勝手がよさそうだ。充電する機器が多く、PD充電できるPCを使っている人にとっては、けっこう便利に使えるだろう。個人的には、新年早々になかなかよい買い物ができたと思う。