テレワークグッズ・ミニレビュー

第44回

在宅ワークでもけっこう便利!? お手頃価格の最新スマートロックでWeb会議中でも施錠・解錠

手頃な価格で手に入るスマートロック「SESAME 4」を使ってみた

 スマートロックというと、スマートフォンで鍵の代用をしたり、外出の際に鍵をかけたかどうかが確認できるなど外出時のソリューションと考えられがちだが、在宅ワーク中でも便利に使える。うっかり鍵をかけ忘れることがある人や、子どもなどの鍵を持たない家族がいる家庭では、スマートロックがあるとけっこう便利だ。

テレワークが定着した昨今、INTERNET Watchの編集部員や著者陣も、それぞれのテレワーク環境を改善すべく工夫を凝らしている。この連載では、そんなスタッフが実際に使ってオススメできると思ったテレワークグッズのレビューをリレー形式で紹介。今回は、ライターの正田拓也氏が、家にいる間でも結構便利だというスマートロックについて紹介する。

在宅ワークだって、スマートロックは便利だ

 たとえば、こんなシチュエーションだ。オンラインミーティングが始まってしまったあとで玄関の鍵をかけたかどうか心配になった場合。

 少しなら離席も許されるようなミーティングであれば、ちょっと玄関まで確認しにくこともできるが、自分の発表があったり、大事な顧客とのミーティングではそうもいかない。心配になってミーティングに集中できないよりも、手元のスマホアプリでさっと確認してしまい、もしも開けっ放しだったならスマホから施錠してしまえばいい。防犯上に有効なのはもちろん、ミーティングに集中できれば、仕事にも良い結果を出すことができそうだ。

SESAMEはアプリで解錠時は緑、施錠時は赤で表示されるため状態がすぐわかる。アイコンをタッチすれば解錠、施錠を行なえる

 逆に解錠できるのが便利だと感じることもある。家族がいる場合、鍵を持っていない家族が帰宅してピンポンを押された場合にすぐに解錠できる。子どもだと何度も繰り返し押されることもあるので、声などで家族が帰ってきたと分かれば、すぐに解錠できるので安心だ。

人気のスマートロックの最新型を買ってみた

 そこで、今回導入したのがSESAMEシリーズの第4弾モデル「SESAME 4」だ。従来モデルと同様に、スマホから解錠・施錠ができ、別売りの「Wi-Fiモジュール」を併用すれば外出先からでも操作ができるのだが、SESAME 4は購入方法によってはかなり安価に入手できる。

SESAME 4

 筆者は以前からスマートロックを使っていて、今回はその買い替えとなる。前のものは当初にネット動作が不調なことがあるなどしたが、ソフトウェアのバージョンアップを重ね、最近では概ね安定していて故障もない。しかし、最新の製品を試してみたいという理由から今回買い換えることにした。

 導入したSESAME 4はSESAME 3のマイナーチェンジ版とも言えるもので、基本的な機能は変わらずメカ部分の耐久性や動作音などがより良くなっているほか、価格が安くなっている。

 アプリはSESAME 3のときに新しいものになっており、SESAME 4でも引き続き同じアプリを使う。また、SESAME 3の1つ前のバージョンであるSESAME miniから取付部分の寸法や形状が変わっておらず、鍵のサムターン部の形状によっては必要となるアダプターについても、SESAME miniのころから共通となっている。

 なお、SESAME 4を購入するなら、直販サイトが最も安いようだ。SESAME 4本体が5478円。Wi-Fiモジュールも一緒に購入する必要があり、こちらは3278円。さらに送料が980円かかるが、合計ではほかの通販サイトよりも安かったため、直販サイトから購入した。

鍵の形状しだいでは被せるように取り付けるだけ

 導入したSESAMEのセットアップは、玄関の鍵のサムターンに被せるように取り付け、回転角などを調整すれば完成だ。書いてしまえば取り付けの手間はたった1行の話だが、もし、鍵の形状が合わないとなると一気に厄介になる。

両面テープが付いており、被せるように取り付けるというのが基本

 また、合っていたとしても取り付けには鍵の回転中心を合わせるなど手間がかかる。多少ずれていても動く仕組みにはなっているものの、なるべく合わせたほうが動きがスムーズになり、メカ部分にも負担がかからない。

高さが合わないときの嵩上げ金具が付いていて、ネジで止める。この金具をドアにネジで強固に取り付ければ、両面テープを全く使わない取り付けも可能だ。直射日光で温まってしまうドアのような場合には、両面テープを使わない取り付けのほうが良いこともある

 鍵の回転角度の自由度が高いのはSESAMEの特徴。通常は90度ぐらいまでということが多いが、SESAME 4では350度まで対応してしまう。

調整は、SESAME 4を取り付け、回して施錠の場所と解錠の場所を記録する
鍵の名前を設定できる

実際に使うとWi-Fiモジュールは必須

 SESAMEに限らず、スマートロックは一般的にBluetoothの通信モジュールのみを内蔵し、インターネットとの接続はアダプター(SESAMEの場合は「Wi-Fiモジュール」)がBluetoothとWi-Fiとの橋渡しをして動作する。スマホとの間の通信はというと、スマホとスマートロックが近いならBluetoohで行ない、Bluetoothの電波が捉えられなくなるとWi-Fi経由に自動的に切り替わる感じだ。

別売のWi-Fiモジュールは絶対に必要。使う場合には適当なUSB電源が必要。使っていないスマホの充電器などで大丈夫だ

 そこで、もっぱらテレワーク中で利用となった場合、自分の仕事部屋からSESAMEを設置した玄関扉までの距離が極めて近いのなら「Wi-Fiモジュール」は必要ないかもしれないが、Bluetoothの通信が少しでも怪しいと思うならWi-Fiモジュールはあったほうがよい。

 というのも、スマートロックとのBluetooth通信が怪しくなると、操作が安定しなくなるためだ。BluetoothとWi-Fiの切り替えは電波状況によって自動で切り替わるとはいえ、必ずしも意図通りには動いてくれず、結果的に不安定になって操作のロスタイムも大きくなる。ならば、事前にBluetoothをオフにしておけば必ずWi-Fi経由での操作とすることができ、スマホの場所に関係なく安定して操作ができるようになる

 筆者の場合は、別のスマートロックからの買い替えなので、SESAME 4へ買い替えて仕事や生活のスタイルが大きく変わるわけではないが、スマートロックを導入すると、玄関の鍵をかけたかどうかの確認が手元ででき、宅内作業でも外出作業でも安心ということが変わらず実現している。

 また、SESAME 4では、「オーナー鍵」「マネージャー鍵」「ゲスト鍵」と3種類の権限を設定して複数のユーザーで鍵を共有でき、家族で利用することも簡単だ。そして、何よりも低価格な点もうれしい。例えば玄関の上下二重ロックも、SESAME 4なら2台導入してもあまりコストがかからない。なお、Wi-Fiモジュールは1台で複数のSESAME 4を操作できる。

 Wi-FiモジュールからはBluetoothの電波の飛びもいいようなので、玄関と勝手口のようにある程度離れた場所でも、距離しだいではSESAME 4をまとめてコントロールできそうだ。

SESAMEは複数人で利用が簡単。できること別にシェアユーザーのクラスを設定して共有のためのQRコードを表示、別の人が読み込むだけで利用可能。Wi-Fiモジュールは共有する必要がないため、共有相手にWi-Fiモジュールの設定情報が知られることもない

 テレワークで家にいても、Web会議中など、すぐにドアの前に行けない場面はあるものだ。価格もかなり手頃になってきたので、もし、筆者のような人がいたのなら、スマートロックを検討してみてはいかがだろうか。