テレワークグッズ・ミニレビュー

2022年総集編

今年のベストバイは「NAS」か「トラックボール」か? 外出が増えた2022年、オススメのテレワークグッズを振り返る

 2022年ももうすぐ終わり。ということで今回は2022年テレワークグッズ・ミニレビュー総集編をお届けしたい。

 急きょ余儀なくされたテレワークで、編集部員が「困った」を解決するために選んだグッズを、記事で紹介してしまおうとスタートしたこの企画。当初はヘッドセットやWebカメラ、マルチディスプレイ化などが主流だったが、2022年は、編集部のオフィスもフリーアドレス化され、リアルな取材や出張の機会なども少しずつ増えてきて、自宅だけでなく、時にオフィスで、時に外出先で仕事をすることが増えてきた。

 ということで、2022年に紹介した数多くのグッズの中から、特に自宅でも外出先でも仕事をするハイブリッドワークに役立つアイテムを中心に紹介したい。

フリーアドレスを快適にするグッズ

 まず最初は、フリーアドレスで使いたいグッズを3つ紹介する。1つ目は、フリーアドレスで持って歩きたい筆記具や電源、ケーブル類をひとまとめにしておけるバッグインバッグ「ハコビズ」。通常のバッグに入るコンパクトさと、机上では立てて置いておけるようになっているので、引き出しのないフリーアドレスにぴったり。

 2つめは、外部ディスプレイなどがないフリーアドレスのデスクで使いたいモバイルモニター(モバイルディスプレイ)。iiyamaの15.6インチモバイルモニター「ProLite X1670HC」は、USB Type-Cケーブル1本で映像出力と給電にも対応。バッテリーやスピーカーは搭載していないが、その分軽量だし、長期の保証も付いていて、持って歩くディスプレイとしてはオススメ。15.6インチというサイズも持ち運ぶのにもちょうどいいサイズだった。

 3つめはトラックボールでロジクールの「MX ERGO」。なぜトラックボールなのかは記事を読んでもらうとして、フリーアドレスでじっくり腰を据えて仕事をするのには、トラックパッドやトラックポイントではちょっと大変。かといって持ち運びやすさを優先して選ぶと使い勝手に不安が……、ということで自宅のPCと持ち運びPCの2台を切り替えて使えるトラックボールを選択。そうしたらこれが予想以上に多機能で、2台PC持ちにはけっこう神グッズだった。

仕事を外でしたい!!

 続いてはオフィス以外の外で仕事をする機会が増えたというお話。

 メディアという仕事がら、もともと取材することは多かったものの、コロナ禍ですっかりオンライン発表会が定着。しかし2022年はリアル開催の発表会も増えたことで、出張や出先での原稿執筆、なんていう機会も増えてきた。そして外に出てみると、リモートワークが普及したのに合わせて、外での仕事もいろいろと便利になっている模様。

 ということで紹介したいのが新幹線の中、そして公園での仕事環境レポート。

 JR東日本が2021年11月からはじめているのが、平日限定の「新幹線オフィス車両」というサービスで、東北・北海道・上越・北陸の特定の新幹線の8号車を「ワーク&スタディ優先車両」として、PCなどを使った仕事や勉強、電話、Web会議をしてもよいことにする、というものだ。その体験レポがこちら。

 そしてもう1つはインターンの大学生がレポートした「神代植物公園」でのテレワーク体験。公園の各所に電源やWi-Fiが完備され、公園の花を見ながら仕事ができるという。今の時期は寒いと思うが、春になるころには、ちょっと家を抜け出して、気分を変えながら仕事をすることができそうだ。

 外出先で仕事をするとなると、それなりのグッズもそろえたい。1つはなんといってものぞき見防止だろう。画面にフィルターをつけることで、正面から以外は画面を見えにくくできる。ただし画面が暗くなってしまうので、普段は取り外せるモノがオススメ。

 最近では、駅などにテレワークブースが設けられているところも増えている。いつでもどこからでも参加できるのがWeb会議の魅力だが、言い換えれば、どこにいても参加できてしまうのがWeb会議でもある。ということで移動中の合間などの場合は、こういったテレワークブースやカラオケボックスなどでWeb会議に出ることもあると思うが、そのときに問題になるのが周囲の音。ということで、コンパクトで持ち歩きやすいサイズながら、ノイズリダクション機能を持ったケンウッド「KH-M500」を試してみたのがこちら。

 外出するとなれば、PCなどを一式持ち歩くためのバッグも重要だ。そこで編集部員がイチオシというのが「ハロルル」というPCバッグブランド。女性でも持てるカジュアルな雰囲気でありながら、「軽くて頑丈」「体に負担がかかりにくい」「十分なクッション性」と、見た目だけのバッグとは違う。今回購入した「Kell」は2、3日程度の出張でも使えるタイプとのこと。

 ほかにも外出時には、PCの電源なども重要。ということで、それぞれのスタッフがそれぞれのこだわりを語ってくれた。

自宅とオフィスと外出先、どこでもデータにアクセスしたい

 オフィスや外出先でも仕事をする機会が増えると、ときどきネックになるのが、データの保存場所問題。出社して仕事をしていたら、「あのデータ、自宅のPCの中だった」などと仕事が止まってしまうことも。今どきクラウドサービスもいろいろとあるが、データ量の大きい動画や、大量の画像というと、容量に制限のあるクラウドにも向かない。

 ということで編集部員が試したのが、外出先からも簡単にリモートアクセスできる今どきのNASの導入だ。アイ・オー・データ機器の「LAN DISK」はリモートでも簡単にアクセスできるので、オフィスや外出先でデータが必要になった場合にも対応可能。ただし、ローカルのHDDほどの速度は出ないのが、自宅で使っていると気になる。また、停電によるトラブルが怖いので電源のバックアップがほしい。こうした点を、いろいろと試行錯誤してみている。

 NASを使わないもう1つの方法が、やはりクラウドだ。しかしクラウドというと毎月の維持費の問題が悩みだが、なんと生涯買い切りのクラウドサービスがあるという。それが「pCloud」。記事執筆時点では500GBと2TBしか選べなかったが、現在は10TBプランが登場。1190ドルということで日本円にすると記事執筆時点(1ドル=132円)で15万7000円程度と安くはないが、10TBのNAS用HDDを4台買うよりは安いと思うと、生涯買い切りならお得かもしれない。

現役大学生のデジタル事情

 最後に紹介したいのが、いつもは編集部スタッフが社会人視点でテレワークグッズを紹介しているこの連載で、今年初めてみたのが、特別編としての「現役大学生のデジタル事情」。編集部で働いてもらっているインターンの大学生に、コロナ禍ならではの学生事情を書いてもらった。

 学年も違えば学部も違って、それぞれ視点はさまざまだったが、社会人とは違った視点はなかなか興味深いものがあるので、ぜひご一読いただければ幸いだ。


 なお、INTERNET Watchの「テレワークグッズ・ミニレビュー」では他にもたくさんのテレワークグッズを紹介しているので、ぜひバックナンバーも参照していただきたい。