テレワークグッズ・ミニレビュー
第90回
指紋認証が快適すぎ!! SwitchBot「ロックPro」導入でWeb会議中のインターホン問題が解消
2024年1月12日 12:17
スマホなどからドアの鍵を操作できるスマートロック、これまでいらないと思っていたのだが、ついに我が家にも導入することにした。
というのも、娘が幼稚園に入ってからというもの、妻と娘が園の友達と外出する機会が増えたのだが、筆者がテレワークで家にいるので、妻は鍵も掛けず鍵を持たずに出かけてしまうのだ。一方、同居している義父はまめに鍵を掛けるタイプ。その結果、妻と娘が帰ってくると施錠されているということがしばしば発生する。すると4歳の娘はここぞとばかりにインターホンを鳴らしまくる。それはそれは楽しそうにピンポンピンポン鳴らしまくるのだ。
いつもなら笑って済ませる話だが、これがオンライン取材中となると、とたんに惨事となる。2階の義父はよほどのことが無ければ下りてこないし、ピンポンは無限に鳴り続けるし、取材で先方がしゃべっているのを遮るわけにもいかないし……。
昨年末にちょうどそんな事態が重なって、いよいよ離席しないでも鍵を開けられるスマートロックが気になりだしたわけだ。そこで目をつけたのがSwitchBotのスマートロック「ロック」だった。
いくつもあるスマートロックの中からSwitchBotに目をつけた理由は、「指紋認証パッド」があること。今までポケットからスマホを出して操作するぐらいなら鍵を出す手間とそれほど変わらないと思っていたが、指紋認証ならわざわざ鍵やスマホを出す必要もないし、週末のサイクリングの荷物も1つ減らせる! 俄然スマートロックの価値が変わってくる。さらにこれまでもSwitchBotの製品を使っていて、既にアプリも入っているし、手持ちの「ハブミニ」などを組み合わせれば、追加投資なしで外出先からでも操作が可能だ。
そんなわけでAmazonセールを狙って物色していたところ、従来のロックではなく、「ロックPro」なる製品を見つけてしまった。新製品も新製品、まだ予約中で発売は2024年の模様。こんなの見たら新しいほうが欲しくなるではないか!
ここは職権乱用、もとい読者にいち早く情報を届けるべく、メーカーに連絡して一足先にロックProを用意していただいた。ということで今回は購入ではなく提供品でのレビューになることは最初に伝えておきたい。
ロックとロックPro、なにが違う?
送ってもらったのはロックProと指紋認証パッド、それと専用の「カードキー」だ。
SwitcnBotでは他に指紋認証のない「キーパッド」も用意されているし、ロックProを2台用意することで2ロックにも対応できる。さらにハブミニなどと組み合わせればネットにもつながって、遠隔地からでもクラウド経由で操作ができるようになる。なお、ハブミニの代わりに筆者が仕事部屋で使っている「シーリングライトプロ」もハブミニ代わりになる(筆者の仕事部屋は玄関に面しているので電波が届く)。
まずは新しくなったロックProを見ていこう。従来のモデルからの変更点として、見た目でも分かりやすいのがサムターン部分の形状。従来の一文字型のつまみから円形のダイヤル風デザインになり、さらに中央の部分がボタン(クイックキー)になって、ボタンを押すことで施錠・解錠ができるようになった。
見た目では分からない部分では、内部のモーターもパワーアップ。鍵を回す力が倍になり、解錠にかかる時間も0.65秒と、従来の半分に短縮された。
取り付け方法については、ドアのサムターン部分に取り付けるアタッチメントが無段階可変構造になったことで、SwitchBotいわく99%のドアに対応できるとのこと(従来は3サイズのアダプターから選択するか、別売の専用アダプター、3Dプリンター部品などで適応)。また、本体をドアに貼り付ける両面テープの粘着力が2倍になったという。
バッテリーは、従来はCR123A電池2本で寿命が6カ月だったところ、単三電池4本で9カ月持つようになった。これは入手性でもコストでもメリットがあるだろう。さらに微電流解錠機能も新たに搭載。もしバッテリー切れ状態になっても、30秒間だけ微電流を集めて動作し、解錠できるという。
また、今後発売予定の専用のバッテリーを使えば、12カ月持つとのこと。しかも専用バッテリーは2個分割になっていて、1つのバッテリーが空になったらもう1つのバッテリーを消費するという仕組み。その間は空になったバッテリーを外して充電していても使い続けることができるので、交互に充電することで、実質途切れることなくロック機能を使い続けることができるわけだ。
組み合わせる指紋認証パッドは、見たとおり10ケタの数字のボタンと決定ボタン、施錠のボタン、指紋認証部分があり、数字などの部分はバックライトになっていて軽くタップすると点灯するほか、施錠・解錠できた場合、あるいはエラーになった場合に知らせる表示がある。またIP65の防塵防水レベルなので、雨に濡れるような環境にも設置可能だ。
指紋は全部で100種類登録できる。そのうち90種類は、常に有効か、あるいは期間限定として登録でき、10種類は緊急指紋として登録できる。
緊急指紋とは、その指で解錠した場合、事前に登録したメールアドレスに連絡が行くというもの(ハブミニなどとの連携が必要)。たとえば、家族のメールアドレスを登録した上で、自分の利き手と反対の薬指など、ふだんは指紋認証に使わない指を緊急指紋に登録しておくことで、指帰宅時に不審者がついてきているようなシチュエーションで、緊急指紋によって声を出さずに非常事態を伝えることができる。
パスコードは6~12ケタの数字で、こちらも100パターン登録できる。そのうち10件は緊急パスコード(緊急指紋と同様)で、残りの90件は、常に有効なもの、1回だけ有効なもの、期間内有効なものとして登録できる。例えば友人を招いたときなど、1度だけ、あるいはその日だけ有効なパスワードなどを設定可能だ。
NFCカードを使った解錠にも対応する。NFCカードは専用のカードキーが1枚付属するほか別売でも提供。加えて、他社製のNFCカードやNFCタグも利用可能(MIFARE Classic 1K規格で暗号化されていないもの)。最大100枚登録できる。
また、(これはロック Pro側の機能になるが)スマホアプリやAppleWatchでの解錠施錠もでき、ハブミニ等との組み合わせれば、Amazon Alexaなどから音声操作することもできる。ただし、音声操作で解錠する場合は、4ケタの確認コード(キーパッドの暗証番号とは別)が必要。「アレクサ、ドアを解錠して」と言うと確認コードを聞かれて、そこで4ケタの数字を答えると解錠されるという仕組み。ちょっと面倒ではあるが、これがないと窓の外から大声で叫ばれたら解錠されてしまいかねないので仕方がない。
指紋認証パッドの電源はCR123A/リチウム電池2本で製品に付属。3人家族で1日1人あたり3回ロック解除する場合で2年間使用できるといい、バッテリー残量が減ったときにはドア解錠時に警告ブザーが鳴るほか、アプリからも通知が届く。
セキュリティ面では、間違ったパスワードや指紋が5回使用されると音とライトで警告を発し、アプリにも通知が届く(ハブ連携が必要)。また、キーパッドを取り外した場合にも同様に警告が鳴り、アプリに通知が届く。また、面白い機能として仮想パスワードというものもある。これは本当のパスワードの前後に適当な数字を入れても解錠できるというもの。パスワードを知られたくない人が近くにいる場合に使うことで、のぞき見によるパスワード流出を防ぐことができる。
失敗して分かったスマートな取り付け方法
ということでここからは取り付け方を紹介したい。難しい作業ではないが、ちょこちょこミスもしたので、それを踏まえたやり方だ。まだ持っていない人には関係ないので次のインプレッションの話まで読み飛ばしてもらってOKだ。
最初にやるのはSwitchBotアプリのインストール。従来のSwitchBotアプリと同じなので、すでにSwitchBot製品を使っている人は、もうインストール済みだと思う。
続いて指紋認証パッドに電池を入れ、アプリに登録しておく。
ただ、この電池を入れるのが結構大変で、防水仕様のためなかなかフタが開かない。こじ開けるためのツールが用意されているのだが、それでもなかなか開かずに苦労した。
付属の電池を入れてしっかりとフタを閉じたら、アプリに指紋認証パッドを登録する。登録はアプリ画面右上の「+」アイコンをタップして指紋認証パッドのアイコンを選び、アプリの指示に従えばOK。取り付け方まで説明が出るが、この時点ではまだ取り付けなくてもいい。
次にロックProの取り付け。こちらは絶縁シートを抜くことで通電するが、絶縁シートを外すのは最後にアプリで登録するタイミングにしよう。筆者は製品撮影用に先に取ってしまったため、あとで苦労した。
スマートロックの取り付けには一部ネジを使うが、ドライバーは付属する。予備のネジも付属するが、このドライバーが磁気化されていて、ネジを落としにくなっている。
まずは本体からアタッチメント部分を取り外す。これは引っ張るだけで外れる。外したアタッチメントをドアのサムターンに取り付ける。アタッチメントのサムターンホルダーの開き具合は、2箇所あるネジで無段階に調整できるが、注意点として一方のネジが逆ネジになっている。緩めようと思っても動かない場合は逆に回してみよう。
次に本体の高さ調整プレートの位置を決める。固定ネジを外して高さ調整プレートが動かせる状態でアタッチメントに取り付け。ドアと本体が平行になる位置を出したら、その位置で高さ調整プレートを固定する。
さらに仮で置いて、サムターンがスムーズに回る位置、本体が真っ直ぐなる位置を見つけて、マスキングテープなどで位置決めをしておくのがオススメ。うっかり斜めに貼り付けたりすると剥がすのも大変なのでやったほうがいい。かくいう筆者は失敗した。
あとは付属のクリーニングティッシュで接着面をキレイにしたあと、付属の接着促進剤を塗り、1分ほど置いたら両面テープで固定する。貼り付けたら2分ほど押さえつけたままにしておき、その後、付属の固定補強テープで押さえつける。この補強テープは48時間たったら外してよいとのこと。
続いてドアの開閉感知用磁石をドアの反対側の指定の位置に貼り付ける。こちらも1分ぐらい押さえつけておく。
ここまでできたらロックProの絶縁シートを外す。すると青いランプがゆっくり点滅するので、アプリでデバイス登録を行う。登録方法は先ほどと同じくアプリ画面右上の「+」マークをタップして「ロック Pro」を選択する。
あとはアプリの指示に従って設定を行えばOK。SwitchBotハブシリーズを持っている場合は、それとの連携や、本体の解錠・施錠位置の記録などを行い、さらに指紋認証パッドの登録を行う。
最後に指紋認証パッドを取り付ける。取り付け方法は再びアプリに表示されるが、特別難しいことはないだろう。
まずベースプレートとなる取り付け金具をつけ、そこに本体を引っかける形。取り付け金具はネジ止めが推奨されるが、両面テープ(付属)での固定も可能だ。防犯上詳しくは書かないが、取り付け金具と本体は一度固定するとロックされる仕組みになっていて、いたずらでカンタンにはずされるようなことはないハズ。また、先に書いたとおり、取り外されると警告音が鳴る仕組みになっている。
あとはアプリで暗証番号や指紋、NFCカードなどを登録すれば利用可能だ。
指紋認証がとにかく便利!!
まだあまり長時間使ったわけではないが、今まで使ってみた印象としてはとにかく快適だ。とくに指紋認証で鍵を取り出すことなく開くというのが便利すぎる。
まずは筆者と妻と義父の3人の指紋を登録。使ってみると、うまく認証できないことも時々あるが、指を押しつける力加減とか、待っている時間とか、ちょっとした部分にコツがある印象だ。筆者の場合、最初こそ何度か失敗したものの、今は9割ぐらいは1発で開く。これが義父だとけっこうエラーになる。義父はスマホさえ持たないタイプの人なので、指紋認証自体の経験が少なく、横で見ていても「もう少しゆっくり丁寧にやって」と言いたくなる感じはある。
まぁこれは最初からある程度予想していたことでもあって、義父にはNFCカードを持ってもらうことにした。NFCカードなら財布にも入れておけるので、忘れることもないだろう。もちろんこれまでどおりの鍵でも開くので、開けられないという心配はない。
妻は最初こそエラーが多かったが、コツをつかんでからはスムーズに認証できている。追加のカードキーや、市販のNFCタブなども用意しておいたが、実際に使ってみたら指紋で十分、指紋が最高だった。どうしてもダメなら暗証番号もあるし、NFCカードを持ち歩いて紛失するより、よほど安全な気がしている。
他社製品ではスマホが近づくだけで解錠されるタイプもあるが、これだとスマホを盗難された時に怖いし、うまく反応しないこともあると聞く。両手が荷物で塞がっていても、指1本タッチするぐらいはできる(それができないとドアノブも持てない)ので指紋認証がいろいろな意味でちょうどよさそうだ。
従来品のロックは使ったことがないが、YouTubeなどで動画を見ると、ロックProのほうが施錠、解錠がかなり速くなっていることがわかる。これに慣れたらもうスタンダードモデルには戻れないと思う。
ただ、指紋を認証してから解錠動作に移るまでにもコンマ数秒のラグがあるため、トータルでは2秒近い待ち時間がある。物理鍵では発生しなかった待ち時間なので、使い始めは慣れが必要だった。
通知機能で留守中の防犯にも役立つ
室内側からの解錠、施錠はクイックキーのワンプッシュでできる。べつにサムターンを回すのがそんなに大変だとは思っていなかったが、これが使い始めると完全にクイックキーしか使わなくなった。
このクイックキー操作は、アプリの設定で無効にしたり、施錠のみできるよにしたり、ダブルクリックで作動するようにもできる。プロの窃盗犯によるサムターン回しのような手口だと、押すだけで解錠できるクイックキーが弱点になりそうではあるが、全員が留守にするような時は、アプリでクイックキーを無効にするとか、施錠のみできるようにしておけば安心だ。ハブと組み合わせているので、出かけてからでも設定は変更できる。
逆にサムターン部分は丸い形状なので、本来のサムターン回しはやりにくいはず。さらに解錠された場合に通知させる機能もあるので、旅行などの時はクイックキーOFF &解錠通知にしておくのが良さそうだ。これに警報音を鳴らせる機能があったらもっと良かったと思うが、防犯という意味では、ネットワークカメラを組み合わせれば、映像を確認して警察に通報ということもできるだろう。
機能的には、アプリでの操作やアレクサでの音声操作もできるようにしているが、テスト以外で使った機会は今のところない。また、別売のリモートボタンを組み合わせれば、ボタン1つで操作ができるので、オンライン取材中でも相手に気づかれることなく操作できるかと思ったが、鍵を持たないで出かけた妻も指紋で開けられるようになったので、以前のようにインターホンが鳴らされること自体がなくなった。
他に使っている機能としては、自動施錠だ。ロックされるまでの時間を自由に設定できるのが便利で、新聞を取りに行ったり、畑に水をやりにいっただけでロックされてしまうのは不便なので、まずは15分で設定してみた。自動でロックされるのは煩わしいと感じるなら、自動施錠は使わず、解錠状態が一定時間続いたら通知するという設定を選ぶこともできる。
家族構成などや周辺環境などで鍵に求めるものは人さまざまだろうが、設定しだいでいろいろな使い方に対応できるのが魅力だ。
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