テレワークグッズ・ミニレビュー
第54回
そのPC、のぞき見されてない? 3つの装着方法を選べるエレコム「のぞき見防止フィルター」でカフェでの仕事も安心
2022年12月2日 12:00
新型コロナウイルスの猛威はまたぶり返しそうな状況ではあるものの、外出自粛という雰囲気はかなり緩和され、カフェといった、他の人が多くいる場所でPC作業をする機会も増えてきた。職業柄、以前から外で仕事をする機会も多かったが、コロナ禍以降のテレワーク普及の影響もあるのだろうか、以前にも増して、電源が確保できるカフェやファミリーレストランなども増えている気がする。
きっと中にはテレワーク環境になったことで、以前より外で仕事をする機会が増えたとか、外で仕事ができるようになった、なんていう人もいるのかもしれない。ただ、外で仕事をすると気になるのが、周囲の視線だ。そこで今回は、ノートPC画面ののぞき見対策のフィルターを新調してみたので紹介したい。
PCを買い替えてからフィルターなしだった
筆者は以前から、ノートPCには左右からは画面が見えにくくなるのぞき見防止フィルターを使っていた。
ところが、コロナ禍の途中でノートPCを買い替えており、その際に画面サイズが変わってしまった。小さくなるならカットして使うという荒業もできなくもないが、大きくなっているので無理。ちょうど外出もあまりない時期でもあったので、フィルターなしで使い始め、そのまま慣れてしまったのだ。
慣れというのは恐ろしいもので、フィルターを使っていた時期は画面が周囲から見られやすい状況になると気になって仕方がなかったが、最近は外で仕事をする機会も少なかったこともあって、それもあまり気にならなくなっていた。もちろん周囲に見られては困るような情報を表示しているときは、のぞかれにくい席を確保したり、画面輝度を下げたりといった気遣いはしていたが、外で仕事をする機会も増えてくると、やっぱりフィルターが必要かとも思っていたのだ。
どれを買う? のぞき見防止フィルター
のぞき見対策のフィルターは、商品名としては「のぞき見防止」「プライバシーフィルター」といった名前が付いており、数社から出ている。
基本的な機能としては、画面の真正面にだけ光を通し、角度がついてくると光を遮るフィルターとなっていて、正面以外の左右からののぞき見をシャットアウトする仕組みとなる。
この基本的な機能に加えて、紫外線カットやブルーライトカットなどの機能をもたせたものや、取り付け方法として、粘着シールで貼ったり、シールでフレームを作り、スライドさせて装着したり、さらには吸着シールで貼るもの、磁力でくっつけるものなどがある。
選ぶ際に何より大事なのは画面サイズで、これが違ってしまっては装着できない。一時期、ノートPCは16:9の比率の画面ばかりだったが、現在は3:2や16:10など縦と横の比率はかなり細分化されている。確実なのは、フィルターのサイズと画面サイズが何mmなのか数値で確認することだ。
画面の四隅をシールで貼り付けるタイプなどはフィルターサイズと画面サイズがぴったりでないとならないが、吸着シールや磁力などでとめるタイプでは、画面まわりの形状などにも注意したい。
あとはフィルターの方向だ。ノートPC用は左右からの視線をシャットアウトできるようになっているので、間違うことはないが、タブレット用では画面を縦にすることが多いため、一部に縦型対応のフィルターもある。画面を遮る必要のある方向を間違わないようにしたい。
選んだのはエレコムの最新版
のぞき見防止フィルターに進化する点はあまり多くないと思うが、どうせなら新しいほうがいいだろうということで、2021年末発売のエレコムの「EF-PFK133W2」を選んでみた。13.3型の16:9比率のものだ。ほとんど気にしなかったがブルーライトカット、抗菌、タッチパネル対応などの機能があるものとなる。
ほかに選んだ理由としては、フィルターの厚みや硬さも少し重視した。厚みがあるほうが平面性がよく、画面に密着するからだ。浮いてしまうと画面がぼやけてしまい見にくくなる。硬さも重要で、平面性の問題もあるが、あまり傷がつかないという点でも有利だ。
あとは固定の方法だ。この製品の場合、フィルター自体はただの板状のもので粘着力はないので、別途付属の3種類のシールを使ってPCに取り付けることになる。その貼り付けシールが3種類用意されていて、画面に直接貼り付けてしっかりと固定する「両面シール」と、フィルターの四隅とフレーム部分を貼り付ける取り外しが可能な「丸シール」、そしてやはりフレームに貼るのだが、フィルターは引っかけるだけの「スライド用シール」がある。
スライド用シールや丸シールで普段は外しておけるのも便利だが、フィルターが浮いてきて見にくくなるようであれば、画面に直接貼り付ける方法も考えたいと思った。
通販購入なので今回は実際に見ての購入ではないが、パッケージから視線の遮り具合が確認できるようになっているため、店頭で購入する場合は効果を確認してから確認することもできそうだ。
スライド式にて装着。のぞき見は防げるけど正面の輝度も下がる
取り付けといっても難しいものではない。まずは脱着が容易なスライド用シールを貼ってみたが、スライドのシールをフレーム6カ所貼り付け、上からフィルターをスライドさせて装着するだけとなる。
気になるところがあるとすれば、硬さが足りず、画面の四隅が若干浮きやすそうなこと。今は大丈夫だが、浮いてしまうと画面がぼやけてしまう。今後、支障があるなら画面に直接貼り付けるテープの利用に切り替えたいため、付属のテープは保存しておこうと思う。自分のPCはベゼルと液晶の間の段差が大きいが、ベゼルと液晶がフラットなタイプのノートPCなら四隅のテープどめでかなりいい具合に収まるのではないだろうか。
早速斜めからの状態を確認してみるが、スペック表の通り左右に30度の合計60度は見えるが、そこを超えると見えなくなってくる。電車の座席など隣の人が密着するような状況だとそれなりには見えてしまうが、カフェの隣の席ならばまず見えない。また、後ろを通りすぎる人が見たとしても、視野角が限定されるために見える時間が短く、あまり内容を認識できないと思われる。
ただし問題もあって、透過率約75%とあるように、正面から見た場合でも画面が暗くなってしまう。画面輝度を上げることもできるが、電源の確保できない場所だと、バッテリーの持ちが少し気になる。
省電力PCほど液晶画面のバックライトの消費はシビアで、フィルターを通しても明るく見たいというのなら、バッテリーの減りが進むと思って間違いないだろう。
慣れれば安心感しかない
画面の見え方と暗さは仕方がない部分はあるものの、外で使った場合にのぞき見がされにくいというのは大きな安心感につながる。最近はすっかりフィルターなしに慣れてしまっていたが、この安心感を体験すると、他人がいるところでPCを使う場合に「フィルターなしはあり得ない」という以前の感覚が戻ってきた。
最近では公園でもWi-Fi環境が整備されたり(関連記事『Wi-Fi&電源完備の「神代植物公園」で、バラに囲まれて優雅にテレワークしてみた』参照)、新幹線オフィス車両ができる(関連記事『「新幹線オフィス車両」で仕事をしたら快適すぎた!』参照)など、今まで以上に環境が整ってきて、ますます外で仕事をする機会も増えそうだ。フィルターを付けたからといって全く見えないわけではないので過信はできないが、この安心感は代えがたく、これでまた、外での作業もはかどるはずだ。