テレワークグッズ・ミニレビュー

第68回

イスのキャスターがケーブルを巻き込む問題!! キャスターカバーで解消なるか?

キャスターカバーでケーブル巻き込み問題を解消できるか?

 自慢ではないが、筆者の仕事部屋は散らかりまくっている。

 散らかっているのはデスクの上だけでなく下もだ。特にやっかいなのがケーブルで、長すぎるヘッドセットのケーブルや各種USBケーブルなど、できるだけまとめるようにしているが、気がつけば床にたれていることもしばしば。

 そして問題になるのが、キャスター付きのイスを動かしたときに、それらケーブルを巻き込んでしまうこと。特に冬の間はイスに電気敷き毛布を敷いているのだが、そのケーブルがイスの脇に落ちて引っかけてしまう。100Vのケーブルがショートすれば大惨事だ。ケーブルをゴムで吊り下げたりいろいろと工夫しているが、気がついたらゴムが切れていたりと、なかなか決定的な解決策が見つけられていない。

 そんなとき本誌記事で見つけたのが、サンワサプライのキャスターカバー チェア用 150-CASTCV1GYという存在だ(関連記事参照)。これはキャスターの周りを囲うことでケーブルがキャスターに巻き込まれるのを防ぐというもの。写真を見た瞬間、即買いだと思ったが、値段を見てひるんだ。

 4280円もするだと!?

 なかなかの値段なので他に代わりになるものはないかと考えてみた。まずは見た目も似ている塩ビパイプを調べたがちょうどの寸法は見つからない。多少大きさが違っても問題なさそうだが、買ってきてのこぎりでカットして、それでダメだと骨折り損だ。

 さらに調べていると、ガムテープの芯が使えるというのが見つかったので試してみたところ、サイズもピッタリで良いあんばい。

 これはよさげだと思ったものの、実際にケーブルに引っかけてみると、芯が軽いのでカンタンに倒れてしまう。サンワサプライのキャスターカバーは末広がりになっていて、倒れにくくなっているようだ。ううむ、それぐらいは検証済みということか。

ガムテープ(正確には養生テープだが)の芯を使ってみた。サイズはピッタリ!
だが、本体が軽すぎるのでケーブルを引っかけると簡単に転んでしまう

 ということで、素直に買ってみるかとポチってみた。まぁそうそう壊れるものでもないし、今後10年使うと思えば高くはないだろう。それよりケーブルがショートして敷き毛布を買い直したり、最悪火事になることを思えば安いものだ。

大手メーカーの量産品とは思えぬクオリティ

 ということで、届いた商品を見てみる。

製品は5個セット

 と言っても見たままだ。塗装されているわけでもなく、なにかギミックがあるわけでもない。金型から取り出した素材そのものという感じだ。外側の見える部分は梨地で、底面と内側はツルツルとした平滑な面になっている。ところどころ、バリを落としたと思われる面取りがされているが、手作業のようで、全体的にかなり手作り感が漂う。また、それでもバリが完全に取れているとは言えない状況で、ところどころなでると引っかかる感じがある。

 あくまで勝手な想像だが、そんなに数が売れるとは想定していない感じだ。小ロットでほぼ手作業で作っているような。量産品とは思えぬ価格設定もそういった背景を考えると納得だ。ただ、決して悪い意味ではない。他に同じような製品は存在しないので、そんなニッチな商品でも製品化してしまうサンワサプライの姿勢に、むしろ好感を覚える。

 素材は耐衝撃性ポリスチレンとのこと。ポリスチレンと言えばプラモデルや発泡スチロールの原料として使われる素材だが、耐衝撃性ポリスチレンでできたこの製品は、いわゆるプラモデルのそれよりも硬く、たわむ感じがない。また手に持ってみると比重も重く、試してみたら水にも沈んだ。マニアックで恐縮だが、プラモデルというよりレジンキャストのガレージキットというイメージだ。

裾が広がったデザインで安定感がある
外側はざらざらとした梨肌、内側はツルツルした仕上げ
底面もツルツル。切削したというより型から抜いたママという感じだ
部分的にバリ取りをしたような箇所が。手作り感があふれる
樹脂素材といっても結構重い。試しに水にいれたら沈んだ
内径はおよそ85mmで直径5~8cmのキャスターに対応する

 早速筆者のイスに装着してみる。装着といっても床に置いたキャスターカバーの中にキャスターを入れるだけだ。

 筆者が使っているイスはオカムラのバロン。キャスターのサイズとしてもごくごく一般的なサイズだと思うが、まったく問題なく装着できる。むしろすき間は広めで、もう少し小さくてもいいんじゃないかと思うほどだ。

オカムラ バロンに装着した状態。床は畳の上にポリカーボネート製の硬めのチェアマットが敷いてある

 筆者の仕事部屋はもともと客間だった和室を使っているので、畳をいためないようイスの下にはチェアマットが2重に敷いてある。実は最初に買ったチェアマットが一般的なPVC素材の柔らかめのタイプだったため、後からデンマーク イメクスポ社製というポリカーボネート素材のものを追加で購入したのだ。

 このポリカーボネート製の製品はかなり硬く、下が畳でもキャスターが沈み込んだりしない(畳の上で使うのにはオススメだ)。おかげでキャスターの動きもいいし、今回買ったキャスターカバーについても、滑りはとてもよくて、イスの動きが悪くなるようなことはない。

 LANケーブルや電源ケーブル、USBケーブルなど、太さや柔らかさの異なるタイプケーブルをわざと引っかけてみても、いずれも問題なく押しのけてくれて、ケーブルを踏む心配はなくなった。末広がりのデザインと適度な重さのおかげで安定感があって、ガムテープの芯のときのように転げてしまう様子もない。

 まだあまり長期間ためしたわけではないが、この様子であればもうケーブルに引っかかったり踏んだりする問題とはおさらばできるだろう。

LANケーブルや電源ケーブル、USBケーブルなどさまざまなケーブルで試したが問題なし!
イスに敷いた電気毛布のケーブルを巻き込むこともなくなった
太めのケーブルが引っかかってもカバーが倒れることはない
裾広がりの形状で薄い紙などでもすくい上げるような形になる

問題もある! なので対策してみた……

 ただし、気になる部分もある。

 というのも、表面が梨地仕上げのポリカーボネート製チェアマットゆえ、キャスターカバーを引きずる「シャー」っという音がする(おそらくカーペットの上などで使えば気にならないだろう)。

 ただ、それ以上に気になるのが動き始めのカコーンという音だ。キャスターカバーの内径が80mmとキャスターに比べてやや大きいので、動き始めにちょっと遊びがあって、助走が付いた状態でキャスターとカバーが接触するために、大きめの音が鳴るのだ。5つのキャスターそれぞれで鳴るので、「カコカコーン」とまるでボーリング場にいる気分だ。

すき間がある分、動き始めに勢いよくぶつかって大きめの音が鳴る

 さすがにこれはうるさいので、ちょっと対策をしてみた。

 音が鳴るのはキャスターとキャスターカバーがぶつかることによるので、カバーの内側にクッションとなるものがあれば音が抑えられるはずだ。といっても普通のスポンジテープでは引っかかりそうだし、長く使うとボロボロになりそう。

 そこで思いついたのが、家具の下に貼る「床のキズ防止テープ」だ。同じような製品はいろいろあるが、筆者が使ったセイエイの製品はポリエステル製で、滑りもいいし耐久性も期待できる。

 ということで貼ってみると作戦は大成功! カコーン音はほぼ消すことができた。本来の使い方ではないので耐久性などは明言できないが、そもそもがもっと過酷な使われ方をする製品なので、期待はできるだろう。

キャスターカバーの内側に「床のキズ防止テープ」を貼るとカコーン音が解消

 ただ、今度は引きずる「シャー」っという音が気になってくる。こちらは底面に同じテープを貼ることもできたが、キズ防止テープは厚みが2mmほどあって、フラットタイプのLANケーブルなどでは乗り越えてしまいかねない。もっと薄くて柔らかく、かつ丈夫なものはないか?

 いろいろと探した結果、エーモンのクッションハーネステープを使ってみることに。これは本来クルマのハーネスをまとめるためのテープだが、走行中の振動でカタカタ音が鳴らないように柔らかいPET不織布でできている。一般的なフェルトテープだと厚さ2mm程度あるなかで、これは0.3mmと圧倒的に薄い。耐久性という部分でも自動車向けということで期待ができそうだ。

 ということで今度は底面にクッションハーネステープを貼ってみると、これまた音量は大きく低減した。さすがに5つのキャスターカバーを引きずるのでまったく無音とは行かないが、「スー」ぐらいの音でほとんど気にならない音量まで低減することができた。

 ただし、問題は幅が19mmしかないので、細切れにして貼りつけていて、耐久性には疑問が残る。また、今回ポリカーボネート製のチェアマットとの組み合わせだったので、この結果になったが、床材によってはなにも貼らない方が良い場合もあるだろう。

底面が床を引きずる音がするので、エーモンの「クッションハーネステープ」を貼ってみた。見た目は悪いが効果はてきめん!!

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