テレワークグッズ・ミニレビュー

第69回

長年使ってたどり着いた出張の必需品。2つのコンパクト電源タップセット

長年、出張時には必ず持って行く2つの電源タップセット

【記事訂正 2023年4月18日】
記事初出時、ヨーロッパやオーストラリアでも使用できるかのような記載がされておりましたが、本稿で紹介している製品の定格電圧は125Vであり、120Vのアメリカなどでは使用できるものの、220Vを超えるヨーロッパ、オーストラリア等では使用できない製品でした。

当該箇所を削除、修正しました。読者の皆様、関係者の皆様にご迷惑をおかけし、大変申し訳ございませんでした。


 普段使うものとは違って、出張の時にこれがあると便利! というグッズがきっと1つや2つあるだろう。コロナ禍で海外出張などは減ったものの、そうなるずっと前から筆者にとって欠かせないもの。それが2つの電源タップだ。ひんぱんに使うわけではないので傷みなどは見られないが、もう何年前から使っていたか思い出せない。

 筆者が海外出張に行き始めたのは1995年頃。ノートPCを持って行くようになったのは1997年頃だ。

 それまでは、昼間は目いっぱい取材して、夜は現地で取材先の方々と飲みに行ったりして、ぐっすり眠るのが出張の常だった。海外取材は出発までは忙しいけど、出掛けてしまえば夜はぐっすり眠れたものだ。ごくまれに手書き原稿をFAXで送るようなこともあったが、それはよほどの緊急時。それ以外は今からすればのんびりしたものだった。

 それが、1997年にPCを持って行くようになってからは、夜中も原稿を書くようになった。メールで原稿を送れるようになってからは、メールの返信を書いたり、原稿を書いたりするようになった。特にアメリカ出張だと夜中に日本の編集部の業務時間が始まるので、それに対応していると寝られなくなる。まったく、便利になったのか、不便になったのか分からない。

 持って行く機材も、1995年頃には電源を必要とするようなものは何も持っていなかったが(当時写真は、専任のプロカメラマンがフィルムカメラで撮ってくれていた)、2000年以降ぐらいからは電源を必要とするものが増えた。今では、ノートPC、タブレット、スマホ、カメラ、ストロボ、ビデオカメラ、ボイスレコーダー、スマートウォッチ、ワイヤレスイヤフォン、モバイルバッテリー……などなど、充電しなければならないデバイスがとても多い。

2014年4月の写真。iPhoneは5s。カメラはNEX-5R。当時は個別のアダプターが必要なデバイスも多かった

 出張時は、それらのデバイスが生命線でもある。アップルの基調講演が始まろうという時に、カメラやPCの充電が切れていたら、何をしに行ったか分からない。

 「そんなこと当り前!」と思われるかもしれないが、長い取材経験の中では、海外取材中にカメラが壊れてウォルマートで一眼レフを買ったり、前夜に酔っぱらってPCの充電をし忘れて焦ったこともある。そんなわけで、海外取材に出掛ける時は、機材も、電源も、なるべく二重化、バックアップが大切。モバイルバッテリーも複数を充電しておく必要がある。

 そのため、充電しなければならない機材はますます増える。そしてそれは国内の出張でも同じことだ。

多口電源タップが、どうしても出張に不可欠な理由

 最近のホテルでは客室のコンセントの口数が増えてきているが、多くのホテルでは、十分な数のコンセントがない。一般の人は、さほど電源を必要としないからかもしれない。

2019年3月の出張時。今でもホテルにはコンセントが少ないことが多い。マルチ電源タップは必需品だ

 ホテル以外でも、空港やプレスルーム、コワーキングスペースのようなところでも、自分が使えるコンセントは限られていることは少なくない。

 そこで、必需品となるのが、多口の電源タップだ。

 筆者は、出張の時は、30cmのケーブルの付いた3個口電源タップと、4個口のマイクロタップを組み合わせて持って行くことにしている。これによって、合計の使用電力をオーバーしないよう気をつける必要があるが、1口を最大6口にまで増やすことができる。差し込み口の向きも分散させることができるので、大きなアダプターや、直接繋がるバッテリーの充電器などでも差し込むことができる。

この組み合わせなら、大きなアダプターや直付けの充電器を複数繋ぐことができる。これが便利なポイントだ。筆者の場合、特にキヤノンのカメラのバッテリーの充電器がコンセントを塞ぎがち

 いろいろな製品を試したが、この組み合わせがベスト。いつから使っているか分からないが、いまだに使い続けている。

 USB Type-Aや、USB Type-Cのポートが組み合わさってるタイプもあるが、こういう専用ポートは時代の流れによって不要になったりするから、やはり大元は普通の電源タップがいい。

 最近は、意図的にUSB Type-Cケーブルで充電できる機材を増やそうとしているから、USB Type-Cのマルチポートアダプターの対応範囲は広がっているが、それでもカメラのバッテリーの充電などのためにコンセントが必要になることが多い。そんなワケで、多口の電源タップは必需品なのである。

 ちなみに、市場にはさまざまな製品が出回ってるが、筆者が使ってるのはエレコムの3個口30cmモバイルタップと、オーム電気のマイクロタップ4個口。

 特にエレコムの3個口30cmモバイルタップは秀逸だ。コンパクトだし、表裏で1口と2口に分かれているから、大型の電源アダプターでも干渉しにくい。

エレコムの3個口30cmモバイルタップ。反対面にも1口ある。とてもコンパクトなのが助かる

 オーム電気のマイクロタップは商品改良されたのか、筆者の所有しているのとまったく同じ製品は現行品に見当たらなかった。これも4個口が4面に分散しているので、大きなアダプターでも支障なく使えるから安心。

オーム電気の4個口マイクロタップ。左右方向に振り分けられるのが助かる。大きなアダプターは左右に振り分ければいい

 タコ足配線は避けたいところだが、利用するのは電子機器中心なので、電流量はさほど大きくはない。そのあたりは考えながら使いたいところではある。

 いつも、プラグの刃が他の機材を傷つけないように、輪っかにして持ち歩くようにしている。

輪っかにして持ち運ぶことで、他の機材をプラグの刃で傷つけずに済む。他のデジタルデバイスも傷付けたくないので、こういうことも大事なポイント

ホテルのテーブルや壁のコンセントを使う時にも便利

 ちなみに、30cmとわずかながら長さがあるケーブルと組み合わせているのも非常に重要なポイントなのだ。

 ホテルによっては、テーブルに設けられているコンセントが少しくぼんだ形になっていて大きなアダプターだと直接差し込めない場合がある。また、壁にあるコンセントだと、分岐させてたくさんのアダプターを差し込むとアダプターの重みで抜けてしまうことがある。

 30cmだけでもケーブルがあれば、アダプターを差し込んだ状態で、そうしたテーブルや壁のコンセントに差し込みやすいのである。

 もちろん、作業場所のことを考えると、2mぐらいのケーブルのものが理想だが、旅行は荷物をコンパクトにまとめるのが鉄則。そこで、この30cmのケーブルが便利……ということになるのである。

これまでも、いろいろな電源タップやアダプターを試してきたが、この組み合わせは優秀。もちろん、もっと便利なものを見つけたら、すぐさま乗り換えるつもりだ

 もちろん、ニーズは人それぞれだとは思う。しかし、筆者の四半世紀の取材経験にもとづくこのチョイス、出張の多い人にはおすすめできる組み合わせだと思う。

※編集部注:紹介している製品は定格電圧125Vの製品ですので、125Vを超える国では利用することができません。

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